熊本市で事業承継を進める手順は?自社株・不動産の名義変更と法務局・裁判所の管轄、地場産業ごとの注意点を熊本の弁護士が解説!

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西田 幸広 弁護士

監修者:弁護士 西田幸広

法律事務所Si-Law代表 / 熊本県八代市出身 / 熊本を中心に企業法務支援

熊本市で会社やお店を営んでこられた経営者の方から、「そろそろ後のことを考えたいが、まず何から手をつければよいのかわからない」というご相談をいただくことが増えています。

同じ熊本県内でも、熊本市は中央区の商業地、東区・北区の住宅地と工業団地、南区・西区の港湾と農地が隣り合っており、業種も建設・運送・飲食・小売・医療介護と幅広いのが特徴です。

そのため、「事業承継の一般的な進め方」を読んだだけでは、ご自身の会社で何が問題になるのかが見えにくいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、熊本市で事業承継を進めるときの手順を、自社株と不動産の名義変更、許認可の引き継ぎ、熊本地方法務局や熊本地方裁判所といった管轄の話まで含めて解説していきます。

あわせて、熊本市内で使える相談窓口と費用の目安、弁護士に相談したほうがよい場面も整理しました。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

熊本市で事業承継の相談が増えている背景

熊本市は熊本県内の事業所が最も集中している地域で、承継を控えた経営者の数もそれに比例して多くなります。

一方で、都市部ならではの事情が承継の足を引っ張ることがあります。相談の現場で繰り返し出てくるのは、次のような話です。

  • 創業から40年以上たち、株主名簿が当初の発起人のまま更新されていない
  • 親族が相続で株を持ったまま、連絡も取りづらくなっている
  • 店舗や倉庫が賃貸で、オーナーの承諾が取れるかわからない
  • 建設業や運送業の許可があり、名義が変わると許可がどうなるか不安がある
  • 借入に経営者保証が付いており、後継者が引き受けてくれるか読めない

半導体関連の進出で「売らない前提」が崩れ始めている

熊本県内では半導体関連の設備投資が続き、合志市・菊陽町を中心とした人の動きが熊本市の雇用や地価にも影響しています。

その結果、熊本市の中小企業でも「数年前なら考えなかった第三者承継(M&A)を検討する」という経営者が出てきました。

買い手が付きやすい局面は長く続くとは限りませんので、売る・売らないを決める前に、まず自社の権利関係を整えておくことが実際的です。

後継者候補が市外・県外にいるケースが多い

熊本市のご相談では、お子さんが福岡や関西で働いていて、戻るかどうか決めきれていないという状況がよくあります。

この場合、「戻ってくれるなら親族内承継、戻らないなら従業員承継か第三者承継」という二段構えで準備を進めることになるのが一般的です。

どちらに転んでも使える準備(株の整理、不動産の名義確認、保証の洗い出し)を先に済ませておくと、後から方針が変わっても慌てずに済みます。

「あと5年」で考えると間に合わないことがある

事業承継は、株の移転だけなら短期間で形を作ることもできますが、許認可の引き継ぎや金融機関との調整を含めると、1年から3年程度を見ておくのが通常です。

後継者を社内で育てる場合や、税制の特例を使う場合は、さらに前から動く必要が出てきます。

ご相談のタイミングとしては、引退の時期を決める前、「考え始めた段階」で一度整理しておくのが安全です。

別記事では「事業承継とは?意味・3つの種類と進め方」、「天草で事業承継を進めるには?漁業・観光・農業の引き継ぎと管轄」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

熊本市で事業承継を始めるときに最初に確かめる4つのこと

熊本市で事業承継を進める4つのステップを示した図解

どの方法で承継するかを決める前に、会社の足元を確認しておく必要があります。ここが曖昧なまま話を進めると、後継者や買い手が決まった段階で手続きが止まってしまいます。

