事業承継者を募集する方法5選!第三者承継の流れと注意点を解説!

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西田 幸広 弁護士

監修者:弁護士 西田幸広

法律事務所Si-Law代表 / 熊本県八代市出身 / 熊本を中心に企業法務支援

これから事業承継を考えていくうえで、ご自身の会社を引き継いでくれる事業承継者は募集できるものなのか、気になっている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とはいえ、実際に事業承継で承継者の募集を考え始めると、「どこで探せばよいのか」「地方の会社でも見つかるのか」「個人事業でも引き継げるのか」と不安になることもあるのではないかと考えます。

事業承継は、単に人を採用する話ではなく、従業員・取引先・許認可・借入金などを含めて、誰にどのように引き継ぐかを考える必要があります。

そこで本記事では、事業承継で後継者を募集する主な方法と選び方、事前準備や引き継ぎまでの流れ、失敗しないための注意点をわかりやすく解説します。

親族内承継や社内承継が難しく、第三者承継を現実的な選択肢として考えたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

事業承継者は募集できる?第三者承継の基本とは

親族や従業員のなかに後継者がいない場合でも、外部から事業承継者(後継者)を募集して引き継ぐことは可能です。

このような承継方法は一般に「第三者承継」と呼ばれ、会社・店舗・技術・顧客基盤・従業員との関係などを次の担い手へつないでいく方法として広がっています。

中小企業庁でも、近年は後継者不在に悩む中小企業の選択肢として、第三者承継やM&Aを考えるケースが増えていると示されています。

事業承継者は募集できるのかのイメージ画像

引用:中小企業庁|事業承継を知る

第三者承継というと、大がかりなM&Aをイメージされるかもしれません。

しかし実際には、地域の小規模事業・個人事業・家族経営に近い会社でも、後継者候補と出会って引き継ぎが進むケースがあります。

重要なのは、「募集できるかどうか」ではなく、自社に合う方法で後継者候補と出会える状態をつくれているかどうかです。

そのため、後継者募集を始める際は、まず「何を残したいのか」「どんな相手に引き継ぎたいのか」を整理したうえで、適切な相談先や募集方法を選ぶことが大切になります。

個人事業の事業承継でも社長は募集できる?

個人事業でも、事業承継によって社長となる後継者を探すことは可能です。

法人のように株式を譲る形ではありませんが、店舗・設備・屋号・取引先・技術・ノウハウなどを引き継ぎ、事業を続けてもらうことができます。

例えば、地域で長く続いてきた飲食店・美容室・製造業・農業・小売店などは、事業そのものに価値があるケースも少なくありません。

お店の場所・常連の顧客・仕入れ先との関係・地域での信用は、これから事業を始めたい人にとって大きな魅力になるでしょう。

一方で、個人事業の場合は、契約名義・許認可・賃貸借契約・借入金・在庫・設備などの扱いをひとつずつ確認していきます。

法人よりも手続きが簡単に思われるかもしれませんが、個人の財産と事業用の資産が分かれにくい点には注意が必要です。

「小さな事業だから難しい」と決めつけず、まずは早めに専門家へ相談し、何を引き継げるのかを整理しながら進めてみてください。

田舎でも社長は募集できる?

田舎や地方にある会社でも、社長を募集できる可能性は十分にあります。

むしろ地域に根ざした事業ほど、地元の暮らしや雇用を支える大切な存在になっていることも少なくないため、後継者がいないからといって、すぐに廃業を考える必要はありません。

近年は、地方で事業を引き継いで独立したい人や移住して仕事を持ちたい人、既存の事業基盤を活かして新しい挑戦をしたい人も増えている状況です。

日本政策金融公庫の「事業承継マッチング支援」でも、地域の事業を引き継ぐ成約事例が紹介されています。

地方の会社は、都市部に比べて候補者の数が限られることもありますが、地域での信頼・顧客・長年の取引先との関係など、引き継ぐ側にとって魅力になる要素も多いのです。

そのため、田舎や地方だからといって社長募集が難しいと決めつけず、まずは自社の強みや地域での役割を整理し、どのような人に引き継いでほしいのかを考えてみてください。

地方での第三者承継の成功例として、有料老人ホーム「愛愛荘」様の事例があります。

地域に欠かせない、高齢者が安心して暮らせる場所を、それぞれの想いを大切にしながら新たな社長へと引き継いだ例となりますので、ぜひ一度ご覧ください。

後継者が見つからない場合はどうなる?

