【2026年最新版】事業承継に使える補助金は?対象経費・申請手順・親子間承継も解説!

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西田 幸広 弁護士

監修者:弁護士 西田幸広

法律事務所Si-Law代表 / 熊本県八代市出身 / 熊本を中心に企業法務支援

事業承継に使える補助金は、後継者の設備投資やM&A費用、承継直後の販路開拓まで幅広くカバーしてくれる、とても心強い制度です。

とはいえ、「どの補助金が自社に合うのか」「申請方法や対象経費がわからない」という声は少なくありません。

そこで本記事では、2026年の最新版として、事業承継に使える補助金の種類や使い分け、対象経費と申請手順を詳しく解説しました。

親子間承継の場合や、個人事業主でも使えるかについても触れていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

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【2026年最新版】事業承継に使える補助金

事業承継に使える補助金は、国・自治体を含めていくつかの種類があります。

まずは以下の比較表で全体像を把握したうえで、自社に合いそうな制度をイメージしながら読み進めてみてください。

補助金名主な目的補助上限額対象
事業承継・M&A補助金(事業承継・引継ぎ補助金)事業承継促進枠(旧:経営革新枠)承継を機にした設備投資・IT化など最大1,000万円親族内・従業員承継
専門家活用枠M&Aの専門家費用(仲介・DD等)最大2,000万円M&A(買い手・売り手)
PMI推進枠M&A後の統合作業(PMI)最大1,000万円M&A後の統合
廃業・再チャレンジ枠廃業時の整理費用最大150万円廃業を予定している事業者
その他の主要な補助金事業再構築補助金業態転換・新市場参入など大きな変化数百万〜数千万円規模中小企業・小規模事業者
ものづくり補助金生産性向上のための設備・システム導入最大4,000万円※従業員規模による中小企業・小規模事業者
小規模事業者持続化補助金販路開拓・業務効率化最大250万円(原則50万円)小規模事業者
各自治体の補助金・助成金地域の産業政策に応じた支援自治体により異なる自治体により異なる

これらは2026年7月時点の情報であり、具体的な内容は公募回によって変わる場合があります。

最新情報は、各公式サイトでご確認いただきたいですが、まずここでは自社にどのような補助金が合うのかをイメージできるよう、それぞれ詳しく解説していきます。

事業承継・M&A補助金(事業承継・引継ぎ補助金)

事業承継・M&A補助金」は、事業承継をするときにかかる費用の一部を、国が補助してくれる制度です。

以前は「事業承継・引継ぎ補助金」と呼ばれており、2025年度に制度名称が変更されました。

親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)のいずれの方法を選んだ場合でも、補助の対象となります。

事業承継・M&A補助金は、次の4つの「枠」に分かれていて、自社の状況や目的に合った枠を選んで申請する流れです。

  • 事業承継促進枠(経営革新枠)
  • 専門家活用枠
  • PMI推進枠
  • 廃業・再チャレンジ枠

それぞれの枠について、申請条件や対象経費などを具体的にご紹介します。

事業承継促進枠(経営革新枠)

「事業承継促進枠」は、後継者が引き継ぐタイミングで、古くなった設備を新しくしたり、業務を効率化したりするための投資に使える枠です。

以前は「経営革新枠」と呼ばれていましたが、制度名称が変わったのと同時に、枠の名称も変更されています。

「せっかく引き継ぐなら、この機会に会社をもっとよくしたい」と考えている方にぴったりの制度だと言えるでしょう。

対象者中小企業・小規模事業者
申請条件親族内承継または従業員承継を計画していること承継をきっかけに生産性を上げる投資をおこなうこと
主な対象経費機械・装置や内装・改修工事などの設備費販売管理・在庫管理などのITシステムの導入費外注・委託・謝金・旅費・知財関連費 など