最初に確認したいのは、次の4点です。

株主名簿が、いまの実態と合っているか

中小企業では、株主名簿が作られていなかったり、作られていても何十年も更新されていないことが少なくありません。

設立時に名前だけ借りた発起人がそのまま残っている、亡くなった親族の株が相続人に分散したまま放置されている、といった状態です。

株式を引き継ぐには誰が株主かを確定させる必要がありますので、法人税申告書の別表二や過去の議事録とあわせて、実態を洗い出すところから始めるのが原則です。

会社が使っている不動産の名義が、会社になっているか

本社や工場の土地建物が、登記簿上は社長個人や先代の名義のままになっているケースがあります。

この場合、会社の株を引き継いでも事業用不動産は引き継げませんので、別に売買や贈与の手続きが必要になります。

熊本市内の不動産であれば、登記事項証明書は熊本地方法務局(熊本市中央区大江)で取得できますので、早い段階で名義を確認しておくことをおすすめします。

許認可が「会社」に付いているか、「人」に付いているか

建設業許可や一般貨物自動車運送事業の許可は会社に対して与えられますが、要件として一定の資格者や経営経験者を置くことが求められるのが通常です。

一方、飲食店営業許可や古物商許可のように、個人事業であれば個人に紐づいているものもあります。

株を譲るだけで済むのか、許可の変更届や新規取得が必要なのかは業種ごとに異なりますので、個別に確認が必要です。

経営者保証と個人資産の担保提供を洗い出せているか

借入に社長個人の連帯保証が付いていたり、自宅が担保に入っていることはよくあります。

後継者にそのまま引き受けさせるのか、経営者保証に関するガイドラインに沿って解除を求めるのかで、交渉の進め方が変わります。

金融機関との協議には時間がかかりますので、承継の方針と並行して早めに相談しておくのが実務的です。

確認する項目どこで確認できるか放置したときに起きやすいこと
株主の構成株主名簿・法人税申告書別表二・過去の議事録譲渡の段階で所在不明の株主が出てきて進まない
事業用不動産の名義登記事項証明書(熊本地方法務局)株を譲っても工場や店舗が会社のものにならない
許認可の種類と要件許可証・各許可行政庁への照会代表者交代の届出漏れで営業に支障が出る
借入と保証・担保金融機関の残高証明・契約書・登記簿の担保設定後継者が保証を嫌がって承継そのものが止まる

別記事では「事業承継で連帯保証人はどうなる?経営者保証の解除要件」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

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熊本市で会社を引き継ぐ3つの方法と、向き・不向き

事業承継の方法は、大きく親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)の3つに分かれます。

どれが適しているかは、後継者候補の有無だけでなく、株を買い取る資金をどう作るか、取引先や金融機関がどう見るかによっても変わります。

方法向いているケースつまずきやすい点
親族内承継後継者が決まっており、事業を続けたい意向が固い他の相続人の遺留分、株の評価と贈与税・相続税の負担
従業員承継社内に実務を任せられる人材がいる株の買取資金が足りない、経営者保証の引き受け
第三者承継(M&A)後継者がいないが事業に収益力がある従業員の雇用や屋号の扱い、情報が外に漏れるリスク

親族内承継は、遺留分と株の評価が同時に問題になる

後継者に株を集めると、他の相続人の取り分が減り、遺留分をめぐる争いにつながることがあります。

自社株は不動産と違って換金しにくい一方で、相続税の計算上は高く評価されることがあるため、「株だけもらって納税できない」という事態も起こり得ます。

遺言書や生前贈与、除外合意・固定合意といった民法の特例を組み合わせて設計するのが原則ですが、どれを使うかは家族関係と資産の内容によって異なります。

従業員承継は、買取資金の作り方が最大の論点

熊本市内でも、長年勤めてきた役員や工場長に引き継ぐケースは少なくありません。

ただ、個人で株式を買い取る資金を用意できないことが多く、金融機関からの借入、持株会社を使う方法、段階的に譲渡する方法などを検討することになります。

あわせて、社長個人の保証を外して後継者に付け替える交渉も必要になりますので、金融機関とは早い段階から話をしておくほうが進みやすくなります。

第三者承継は、情報の出し方を先に決めておく

M&Aを検討する場合、社名が特定できない形(ノンネーム)で買い手を探すのが通常です。

それでも、熊本市のように同業者が互いを知っている地域では、所在地と業種だけで候補先が絞られてしまうことがあります。

誰に、どの段階で、どこまで伝えるかを最初に決めておくことが、従業員の動揺や取引先の不安を防ぐうえで重要になります。

どの方法でも、従業員への伝え方が結果を左右する

承継の話が中途半端に漏れると、「会社が売られる」という受け取り方をされ、主要な従業員が辞めてしまうことがあります。

人が抜けると事業の価値そのものが下がるため、買い手との交渉にも影響します。

開示のタイミングは、方針が固まり、雇用の条件について説明できる状態になってからにするのが実務上の原則です。

別記事では「事業承継は他人にもできる?株式の引き継ぎ手続き」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