もし、後継者が見つからないまま時間が過ぎると、最終的には廃業を考えざるをえない場合もあるでしょう。

たとえ黒字の会社であっても、経営を引き継ぐ人がいなければ、従業員の雇用や取引先との関係をそのまま続けることは難しくなってしまいます。

そして廃業となれば、長年積み重ねてきた技術や顧客とのつながり、地域での信用は途切れてしまう可能性が考えられます。

経営者ご本人にとっても、「まだ続けられる会社なのに、自分の代で終わらせるしかないのか」と、重い気持ちになることもあるかもしれません。

だからこそ、後継者募集は「いよいよ引退が近付いてから」ではなく、余裕のある段階から準備を始めることが大切です。

早めに動くことで相談先の選択肢も増え、焦って条件を下げたり、十分な準備がないまま進めたりするリスクを減らすことができます。

別記事では、「事業承継できずに黒字廃業を選ぶ理由」についてまとめていますので、参考にしてください。

後継者が見つかりにくい会社・業種の特徴

後継者が見つかりにくい会社や業種には、事業に次のような特徴があり、候補者の決心も慎重になりやすいと考えます。

  • 高度な職人技や長年の経験が必要になる
  • 体力的な負担が大きい
  • 休日や労働時間が不規則になりやすい
  • 人手不足の影響を受けやすい
  • 許認可や資格が必要になる
  • 設備や車両などの更新費用がかかる

国土交通省の「令和7年版 国土交通白書」では、建設業や運輸業では就業者の高齢化や若年者の入職減少が見込まれ、中長期的な担い手の確保・育成が課題になると示されています。

また、中小企業庁の「2025年版 中小企業白書」でも、中小企業・小規模事業者を取り巻く大きな課題として、人手不足が挙げられています。

ただし、こうした特徴があるからといって、後継者募集が不可能になるわけではありません。

長年培ってきた技術・地域での信頼・安定した顧客基盤などは、後継者にとって大きな魅力になることもあるのです。

そのため後継者を募集するときは、大変な面だけでなく引き継ぐ価値もわかりやすく整理し、候補者が前向きに検討できるような状態をつくっておく必要があります。

募集が難しい会社ほど、「誰にでも向く事業ではない」ことを前提に条件を具体化し、必要な支援体制や引き継ぎ期間も含めて示していくのが現実的でしょう。

後継者不足の業界やその特徴」については、別記事にもより詳しくまとめています。

事業承継者を募集する主な方法・5選

事業承継者を募集する主な方法のイメージ画像

実際に事業承継者を募集する方法は、ひとつだけではありません。

主な方法としては、次の5つが挙げられます。

  • 事業承継・引継ぎ支援センター
  • 事業承継マッチング支援
  • 後継者人材バンク
  • 民間のマッチングプラットフォーム
  • 専門家やM&A支援機関への相談