審査の際に大切になるのは、「新しい設備を買います」で終わらず、「この投資で何がどれくらい改善されるか」を具体的な数字で伝えることです。

例えば、「この作業を機械化することで、月◯時間の作業が不要になる」といったイメージがあると、審査員にも伝わりやすくなります。

採択されたあとは計画の内容から大きく外れないように進め、もし途中で変更が必要になったときは、勝手に動かず、事務局に確認してからにするのがよいでしょう。

専門家活用枠

「専門家活用枠」は、M&Aで事業を引き継ぐときに、外部の専門家に払う費用を補助してもらえる枠です。

M&Aでは、弁護士や会計士などさまざまな専門家が関わりますが、その費用は決して安くないため、この枠を使うことで負担を軽くしてくれます。

対象者M&Aを検討している中小企業・小規模事業者
申請条件国の登録制度に登録されたM&A支援機関を活用すること交付決定後・事業期間内に契約・発注・支払いを完了させること
主な対象経費仲介業者やファイナンシャルアドバイザーへの手数料デューデリジェンス(DD)費用企業価値算定・セカンドオピニオンマッチングサイト利用料・表明保証保険料 など

デューデリジェンスとは、会社の財務・法務などを詳しく調べる作業のことです。

この枠で気を付けてほしいのは、手続きの順番だと言えるでしょう。

補助金の交付決定が出る前に契約や支払いをしてしまうと、その費用は補助の対象外になってしまいます。

また、見積書・請求書・支払いの名義や日付がバラバラだとあとで困る可能性がありますので、書類はきちんと揃えておくようにしてください。

PMI推進枠

M&Aが成立したあと、2つの会社を1つにまとめていく作業を「PMI(Post Merger Integration)」と言います。

「PMI推進枠」は、その統合作業にかかる費用を補助してくれる枠です。

契約が終わってからも、ルールや働き方を揃えたりシステムを一本化したり、社員の研修をおこなったりと、やるべきことはたくさんあります。

そういった「引き継いだあとの実務」を支援してくれる枠だと言えるでしょう。

対象者M&Aが成立した(または成立予定の)中小企業・小規模事業者
申請条件M&A成立後(または成立予定)の統合計画があること専門家を活用するか、統合のための投資をおこなうこと
主な対象経費統合作業を手伝ってくれる専門家への費用業務のやり方や人事制度を整えるための外注費システムの統合やデータ移行にかかる費用社員向けの研修・人材育成にかかる外注費 など

申請のポイントとして、「いつまでに何をどうするか」といった具体的な目標を数字で示すことで、計画が伝わりやすくなります。

なお、M&A成立前にかかった仲介費用などは「専門家活用枠」の対象です。

どの費用をどの枠で申請するかは、事前に整理しておくのがよいでしょう。

廃業・再チャレンジ枠

「廃業・再チャレンジ枠」は、後継者が見つからず、やむなく廃業を選ぶ場合に、その「後片付け」にかかる費用を補助してくれる枠です。

廃業というと後ろ向きなイメージがありますが、きちんと幕を閉じて次へ進むための大切な選択として、国も支援してくれています。

対象者事業を譲渡できず、計画的に廃業を予定している中小企業・小規模事業者
申請条件譲渡できなかった事業を計画的に廃業すること
主な対象経費設備などの解体や原状回復・在庫廃棄・リース解約廃業手続きの専門家費用他枠との併用時は移転・移設費も対象になる場合あり