自社株の引き継ぎ手続きと、相続で分散した株の集め方

株式の引き継ぎは、書類の作り方そのものは難しくありませんが、順番を飛ばすと後から無効を主張されることがあります。

非上場会社の多くは株式に譲渡制限が付いていますので、定款の定めを確認するところから始めます。

譲渡承認の決議を飛ばさない

譲渡制限株式を譲る場合、取締役会または株主総会の承認を得るのが原則です。

承認の決議を経ないまま名義を書き換えても、会社に対して株主であることを主張できないおそれがあります。

身内の間だからと口頭で済ませてしまう例をよく見かけますが、後で揉めたときに頼れるのは書面ですので、議事録まで残しておく必要があります。

株主名簿の名義書換えまでをセットで行う

株式の譲渡契約を結び、承認を得たら、株主名簿の名義書換えを行います。

ここまで済んで初めて、会社に対して株主としての権利を行使できる状態になるのが原則です。

名簿が存在しない会社の場合は、この機会に作成しておくと、以後の承継や増資のときに手戻りがなくなります。

相続で分散した株は、買取りか売渡請求で集約を検討する

先代の兄弟やいとこに株が渡っていて、所在も意向もわからないという相談は珍しくありません。

任意の買取交渉が基本ですが、定款に相続人等に対する売渡請求の定めを置いておく方法や、特別支配株主の株式等売渡請求を使う方法も検討材料になります。

いずれも要件と手続きが細かく、価格をめぐって裁判所の判断を求めることになる場合もありますので、着手前に見通しを立てておくことをおすすめします。

株券を発行している会社かどうかを確認する

古い会社では、定款上は株券発行会社のままになっていることがあります。

この場合、株券の交付がないと譲渡の効力が生じないのが原則ですので、株券不発行会社への定款変更を先に行うことが多いです。

登記事項にも関わりますので、熊本地方法務局での登記内容とあわせて確認します。

別記事では「事業承継に遺言書は必要?自社株・遺留分の注意点」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

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熊本市の不動産・店舗を引き継ぐときの登記と賃貸借

熊本市の不動産・店舗の引き継ぎを解説するイメージ画像

熊本市の事業承継で意外に時間がかかるのが、不動産まわりの整理です。

自社所有か賃貸かで論点が大きく変わりますので、どちらなのかを先に切り分けます。

自社所有なら、登記の名義と担保の状況を確認する

熊本市内の不動産の登記は、熊本地方法務局(熊本市中央区大江)が管轄します。

登記事項証明書を取って、所有者が会社になっているか、抵当権や根抵当権がどの借入に対応しているかを確認します。

先代名義のままであれば、会社への移転が必要か、個人から後継者へ相続・贈与で移すほうがよいかを、税負担を含めて比較することになります。

賃貸の店舗・倉庫は、賃貸人の承諾が必要になることがある

株式譲渡の形で会社ごと引き継ぐ場合、借主は会社のままですので、賃貸借契約はそのまま続くのが原則です。

ただし、契約書に「経営権の移動があったときは賃貸人の承諾を要する」といった条項が入っていることがあり、この場合は事前に話を通す必要があります。

事業譲渡の形をとるときは、借主が変わりますので、賃貸人の承諾が必要になるのが通常です。

中央区の商業地では、造作や看板の扱いも決めておく

上通・下通や新市街のような商業地の店舗では、内装や厨房設備、看板の所有関係があいまいなことがあります。

造作を譲渡の対象に含めるのか、原状回復義務を誰が負うのかを契約書で明確にしておかないと、引き渡し後に費用負担をめぐって争いになります。

飲食店や小売店の承継では、ここを詰めておくかどうかで後の手間が大きく変わります。

別記事では「飲食店の事業承継はどう進める?営業許可と店舗の賃貸借」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