どの方法が合うかは、会社の規模・地域・業種・希望する引継ぎ時期によっても変わります。

まず無料で相談したいのか、広く候補者を探したいのか、契約や交渉までサポートを受けたいのかによっても、選ぶべき相談先は異なるでしょう。

大切なのは、知名度や金額だけを見て急いで決めないことです。

それぞれ具体的にご紹介していきます。

事業承継・引継ぎ支援センター

事業承継・引継ぎ支援センター」は、事業承継に関する公的な相談窓口です。

親族や従業員への承継だけでなく、後継者がいない場合に外部の人や企業へ引き継ぐ方法についても相談できます。

「まず何から考えればよいかわからない」「いきなり民間のM&A会社に相談するのは不安だ」という方にとって、最初に利用しやすい相談先だと言えるでしょう。

事業承継・引継ぎ支援センターでは、会社や事業の状況を聞いたうえで、どのような承継方法が考えられるかを一緒に整理してくれます。

必要に応じて、譲り受けを希望する候補者とのマッチングや、承継に関わる専門家の紹介につながることもあります。

地域ごとに窓口があるため、地方の中小企業や個人事業でも相談しやすい点が特徴です。

無料で相談できますので、費用面の不安があり、まずは公的な機関で方向性を確認したい場合には検討しやすい方法になります。

事業承継マッチング支援

事業承継マッチング支援」は、日本政策金融公庫がおこなっている公的なマッチングサービスです。

後継者がいないため事業を譲り渡したい方と、創業や新しい事業展開を考えている方をつなぐ仕組みになっています。

大きな特徴は、事業を引き継ぎたい人に向けて、譲渡を希望する事業の情報をしっかりと届けられる点です。

ただし、登録すればすぐに希望どおりの相手が見つかるわけではありません。

候補者に関心を持ってもらうために、事業内容・地域・譲渡条件・引継ぎ後の関わり方などをわかりやすく整理しておくことが必要です。

特に、会社の強み・地域での役割・続けてきた理由が伝わると、候補者も前向きに検討しやすいと言えるでしょう。

別記事でも、「事業承継のマッチング支援」について詳しく解説しているので、参考にしてください。

後継者人材バンク

後継者人材バンク」は、事業承継・引継ぎ支援センターが、地域の創業支援機関等と連携しておこなっているケースが多い仕組みです。

後継者がいない会社や個人事業主と、起業や独立を目指す人をつなぎ、事業の引継ぎを支援しています。

ゼロから事業を始めるのではなく、すでにある店舗・設備・顧客との関係を引き継いで経営したい人と出会える点が特徴です。

特に、小規模事業や地域に根ざした事業では、候補者との相性がよい場合もあるでしょう。

ただし一般的な求人とは違い、事業そのものを引き継ぐ人を探す仕組みのため、収益の状況・必要な資金・引継ぎにかける期間・経営者として任せたいことなどを、整理しておく必要があります。

「会社を買いたい企業」だけでなく、「自分で経営したい個人」も候補にしたいときは、有力な選択肢になるはずです。

民間のマッチングプラットフォーム

民間のマッチングプラットフォームは、事業を引き継ぎたい人や企業に向けて、会社や事業の情報を広く届けられる方法です。

公的な支援機関とは別に、インターネット上で候補者を探したいときの選択肢になります。

特徴は、地域を限定せず、幅広い相手に見てもらいやすいことです。

地方の会社や小規模事業でも、事業内容や将来性に魅力があれば、遠方の個人や企業から関心を持ってもらえる場合があります。

一方で、サービスごとに利用料・支援の範囲・情報公開の進め方は異なります。

どこまで情報を出すのか、候補者とのやり取りをどこまで自社でおこなう必要があるのかも確認しておくことが大切です。

「地域内だけでなく、もっと広く承継者候補を探したい」と考える場合には、検討しやすい方法だと言えるでしょう。

利用する前に、自社の強みや譲れない条件を整理しておくと、候補者にも内容が伝わりやすくなります。

専門家やM&A支援機関への相談

専門家やM&A支援機関へ相談する方法は、承継者候補を探すだけでなく、条件整理・交渉・契約まで含めてサポートを受けたい場合に向いています。

例えば、弁護士・税理士・公認会計士・金融機関・M&A仲介会社などに相談すると、会社の状況を踏まえながら、どのような相手に引き継ぐのがよいかを考えやすくなります。

借入金・保証・許認可・契約の確認が必要な場合にも、専門的なアドバイスを受けながら進められる点が強みです。

また、候補者探しだけでなく、条件のすり合わせや契約書の確認まで伴走してもらえることもあります。

そのため、「自分だけで判断するのは不安」「話が進んだあとでトラブルにならないようにしたい」という方には、心強い選択肢になるでしょう。

ただし、相談先によって得意分野や費用、支援の範囲は異なります。

初回相談の段階で、承継者候補を探す支援が中心なのか、交渉や契約まで任せられるのかをしっかりと確かめ、自社に合う相談先を選んでいくのがおすすめです。

TORUTE株式会社では、熊本を中心に売り手と買い手をご紹介してのマッチングもおこなっています。

弁護士の視点を中心に、他の専門家とも連携しながら事業承継全体をサポートさせていただいておりますので、詳しい内容については、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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目的で変わる事業承継者の募集方法の選び方は?