廃業・再チャレンジ枠は、他の枠と組み合わせて使うこともできます。

申請書類では、「なぜこの判断をしたのか」「そのあと、経営資源をどこに向けるのか」をポジティブな視点で書くことが大切です。

従業員の今後の対応や、経営者自身の次のチャレンジについても触れると、前向きな計画として評価されやすくなるでしょう。

事業承継・M&A補助金は、どの枠を使う場合でも守ってほしいルールが2つあります。

ひとつは「補助金の交付決定が出る前に、契約・発注・支払いをしないこと」、そしてもうひとつは「補助事業は決められた期間内に完了させること」です。

うっかり順番を間違えると補助金が受け取れなくなってしまうので、十分に注意してください。

事業承継・M&A補助金の​​対象経費と対象外経費の早見表

実際に事業承継・M&A補助金の申請を検討し始めると、「自分が使おうとしている費用は、本当に対象になるのだろうか?」と気になってくる方も少なくありません。

そこで、事業承継・M&A補助金における対象経費と対象外経費を早見表にまとめましたので、ご確認ください。

対象経費の例対象外になりやすい経費の例
事業承継促進枠機械・装置内装・改修工事ITシステム導入費外注・委託費知財関連費汎用PCのみの購入土地・建物の取得過度な広告費・交際費
専門家活用枠FA・仲介手数料DD費用企業価値算定表明保証保険料交付決定前の契約・支払い分登録外支援機関への費用
PMI推進枠専門家への委託費システム統合・データ移行費人材育成・研修の外注費FA・仲介費用(専門家活用枠の対象)通常の広告・広報費
廃業・再チャレンジ枠解体・原状回復費在庫廃棄費リース解約費廃業手続きの専門家費用売却によって対価を得る在庫等の処分費

この早見表はあくまでも目安であり、公募回によって細かいルールが変わる場合があります。

もし「自社のケースが対象になるかどうか」の判断に迷う場合は、サポート機関や専門家に確認するのがおすすめです。

その他の主要な補助金

事業承継のタイミングは、会社をもっとよくするための投資を後押ししてもらえる絶好の機会でもあるため、承継に特化した補助金以外にも、目的に合わせて使える制度がいくつかあります。

ここでは、主要な補助金として、次の3つをご紹介します。

  • 事業再構築補助金
  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金

ただし、同じ費用を複数の補助金で申請することはできません。

どの補助金でどの費用をカバーするか、あらかじめ整理しておくようにしましょう。

事業再構築補助金

事業再構築補助金」は、新しい市場への参入や業態の転換など、会社の方向性を大きく変えるような挑戦を支援する補助金です。

承継後に主力商品をガラッと変えたい、これまでとは違う売り方にシフトしたい、海外にも売り込んでいきたい、というような「思い切った一歩」を踏み出すときにおすすめだと言えるでしょう。

審査では「どれだけ新しいか」「本当に実現できるか」「しっかり儲かるか」の3点が重視されます。

設備の購入だけに偏らず、売上や利益がどう変わるかのシナリオも一緒に描くことが大切です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金」は、生産性を上げるための設備やシステムの導入を支援する補助金です。

承継前から課題になっていた工程の非効率を解消したい、機械化・自動化に踏み切りたいといった場面でよく活用されています。

審査では「この投資でどれくらい生産性が上がるか」を数字で示すことが求められます。

導入する機械のスペックと、それによってどう改善されるかをセットで説明できるようにしておくのがよいでしょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金」は、新しい顧客を獲得したり、業務を効率化したりするための費用を補助してくれる制度です。

Webサイトのリニューアル・チラシの制作・展示会への出展・顧客管理システム(CRM)の導入など、承継直後に「まず売上を立てたい」という場面に向いています。

申請には商工会議所・商工会が発行する「事業支援計画書」が必要になるため、早めに相談に行くのがおすすめです。

各自治体独自の補助金・助成金

国の制度とは別に、都道府県や市区町村の各自治体が独自に設けている補助金・助成金もあります。

具体的な名称・補助率・募集時期は自治体によって異なるため、「自社のある地域名+事業承継+補助金」といったキーワードで検索して、公募ページを確認してみてください。

地域によっては、賃上げやDX(デジタル化)、脱炭素への取り組みが要件になることもあります。

できれば承継を考え出した段階から、使えそうな補助金を把握し、専門家にも相談しながらすすめていくのがおすすめです。

TORUTE株式会社では、補助金を使えるかどうかはもちろん、事業承継の進め方まで整理させていただきますので、まずは一度ご相談ください。

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事業承継の補助金や助成金の目的とは

事業承継の補助金・助成金は、ただ「お金を渡す」だけの制度ではありません。

大きく分けると、次のような4つの目的があります。

  • 後継者不足による廃業を防いで地域の雇用と経済を守ること
  • 承継後の事業をさらに成長させること
  • M&Aをスムーズに進めること
  • どうしても廃業する場合でも、経営者が次の一歩を踏み出せるよう支援すること