熊本市で多い業種ごとの許認可の引き継ぎ

熊本市は業種の幅が広く、許認可の種類によって引き継ぎの難しさが変わります。

ここでは相談の多い業種について、注意点を整理します。

業種主な許認可承継で注意する点
建設業建設業許可(熊本県知事許可が中心)経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を満たし続けられるか
運送業一般貨物自動車運送事業許可株式譲渡なら許可は維持されるのが原則だが、事業譲渡は譲渡譲受の認可が必要
飲食店飲食店営業許可(保健所)法人か個人かで名義が異なり、個人事業は新規取得が必要になることがある
介護事業指定介護事業者の指定株式譲渡なら指定は継続するのが原則だが、事業譲渡は新規指定の手続きが必要
医療(診療所)保険医療機関の指定・開設許可医療法人か個人診療所かで手続きが大きく異なる

株式譲渡と事業譲渡で、許認可の扱いが変わる

株式譲渡は、会社の株主が変わるだけで会社自体は同じですので、会社に付いた許認可は原則としてそのまま続きます。

一方、事業譲渡は別の法人格に事業を移すため、許認可を新たに取り直す、または承継の認可を受ける必要が出てきます。

許認可が事業の生命線になっている業種では、この違いが承継の方法そのものを決めることがあります。

代表者が変わったときの届出を忘れない

許可が維持される場合でも、代表者や役員の変更について届出が必要なことが多く、期限が定められているものもあります。

届出漏れが続くと、更新時に指摘を受けたり、行政処分の対象になるおそれがあります。

承継のスケジュールを組むときに、登記の変更と届出をセットで予定に入れておくのが安全です。

資格者の退職が、許可の維持を危うくすることがある

建設業の専任技術者や介護事業の管理者など、資格者が辞めると要件を満たせなくなる業種があります。

承継を機に高齢の資格者が引退するケースもありますので、後任を確保できるかを事前に確かめておく必要があります。

買い手側から見ても、ここが不安定な会社は評価が下がりやすい部分です。

別記事では「介護事業の事業承継で指定は引き継げる?」、「クリニックの事業承継はどう進める?」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

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熊本市で使える相談窓口と費用の目安

熊本市で使える事業承継の相談窓口と費用の目安のイメージ画像

熊本市では、公的な窓口と民間の専門家の両方を使えます。段階に応じて使い分けると、費用を抑えながら進めることができます。

まず何を相談したいのかを整理してから窓口を選ぶと、同じ説明を何度も繰り返す手間が省けます。

商工会議所や金融機関は、入口の相談先として使いやすい

熊本商工会議所や取引先の金融機関は、無料で相談に乗ってくれることが多く、専門家の紹介につないでもらえる場合もあります。

ただし、個別の法律問題や税額の計算までは踏み込めませんので、方向性を整理する段階の相談先と考えるのが現実的です。

日頃の付き合いがある相手なので、情報の扱いについては相談の時点で確認しておくとよいでしょう。

後継者が見つからないときは、県のセンターも選択肢になる

熊本県事業承継・引継ぎ支援センターでは、無料の相談や後継者人材バンクを使ったマッチングを受けられます。

ただし、マッチングが成立した後の契約条項の検討や、株の集約のような法的な作業は別に専門家が必要になるのが通常です。

どこまでを公的機関で進め、どこから専門家に引き継ぐかを意識しておくと無駄がありません。

弁護士に相談するのは、権利関係と契約を詰める場面

株主が確定しない、親族の間で意見が割れている、契約書の条項の意味がわからない、といった場面では弁護士の関与が必要になります。

費用は、相談料が30分5,000円程度、株式譲渡契約の作成やチェックが数十万円程度といった水準が一つの目安ですが、事務所や案件の規模によって異なります。

最新の料金は依頼前に見積りを取り、どこまでが着手金でどこからが成功報酬かを確認しておくことをおすすめします。

相談先費用の目安向いている段階
商工会議所・金融機関無料が中心方向性の整理、専門家の紹介
熊本県事業承継・引継ぎ支援センター無料(登録制のマッチングを含む)後継者が見つからないときの相手探し
税理士顧問料の範囲または別途見積り株価の評価、税制の特例の検討
弁護士相談料30分5,000円程度〜、契約作成は別途株の集約、親族間の調整、契約条項の検討
M&A仲介会社着手金と成功報酬(レーマン方式が多い)第三者への譲渡で相手探しから任せたいとき

別記事では「熊本県事業承継・引継ぎ支援センターの無料相談はどこまで?」、「事業承継の仲介手数料はいくら?相場一覧とレーマン方式の計算」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