事業承継者の募集方法は、状況や目的によって、適した選択肢が変わります。

もし自社に合わない方法を選んでしまうと、候補者が見つかりにくいだけでなく、時間や労力を余計に使ってしまうこともあるため、最初の選び方が重要です。

ここでは、事業承継者の募集方法を、表にして比較していきます。

費用感匿名性地方対応向いているケース
事業承継・引継ぎ支援センター低〜無料比較的高い高いまずは相談したい
事業承継マッチング支援無料一定の配慮あり高い公的サービスから幅広く候補者を探したい
後継者人材バンク比較的高い地域差あり地元の雇用・取引先との関係を活かしたい
民間プラットフォームサービスによるサービス次第高い全国規模で広く候補者を探したい
専門家・M&A支援機関中〜高配慮しやすい高い条件整理や交渉まで任せたい

実際の費用や支援内容は個別に異なるため、詳細は各窓口で確認してください。

大切なのは、知名度や手軽さだけで相談先を決めないことです。

「できるだけ費用を抑えたいのか」「地元で引き継いでほしいのか」「広く候補者を探したいのか」といった目的をはっきりさせると、自社に合う方法を選びやすくなるでしょう。

複数の方法を組み合わせるケースも珍しくありません。

最初から「ここに任せる」と決める必要はありませんので、まずは今後の流れ・かかる金額・自社の考えに寄り添ってくれるかなどを確認するために、一度話を聞いてみるのがおすすめです。

事業承継者を募集する前に整理すべきこと

事業承継者の募集前に整理することのイメージ画像

事業承継者を募集する際に、準備が曖昧なまま進めると、候補者にうまく説明できなかったり、話が進んだ段階で条件がぶれたりすることがあります。

そのため、まずは現在の会社の状況を整理しておくことが大切です。

事業承継では、会社だけを渡すのではなく、従業員・取引先・資産・技術・これまで積み重ねてきた信用も含めて、次の人に引き継いでいくことになります。

だからこそ、良い面だけでなく、課題や気をつけたい点も整理しておくとよいでしょう。

事業承継者を募集する前に整理すべきことは、主に次のような点です。

  • 引き継ぐものと残すものを決める
  • 承継方法の方向性を整理する
  • 借入金・保証・許認可を確認する
  • 従業員や取引先への影響を考える
  • 後継者に求める条件を明確にする

候補者にもしっかりと会社の状況が伝えられるように、それぞれのポイントを順番に見ていきましょう。

引き継ぐものと残すものを決める

事業承継者を募集する前にまず大切なのが、何を後継者に引き継ぎ、何を手元に残すのかを決めておくことです。

引き継ぐ対象は、会社や事業そのものだけではありません。

株式・店舗・設備・在庫・取引先との関係・従業員・屋号・技術・ノウハウなど、幅広く関わってきます。

例えば、事業は引き継いでも、土地や建物はそのまま保有して賃貸にする方法も考えられます。

会社全体を引き継いでほしいのか、一部の事業だけを託したいのかによっても、進め方は変わるでしょう。

ここが曖昧なままだと、候補者との話し合いでも認識がずれやすくなります。

あとで迷わないためにも、引き継ぐものと残すものを早めに書き出しておくと安心です。

承継方法の方向性を整理する

事業承継は、進め方も会社によってさまざまです。

親族内承継なのか従業員承継なのか、それとも第三者承継(M&A)を視野に入れるのかによっても進め方は変わります。

さらに法人であれば、株式を引き継ぐ形にするのか事業だけを譲る形にするのかで、契約・税金・借入金・許認可の扱いも注意が必要になるでしょう。

個人事業でも、設備・契約・屋号などをどのように引き継ぐのかを、考えておくことが必要です。

最初から細かく決めておく必要はありませんが、まずはどのように進めていきたいか、考えている方法以外にも選択肢はないかなど、整理しながら幅広く検討していくのがおすすめです。