つまり、補助金は「苦しいときの一時的な助け」ではなく、後継者が新しい経営をスタートするための「背中を押す資金」です。

国が費用の一部を負担することで、手元の資金に余裕がなくても、設備の更新・デジタル化・新しい販路の開拓といった「会社を強くするための投資」に踏み切りやすくなります。

こうした一社一社の取り組みが積み重なることで、地域全体の活力を守ることが、この制度の目標だと言えるでしょう。

どの補助金がどの承継パターンに向くか

事業承継で補助金の活用を考える場合、誰が引き継ぐかによって使いやすい補助金や、事業承継・M&A補助金の枠が変わってきます。

承継の方法は、大きく以下の3つです。

  • 親族内承継
  • 従業員承継
  • 第三者承継(M&A)

せっかく使える制度があっても、状況に合っていないと申請できないこともあるため、事前に整理しておくのがよいでしょう。

それぞれのケースで向いている補助金や、事業承継・M&A補助金の枠を詳しく解説していきます。

親族内承継に向いている補助金

家族や親族に引き継ぐ「親族内承継」の場合、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠(旧:経営革新枠)が特に使いやすい選択肢です。

後継者が中心となって、老朽化した設備の入れ替えや業務の自動化、IT化などを進めるときに活用できます。

「自分が引き継いだら、こんな会社にしたい」というビジョンと、そのために必要な投資をセットで計画書に書くことが採択のポイントです。

賃上げの方針も盛り込むと、補助の上限額が引き上げられる可能性もあるでしょう。

さらに、承継後に事業の方向性を大きく変えたい場合は、事業再構築補助金も視野に入ります。

また、小規模な販路開拓や業務効率化には、小規模事業者持続化補助金が使いやすい場合もあるため、検討してみるのがおすすめです。

従業員承継に向いている補助金

長年会社を支えてきた従業員が引き継ぐ「従業員承継の場合」も、事業承継促進枠を活用できます。

また、従業員が株式を買い取る形(MBO)でおこなう場合は、その手続きを専門家がサポートする費用を専門家活用枠で補助してもらえるケースも考えられるでしょう。

採択のポイントとしては、「引き継いだあと、どうやって会社を成長させるか」という具体的なビジョンをしっかり書くことです。

生産設備の刷新や自動化を一緒に進めるなら、ものづくり補助金との組み合わせも検討することができます。

第三者承継(M&A)に向いている補助金

社外の人や会社に引き継ぐ「第三者承継(M&A)」の場合は、専門家活用枠とPMI推進枠が特におすすめです。

M&Aの交渉や調査にかかる専門家への費用は専門家活用枠で、成立後の会社統合(PMI)にかかる費用はPMI推進枠でそれぞれ補助を受けられます。

「契約前から統合後まで」を一連の流れとして計画しておくと、補助金も無駄なく活用できるでしょう。

なお、後継者が見つからずやむを得ず廃業を選ぶ場合は、廃業・再チャレンジ枠を活用することで、整理にかかる費用の一部を補助してもらえます。

どの承継方法を選ぶにしても、状況に応じて複数の補助金を組み合わせることが、賢く活用していくポイントだと言えます。

M&Aの価格の決め方や費用の考え方」については、別記事も参考にしてください。

親子間でも事業承継・M&A補助金は使える?

親子間でも補助金は使えるのかのイメージ画像

結論からお話しすると、親子間でも事業承継・M&A補助金は使えます。

「家族への引き継ぎだから対象外では?」と思う方もいるかもしれませんが、親族内承継はしっかり対象として認められており、設備投資や体制整備を支援する枠も用意されています。

ただし、気を付けてほしいのは、「ただ名前を変えるだけ」の承継では評価されないという点です。

「この承継によって会社のどんな課題が解決されるのか」「生産性や利益がどう上がるのか」を計画書できちんと説明することが求められます。

例えば、デジタルに強い・海外展開に詳しいなど、後継者ならではの強みを活かした、具体的な投資計画にすると説得力が増すはずです。

また、親族間で株式を売買する場合は、その資金計画や税金も計画書に盛り込んでおくと、審査や金融機関への説明もスムーズに進みやすくなるでしょう。

別記事では、「親子間承継で使える制度」についてまとめていますので、こちらも参考にしてください。

個人事業主でも事業承継・M&A補助金は使える?