熊本市で手続きを進めるときに知っておきたい管轄の話

事業承継では、登記・裁判所・税務の手続きが絡み、それぞれ窓口が違います。

熊本市内の会社であれば、おおむね次のように整理できます。

手続き窓口備考
会社の登記(役員変更・定款変更)熊本地方法務局(熊本市中央区大江)本店所在地を管轄する法務局で行う
不動産の登記(名義変更・担保の抹消)熊本地方法務局市内の不動産は本局が管轄
遺産分割・遺言の検認熊本家庭裁判所相続人の住所等により管轄が決まる
株式の価格決定などの申立て熊本地方裁判所会社の本店所在地が基準になるのが原則
相続税・贈与税の申告所轄の税務署(熊本東・熊本西など)住所地により所轄が分かれる

熊本市内なら登記は本局でまとまる

八代市や天草市のように支局・支部の管轄が分かれる地域と違い、熊本市内の会社と不動産は熊本地方法務局の本局で手続きができます。

県南や郡部に工場や社宅を持っている場合は、その不動産だけ別の支局の管轄になることがありますので、所在地ごとに確認が必要です。

複数の市町村に不動産があると、登記費用や取得する証明書の数も増えますので、早めに一覧にしておくと見積りが取りやすくなります。

相続が絡むと家庭裁判所の手続きが入ってくる

株を持っていた親族が亡くなり、遺産分割がまとまらない場合は、熊本家庭裁判所での調停・審判になることがあります。

この間は株主が確定しませんので、承継の手続きは実質的に止まります。

生前に遺言や合意で道筋を付けておく価値が大きいのは、この点にあります。

認知症が進むと、株の移転そのものができなくなる

株を持つご本人の判断能力が低下すると、譲渡契約や議決権の行使が難しくなり、成年後見の申立てが必要になることがあります。

後見人は本人の財産を守る立場ですので、承継のために有利な条件で株を動かすことは想定されていません。

健康なうちに方針を決めておくことが、結果として選べる手段を増やすことにつながります。

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熊本市の事業承継でよくあるご質問

後継者がいない場合、必ず会社を売らなければなりませんか

そうとは限りません。従業員への承継、親族の中で改めて候補を探す、事業の一部だけを譲るといった選択肢もあります。

黒字のまま廃業するという判断もあり得ますが、取引先や従業員への影響が大きいため、他の手段と比較してから決めるのが望ましいでしょう。

どの道を選ぶにしても、先に株と不動産、保証の整理をしておくと判断材料が揃います。

従業員に知られずに進めることはできますか

一定の段階までは、ごく限られた人だけで進めるのが通常です。

ただし、買い手が決まって調査(デューデリジェンス)に入ると、資料の準備で経理担当者などの協力が必要になることが多くあります。

誰にいつ伝えるかを事前に設計しておくことが、動揺を避けるうえで重要です。

準備にはどれくらいの期間をみておけばよいですか

権利関係の整理から引き渡しまでで、1年から3年程度をみておくのが一般的です。

株主が分散している、不動産の名義が整っていない、許認可の要件を満たす人材を確保する必要がある、といった事情があればさらに時間がかかります。

逆に、株主が社長一人で許認可も会社に付いている会社であれば、数か月で形になることもあります。

相談の前に用意しておいたほうがよい資料はありますか

直近3期分の決算書、登記事項証明書(会社・不動産)、株主名簿、借入の残高がわかる書類、許可証の写しがあると話が早く進みます。

揃っていない場合でも、何が無いのかがわかれば次の一手を決められますので、手元にあるものだけでご相談いただいて構いません。

ご自身で集めにくい書類については、取得の方法からご案内しています。

熊本市で事業承継を進めるときは、まず株主名簿・事業用不動産の名義・許認可・経営者保証の4点を確認し、そのうえで親族内承継・従業員承継・第三者承継のどれを軸にするかを決めていくことになります。

熊本市内の会社であれば登記は熊本地方法務局の本局でまとまりますが、相続が絡むと熊本家庭裁判所の手続きが入り、株主が確定するまで承継が止まってしまうこともあります。

建設業・運送業・飲食店・介護・医療といった許認可が必要な業種では、株式譲渡か事業譲渡かで手続きの重さが大きく変わりますので、方法を決める前に確認しておくことが大切です。

制度の要件や金額は年度によって変わり、個別の事情によっても結論が異なりますので、具体的な判断の前には最新の情報と専門家の確認をお願いいたします。

熊本市・八代市を中心に事業承継のご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。

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