借入金・保証・許認可を確認する

募集前の準備で見落としやすいのが、借入金・保証・許認可の確認です。

これらは、後継者にとっても気になる点だと言えるため、早めに整理しておく必要があります。

例えば、借入金がどれくらい残っているのか・経営者保証が付いているのか・引継ぎにあたって金融機関との調整が必要になるのかは、事前に確かめておきたいところです。

特に事業承継時の経営者保証については、国も後継者候補の確保を妨げる要因のひとつとして位置付け、解除に向けた取り組みを進めています。

保証が付いている場合は、「引き継ぐときに外せる可能性があるか」も含めて、早めに金融機関へ相談しておくとよいでしょう。

また建設業・運送業・飲食業・介護事業などでは、許認可が関わるため、承継の方法によっては新たな申請や変更手続きが必要になることもあります。

候補者が見つかってから慌てて確認すると、話が進んだあとで条件が変わる可能性も考えられますので、あらかじめ整理しておくのがおすすめです。

従業員や取引先への影響を考える

事業承継では、社長が変わることによって、従業員や取引先が不安を感じることがあります。

特に地域密着の会社では、経営者個人への信頼が事業の土台になっている場合も少なくありません。

そのため募集を始める前に、従業員の雇用をどう考えるのか、取引先にはどの段階でどのように伝えるのかを、影響も考慮したうえで意識しておく必要があります。

もちろん、早い段階で何でも伝えればよいわけではありません。

話が固まっていないうちに広く知られると、かえって不安を招くこともありますし、一方で伝えるのが遅すぎると、不信感につながる可能性も考えられます。

大切なのは、後継者を見つけることだけではなく、会社に関わる人たちの安心も守ることではないでしょうか。

後継者に求める条件を明確にする

後継者にはどのような人を求めるのかという条件を明確にしておくことも、募集前に整理しておきたい大切なポイントです。

経験や資金力だけでなく、人柄・経営の考え方・従業員への向き合い方・地域との関わり方なども大切な判断材料になります。

ただし、条件を細かく決めすぎると、候補者の幅が狭くなることがあります。

例えば、「同業経験が必須で地元の人、すぐにすべて任せたい」などと絞り込みすぎると、候補者と出会うのには時間がかかってしまうかもしれません。

そのため、条件は最初から増やしすぎず、優先順位をつけて考えるのがおすすめです。

理想を並べるのではなく、譲れない点と相談できる点を分けて考えておくことが大切だと言えるでしょう。

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事業承継者募集から引継ぎまでの流れ

事業承継者の募集は、候補者を見つけてすぐに引継ぎが決まるわけではなく、手順を踏んで進めていく必要があります。

事業承継で承継者募集から引継ぎまでの基本的な流れは、次のとおりです。

事業承継者募集から引継ぎまでの流れのイメージ画像
  1. 相談して方針を決める
  2. 会社概要資料を作成する
  3. 候補者と面談する
  4. 条件をすり合わせる
  5. デューデリジェンスをおこなってもらう
  6. 契約を結んで引き継ぐ

実際には、会社の状況や選ぶ方法によって進み方が前後することもありますが、大まかな道筋を把握しておくだけでも、落ち着いて進められるはずです。

それぞれの段階で何を意識すればよいのかも含めて、解説していきます。

1.相談して方針を決める

まず最初のステップは、公的窓口や専門家などの相談先を決めて相談し、自社に合う方針を決めていくことです。

この段階ではまだ候補者が決まっていなくても問題なく、むしろ募集を始める前に、どのような形で引き継ぎたいのかを考えておく必要があります。

相談するときは、会社の概要・売上や利益・従業員数・借入金・希望する引退時期などを簡単にまとめておくと話が進みやすくなるでしょう。

2.会社概要資料を作成する

方向性が見えてきたら、候補者に会社の内容を伝えるための「会社概要資料」を作成します。

この資料は候補者にとって会社を知る最初の入口になるため、事業内容・地域・売上規模・強みだけでなく、取引先・従業員の状況・地域での役割なども伝えると、会社の魅力が伝わりやすくなります。