個人事業主でも、事業承継・M&A補助金を申請できる場合があります。

個人で営んでいる事業を誰かに引き継ぐ場合、次のような内容が補助の対象になる可能性が考えられるでしょう。

  • 買い手側の調査(DD)
  • 専門家への依頼費用
  • 引き継いだあとの設備
  • 内装の整備
  • 廃業時の整理費用 など

ただし、いくつかの条件があり、まずは青色申告をしていることが前提です。

そして、取引や支払いにまつわる見積書・請求書・振込記録などの書類の名義・日付・金額がきちんと一致していることが求められます。

特に注意が必要なのは、屋号や口座名義が変わるタイミングです。

書類の名義がバラバラになりやすいため、ひとつずつ丁寧に確認しながら進めるようにしてください。

2026年度は事業承継の補助金でいくらもらえる?

実際に事業承継の補助金でいくらもらえるのかは、気になる部分ではないでしょうか。

ここでは、2026年度に募集がおこなわれた「第14次公募」の内容をもとにご紹介します。

上限額補助率
事業承継促進枠800万〜1,000万円(賃上げで1,000万円)2分の1〜3分の2(小規模は最大3分の2)
専門家活用枠(買い手)600万〜800万円(DD申請で+200万円・要件により2,000万円枠あり)条件に応じ3分の1・2分の1・3分の2
専門家活用枠(売り手)600万〜800万円条件に応じ3分の1・2分の1・3分の2
PMI推進枠(専門家活用)150万円2分の1
PMI推進枠(事業統合投資)800万〜1,000万円(賃上げで1,000万円)2分の1〜3分の2
廃業・再チャレンジ枠150万円(他枠への上乗せ可)

ただし、これはあくまでも第14次公募の内容であり、公募回ごとに細かい要件が変わることもあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

補助金や助成金は返さなくていい?

補助金や助成金は、原則として返さなくていい、と言えます。

ただし、「採択されたらすぐにお金が振り込まれる」というわけではないため、必要なときにすぐお金がもらえる仕組みではありません。

補助金は、すべての取り組みが完了したあとに「実績報告」をおこない、内容が適正だと認められてはじめて支払われるようになっています。

書類に不備があったり証拠書類が不足していたりすると、受け取れる金額が減ってしまったり、最悪の場合には支払われない可能性も考えられるでしょう。

また、虚偽の申請や本来の目的と違う使い方をした場合は、全額返還を求められたり会社名が公表されたりと、非常に厳しい対応が取られます。

「正しい手続きを踏むこと」「証拠書類をきちんと管理すること」「相見積もりを準備すること」といった3点をしっかり意識して進めることが、補助金を確実に受け取るための近道です。

税制や金融支援もある?

補助金と合わせて、税制や金融支援も活用すると、資金計画がより安定します。

代表的なものは、次の2つです。

・事業承継税制(法人版特例)

事業承継税制(法人版特例)」は、後継者が株式を受け継ぐときにかかる贈与税や相続税といった税金の支払いを、猶予または免除してもらえる制度で、適用を受けるには事前の認定手続きが必要です。

2026年7月時点で、特例承継計画の提出期限は2027年9月30日、実際の贈与・相続の実行期限は2027年12月31日と、いずれも期限が決まっています。

手続きには時間がかかるため、承継を検討している場合は早めに専門家へ相談するようにしてください。

・日本政策金融公庫の融資

補助金だけでは資金が足りない場合、日本政策金融公庫(JFC)の融資も選択肢のひとつです。

事業承継専用の「事業承継・集約・活性化支援資金」や、返済よりも経営の安定を重視した「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」など、状況に合わせて選べます。

補助金・税制・融資をうまく組み合わせることで、手元の資金への負担を抑えながら、必要な投資を着実に進めることができるでしょう。

もし判断に迷う場合は、早めに専門家に確認しておくのがおすすめです。

TORUTE株式会社では、経営者さまの想いに寄り添った形で承継や補助金申請の進め方をご提案させていただいています。

初回は無料で相談できますので、まずはお気軽にご相談ください。

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2026年の事業承継・M&A補助金の公募スケジュールは?