ただし、良い面だけを書くのは避け、課題や引継ぎ後に気をつけたい点も含めて伝えることで、候補者も安心して検討することができるでしょう。

3.候補者と面談する

会社概要資料に関心を持った候補者が現れたら、面談をおこないます。

面談では、条件だけでなく、相手の考え方・人柄・経営への向き合い方も確認することが大切です。

事業承継は、単なる売買ではなく、会社を任せる相手を選ぶことでもあります。

そのため、資金や経験だけでなく、従業員や取引先を大切にしてくれるか、会社をどのように続けていきたいと考えているかも見ておくとよいでしょう。

最初からすべてを決めようとせず、信頼して話を進められる相手かを確かめていくことが大切です。

4.条件をすり合わせる

面談を重ねて前向きに進みそうであれば、次は条件をすり合わせていきます。

例えば、譲渡価格・引継ぎの時期・従業員の雇用・現社長がどこまで関わるかなどを確認します。

この段階では、価格だけでなく、引継ぎの進め方や承継後の体制も一緒に確認することが大切です。

話を急ぎすぎると、あとから認識のずれが出やすくなるため、譲れない点と相談しながら決められる点を分けて整理しておくとよいでしょう。

M&Aの価格の決め方」については、別記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。

5.デューデリジェンスをおこなってもらう

条件がある程度まとまったら、「デューデリジェンス(DD)」という、候補者側に会社の内容を詳しく確認してもらう作業に進みます。

確認されるのは、決算の内容・契約関係・借入金・許認可・従業員の状況などで、引き継いだあとに大きな問題がないかを見てもらう大切な段階と考えるとわかりやすいでしょう。

必要な資料は早めに準備し、情報を正直に伝えることが、信頼関係にもつながります。

6.契約を結んで引き継ぐ

確認が終わり、条件にも合意できたら、いよいよ契約を結んで引き継ぎます。

ただし契約を結んで終わりというわけではなく、社長が代わったあとも、一定期間は前社長が引継ぎを支えることで、従業員や取引先も安心できるでしょう。

スムーズな事業承継のためには、書類上の手続きだけでなく、実際の引継ぎまで丁寧に進めることが大切です。

事業承継全体でやるべきこと」については、別記事でも解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

事業承継者募集にかかる費用と期間の目安

事業承継者募集にかかる費用は、先ほどの表でも示したように、利用する方法によって大きく異なります。

例えば、公的機関や公的マッチング支援は無料または低コストで利用しやすい一方、民間プラットフォームや専門家支援では、掲載料・着手金・成約時の成功報酬が発生することがあります。 

また、後継者が見つかるまでの期間も一律ではありません。

数ヵ月で進むケースもあれば、条件整理・候補者探し・面談・調整に時間がかかり、1年以上かかるケースも考えられるでしょう。

だからこそ、「すぐに見つからなくても当然」という前提で、余裕を持って準備を始めることが大切です。

費用だけで方法を選ぶのではなく、どこまで伴走してくれるか、どの段階の支援が必要かも含めて、相談先を選ぶようにしてください。 

事業承継者募集で失敗しないための注意点

事業承継者の募集では、理想の候補者と出会うこと以上に、進め方を誤らないことが重要です。

特に、後継者のいない状態が長く続いていると、「早く決めなければ」と気持ちが焦りやすくなりますが、急いで進めるほど、本当に任せられる相手かどうかを落ち着いて見極めにくくなります。

ここでは、事業承継者募集で失敗しないための注意点として次の5つをご紹介します。

  • 募集条件を厳しくしすぎない
  • 情報漏えいを防いで慎重に進める
  • 従業員や取引先への伝え方を考える
  • 価格だけで判断しない
  • 契約前に専門家へ確認する

事前に把握しておくことで、従業員や取引先に不安を与えたり、条件の整理が不十分なまま話が進んでしまったりすることを防げるため、それぞれ詳しく解説します。

募集条件を厳しくしすぎない

事業承継者を募集するときは、できる限り理想に合う相手を探したくなるものです。

ただ先にも触れたとおり、募集条件を厳しくしすぎると、せっかく相性のよい候補者がいても、最初の段階で対象から外れてしまうことが多くなります。

特に事業承継では、最初からすべてをひとりで完璧にこなせる人ばかりではありません。

引継ぎの期間を設けることで補えることもあれば、周囲の支えがあれば十分に進められることもあるでしょう。

そのため、募集の段階では間口を狭めすぎず、「会って話を聞いてみる余地を残す」ことも大切です。

情報漏えいを防いで慎重に進める

事業承継者募集を進めるときは、誰にいつ伝えるかだけでなく、募集内容としてどこまで情報を開示するかにも気をつける必要があります。

事業承継の話は、従業員や取引先、金融機関、地域の関係者にも影響しやすいものです。

募集の初期段階で詳しい情報を出しすぎると、会社名が広まったり、関係者に不安や誤解を与えたりすることが考えられます。

そのため、最初は会社名を伏せたうえで、事業の概要・地域・強みなどを伝える形にとどめ、情報漏えいを防ぎながら慎重に進めることが大切です。

必要な相手に必要な内容を、適切な順番で伝えることが大切になるため、相手を見極めながら段階的に開示していくのがよいでしょう。

従業員や取引先への伝え方を考える

社長が変わることは、従業員や取引先にとっても大きな出来事です。

伝え方によっては、「これから会社はどうなるのか」と不安が広がることがあるため、募集を進めるときは、誰に・いつ・どのように伝えるかを考えておくことが大切になります。

従業員には雇用や今後の体制について、取引先には事業を今後も続けていくことを、わかりやすく伝える必要があります。

早く伝えすぎることで混乱を招いたり、逆に遅すぎると不信感につながったりするため、しっかりと順番を考えて丁寧に説明するのがよいでしょう。

価格だけで判断しない

事業承継では、譲渡価格も大切な要素ですが、ただ価格だけで相手を判断するのは避けたほうがいいと考えます。

どれだけ価格が高くても、承継後に従業員や取引先を大切にしてくれるとは限りません。

もし引継ぎのあとに会社の雰囲気が大きく変わってしまった場合、長く続けてきた事業に影響が出ることもあるでしょう。

そのため、価格だけでなく、人柄・経営の考え方・会社への向き合い方などもしっかりと確認したうえで判断することが大切です。

契約前に専門家へ確認する

候補者との話がまとまりそうになったら、契約前に専門家へ確認しておくと安心です。

事業承継では、契約書・税金・借入金・保証・許認可など、専門的な確認が必要になることが少なくありません。

口頭だけで話を進めてしまうと、あとから「聞いていた内容と違う」といったトラブルになる可能性もあるのです。

少し手間がかかっても、弁護士や税理士などの専門家に見てもらいながら進めると、あとから困ることも少なくなるでしょう。

もちろん、後継者を探す段階から相談しておくのもおすすめです。

事業承継の相談先」については、別記事で10選をご紹介しているので、参考にしてください。

TORUTE株式会社では、後継者募集はもちろん、まだ何も決まっていない段階からでも、経営者さまの想いに寄り添った形で承継の進め方をご提案させていただいています。

まずは無料で「事業承継リスク診断」ができますので、ぜひご活用ください。

そのうえで、具体的な方向性や事業承継者の募集方法について、初回は無料でご相談いただけますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

まとめ

事業承継承継者を募集することは決して特別なことではなく、親族や社内に後継者がいない場合でも、外部の人に引き継ぐ方法はあります。

ただし、募集を始めればすぐに決まるものではなく、相談先の選び方・募集前の整理・候補者とのすり合わせ・情報の出し方など、ひとつずつ丁寧に進めることが大切です。

慌てて決めるよりも、「誰に・どのように託したいのか」を整理したうえで動き出したほうが、納得できる承継につながりやすくなります。

長く続けてきた会社を次につなぐことは、大きな決断です。

だからこそ、おひとりで抱え込まず、まずは相談しながら方向性を確かめていくのがよいでしょう。

早めに動き出すことで、選べる道も広がるはずです。

まずはお気軽にご連絡ください

0120-055-737

受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)

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