事業承継・M&A補助金において、2026年(令和7年度補正事業)は、すでに公募が実施されています。

2026年7月時点で、第14次公募はすでに採択結果まで公表されており、第15次公募もすでに公募要領が公開され、申請受付が始まっています。

2026年の事業承継・M&A補助金の公募スケジュールは次のとおりです。

【2026年度の主な公募日程】

公募申請受付期間採択日交付決定日
第14次公募2月27日〜4月3日 17:00まで5月15日6月上旬以降(予定)
第15次公募6月中旬〜7月下旬(予定)未公表未公表

申請の準備には思った以上に時間がかかるうえ、締切直前は申請が集中しがちです。

そのため、余裕を持って締切の1〜2週間前には送信を完了させることを目標にし、できるだけ早めに動き出すのがよいでしょう。

2026年以降のスケジュールは?

2027年以降のスケジュールは、2026年7月の現時点ではまだ発表されていません。

ただ、毎年少しずつ枠の名称や要件が見直されながらも、「事業承継・再編の促進」「生産性向上」「PMIの支援」という制度の大きな目的は引き続き継続される見込みです。

賃上げ・DX(デジタル化)・GX(脱炭素)といった政策の方向性に合わせて、補助率や審査での加点要件が変わることもあります。

毎年の公募要領が公開されるタイミングに合わせて、自社の投資計画を見直す習慣をつけておくと、いざというときにスムーズに動き出せるでしょう。

事業承継・M&A補助金の申請手順

事業承継・M&A補助金の申請手順のイメージ画像

事業承継・M&A補助金を申請するには、いくつかのステップを順番に進めていく必要があります。

「難しそう」と感じるかもしれませんが、流れさえ把握しておけば、一つひとつは決して難しくありません。

事業承継・M&A補助金の申請手順は、大きく次の流れです。

  1. 1.申請用アカウントの取得
  2. 2.サポート機関への相談
  3. 3.公募要領の熟読と必要書類の準備
  4. 4.Jグランツでの電子申請
  5. 5.補助事業の実施と実績報告

それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。

申請用アカウントの取得

補助金の申請は、「Jグランツ」というオンラインの申請システムからおこないます。

そのJグランツを使うために必要なのが、「GビズID」というアカウントになります。

GビズIDは、発行までに数日〜数週間かかることがあるため、公募要領が公開される前から早めに取得しておくのがおすすめです。

取得には、本人確認書類・印鑑証明・登記事項証明書などが必要になります。

また、法人の場合や複数の担当者がいる場合は、「誰がアカウントを管理・操作するか」をあらかじめ決めておくと、後々「誰が申請したかわからない」といった混乱を防げるでしょう。

サポート機関への相談

補助金の申請は、専門家やサポート機関をうまく活用することが、採択への近道だと言えます。

もしM&Aにかかる費用を申請する場合は、「M&A支援機関登録制度」に登録された機関を活用することが前提となります。

早めに候補の機関に相談し、支援の範囲・費用感・DD報告書や評価書などの成果物について確認しておきましょう。

商工会議所・商工会・よろず支援拠点・金融機関の窓口など、無料で相談できる支援機関も積極的に活用するのがおすすめです。

専門家のサポートが入ることで、事業計画の説得力が増し、採択後の精算もスムーズになります。

補助金を含めた「事業承継の相談先」については、別記事も参考にしてください。

公募要領の熟読と必要書類の準備

次のステップとして大切なのは、公募要領の熟読と必要書類の準備です。

事業承継・M&A補助金では、公募回ごとに「公募要領」と呼ばれる詳細なルールブックが公開されます。

「何が対象か」「いくらまで補助されるか」「いつまでに何をすればよいか」など、すべての答えがこのなかに書かれていると言えるでしょう。

そのため、面倒でも最初から最後まで読み込み、特に以下のポイントをしっかり確認しておいてください。

  • 対象経費の定義と補助率・上限
  • 事業期間(契約・発注・支払いをいつまでに終えるか)
  • 見積もりの取り方・相見積もりの要否
  • 支払方法(原則振込)
  • 加点・減点の要素

そして必要書類を準備しますが、例として次のようなものが必要になります。

  • 履歴事項全部証明書・納税証明・決算書
  • 同意・誓約書
  • 見積書・仕様書・媒体資料
  • 賃上げに関する方針書 など

「書けるところから書き始める」ではなく、「まず足りない書類を洗い出す」ことが、スムーズに進めるコツです。

Jグランツでの電子申請

ここまでの準備が整ったら、先ほどのGビズIDを使って、Jグランツから電子申請をおこないます。

申請フォームから、事業者情報・事業計画・経費明細・添付資料をアップロードする流れです。

提出後に差し替えが必要になる場合に備えて、「提出版(日時付き)」と「編集版」をフォルダで分けて管理しておくとよいでしょう。

送信後はマイページにて、到達・受付・審査中・採択などのステータスを確認できます。

締切直前は通信が混雑しやすいため、1〜2週間前の送信完了を目標にしてください。

補助事業の実施と実績報告

採択されたら、いよいよ補助事業のスタートです。

ただし「採択=補助金」の受け取りではなく、以下の流れをすべて完了して、はじめて補助金が支払われます。

交付決定 → 契約・発注 → 納品 → 検収・支払い → 実績報告 → 確定通知・交付

ここまでの流れで起こりやすいトラブルをご紹介すると、大きくは次の3つです。

  • 交付決定が出る前に発注してしまった
  • 社長個人のカードで支払ってしまった
  • 名義が違う請求書が出てきた

これらはいずれも、補助金が受け取れなくなったり減額されたりする原因になります。

契約書・発注書・納品書・検収書・請求書・振込明細などは、名義・日付・金額がすべてつながる形で保管しておくことが大切です。

また、採択後の中間・事後報告といったモニタリングに備えて、KPIと呼ばれる目標数値の実績を定期的に記録しておくのがよいでしょう。

ここまでが、事業承継・M&A補助金の申請手順となりますが、これらを進める際には、事業承継の全体の手順も把握しておくことが大切です。

別記事で、「事業承継でやるべきこと」についてまとめていますので、こちらもぜひご活用ください。

事業承継の補助金のご相談は「TORUTE株式会社」へ

TORUTE株式会社への相談をイメージした画像

事業承継は、補助金の申請だけでなく、法律・税務・労務・資金調達などさまざまな専門知識が複雑に絡み合います。

そのため、「何から手をつければいいかわからない」という経営者の方も多いのではないでしょうか。

TORUTE株式会社では、弁護士を中心に、さまざまな専門家と連携しながらワンストップでサポートできる体制を整えています。

補助金についても、どの枠で何を申請すべきか、証拠書類の整え方から申請・実績報告の段取りまで、実際に動ける計画に落とし込んでいきます。

何より大切にしているのは、経営者さまの想いに寄り添い、「その会社らしい承継」を一緒に考えていくことです。

初回のご相談は無料ですので、「まだ漠然としている」という段階でも、ぜひお気軽にご連絡ください。

親族内・従業員・第三者承継など、どの方法が現実的かも含めて丁寧にお話を伺いながら、これまで大切に育ててこられた事業の未来を、ともに描いていけますと幸いです。

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まとめ

事業承継は、決して簡単な道のりではありません。

ですが使える制度をきちんと知り、一つひとつ着実に準備を進めていけば、前に進むことができます。

この記事でご紹介した補助金は、後継者が新しい一歩を踏み出すための「背中を押してくれる資金」です。

自社の状況に合った枠を選び、税制や融資とも組み合わせながら、無理のない資金計画を立てていきましょう。

「いつかやろう」と思っているうちに、公募の締切が過ぎてしまうこともありますので、動き出すなら早ければ早いほど選択肢が広がると言えます。

 おひとりで抱え込まず、信頼できる専門家にまずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

まずはお気軽にご連絡ください

0120-055-737

受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)

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