事業承継の最適なタイミングは?年齢別の目安と専門家に相談する時期・動くべきサインも解説!

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西田 幸広 弁護士

監修者:弁護士 西田幸広

法律事務所Si-Law代表 / 熊本県八代市出身 / 熊本を中心に企業法務支援

事業承継のタイミングは、会社のこれからを考えるうえで大切な判断になります。

まだ先のことと思っていても、後継者の育成や株式の整理、税務への対応まで含めると、思った以上に時間がかかることが少なくありません。

その一方で、「何歳くらいから考え始めるのが一般的なのか」「今から動いたほうがよいのだろうか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、事業承継の最適なタイミングや準備が早いほうがいい理由、成功のポイントをわかりやすくまとめました。

会社の将来を考える際の参考として、お役立ていただければと思います。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

事業承継の最適なタイミングは?

事業承継のタイミングは、「どの会社にも当てはまるひとつの正解」があるわけではありません。

ただ会社の状態に余裕があり、次の体制を落ち着いて考えられる時期に動き始めることで、進めやすくなると言えるでしょう。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」では、事業承継に3年以上を要する割合が半数を上回り、10年以上かかる割合も少なくないと示されているため、「まだ早い」と感じる段階でも整理を始めておくのが安心です。

ここでは、事業承継の最適なタイミングとして、次の4つの視点をご紹介します。

  • 経営が安定しているとき
  • 後継者に引き継ぐ見通しが立ったとき
  • 業績が好調なとき
  • 現経営者が60歳前後になったとき

現在の会社の状況と比較しながら、読み進めてみてください。

経営が安定しているとき

売上や資金繰りが比較的落ち着いている時期は、事業承継を考え始めるのに適したタイミングです。

会社の経営が安定していれば、後継者へ何をどう引き継ぐかを整理しやすく、金融機関や取引先への説明も落ち着いて進められます。

もし赤字が続いている状態であれば、まずは目の前の経営改善が優先となるため、無理に承継の話し合いまでも進めてしまうと、手が回らなくなることがあります。

ですが、利益が確保できている時期であれば、設備の更新や借入の整理も含めて、次の世代へ渡す準備を進めやすいと言えるでしょう。

会社の土台に余裕があるうちに動き始めることで、後継者にとっても前向きな形で引き継ぎができるようになるはずです。

後継者に引き継ぐ見通しが立ったとき

「誰に任せるか」がある程度見えてきたときは、事業承継を具体的に考え始める大きな目安になります。

親族でも従業員でも、後継者候補が定まって引き継ぐ見通しが立つと、どこから役割を渡していくかという次のステップに進みやすくなるでしょう。

ですが、候補が決まったからといって、すぐに代表を交代する必要はありません。

現場での判断・取引先とのやり取り・資金管理など、経営者しか把握していないことは少なくないからです。

まだ全面的に任せるのが不安でも、会議に同席してもらう・金融機関との面談に一緒に出るなど、小さな経験を重ねながら少しずつ任せていくタイミングだと言えます。

業績が好調なとき

業績に余力がある時期は、事業承継の選択肢を広げやすい時期です。

利益が出ている会社は、後継者にとっても引き継ぎやすく、第三者への承継を考える場合にも条件を整えやすくなります。

反対に、業績が悪化してから急いで承継を進めようとすると、会社の評価や資金面で不利になることが考えられます。

十分な準備をしにくくなることもあるため、注意が必要です。

業績が好調なときこそ、次の判断に余裕が生まれ、将来に目を向けやすいと考えておくとよいでしょう。

現経営者が60歳前後になったとき

60歳前後は、多くの中小企業経営者が事業承継を意識し始める時期です。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」でも、現経営者がおおむね60歳に達した頃には事業承継の準備に取りかかることが望ましいと示されています。

60代に入ると、以前より疲れやすさを感じたり、将来のことを少し現実的に考えたりする場面が増えることがあるのではないかと考えます。

まだ十分に動ける時期だからこそ、慌てずに方向性を整理しやすいのがメリットでもあるのです。

70歳近くになってから急いで考えるよりも、60代のうちに「誰にどうつなぐか」だけでも見通しを持っておくと、そのあとの進め方がずいぶん楽になると言えるでしょう。

事業承継の平均年齢については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

関連記事:【2026年最新】事業承継の平均年齢は?経営者・後継者の実態と準備開始の目安を解説!

事業承継の準備は早いほうがいい理由とは

事業承継の準備は早いほうがいい理由のイメージ画像

事業承継は、代表者を交代すれば終わるものではありません。

実際には、後継者へ経営判断を少しずつ引き継ぎながら、自社株や税務の整理を進め、金融機関や取引先への説明も重ねていく必要があります。

先ほど中小企業庁の「事業承継ガイドライン」で、事業承継に10年以上かかる割合も少なくないと示されている、とご紹介しましたが、ここでは準備が早いほうがいい理由を解説します。

  • 準備に時間がかかる
  • 段階的な引き継ぎが必要
  • 税務や株式の整理が必要
  • 万が一に備えられる

4つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

準備に時間がかかる

事業承継は「誰に任せるか」を決めるだけではなく、そのあとも多くの準備が必要になり、時間がかかります。

例えば親族へ承継する場合でも、現場の仕事を知っているだけでは十分ではなく、資金繰りの考え方・人事の判断・金融機関とのやり取り・取引先との関係づくりまで、少しずつ経験してもらわなければなりません。

あわせて、自社株をいつ・どの方法で移すかも整理が必要です。

贈与にするのか・相続で進めるのか・事業承継税制を検討するのかによって、必要な準備は変わってきます。

実際に税理士へ試算を依頼すると、「思っていたより株価が高い」「数年に分けたほうが負担を抑えやすい」とわかることもあるでしょう。

早めに動けばひとつずつ確認できますが、時期が迫ると急いで判断しなければならなくなるため、時間に余裕があるうちに整理を始めておくのがおすすめです。

段階的な引き継ぎが必要

事業承継は、一度にすべてを任せるよりも、少しずつ経験を重ねながら段階的に引き継ぐほうが進めやすくなります。

後継者にとっても、周囲にとっても、そのほうが自然に受け入れやすいからです。

例えば、取引先との話し方ひとつをとっても、長年の関係のなかで築いてきた距離感があるでしょう。

従業員への声のかけ方や、資金繰りでどこを優先して判断するかも、日々の積み重ねで身についていることが少なくありません。

そのため、最初からすべてを任せるのではなく、まずは会議に同席してもらう・主要な取引先へ一緒に訪問する・金融機関との面談に参加してもらうといったところから始めるのがおすすめです。

代表交代だけを先に進めても、実際の判断が前経営者に残ったままだと社内も取引先も戸惑いやすくなりますので、無理なく役割を移していくことが、安定した承継につながります。

税務や株式の整理が必要

税務や株式の整理は、事業承継で後回しになりやすい部分ですが、実際にはこれこそ時間がかかることが少なくありません。

非上場会社では、自社株の評価額が想像以上に高くなることが考えられ、利益剰余金が多い会社や土地を持っている会社では、相続や贈与の負担が大きくなりやすい傾向があります。

そのため、まずは現在の株価を把握したうえで、次のような方向性を整理しておくことが大切です。

  • 贈与で少しずつ移すか
  • 相続で承継するか
  • 事業承継税制を使うか

事業承継税制は、一定の条件を満たすと、自社株を承継するときの贈与税や相続税の納税が猶予もしくは免除される制度です。

なかでも「特例措置」は、対象株式数や雇用要件が一定程度柔軟化されている一方、利用するには「特例承継計画」を2027年9月30日までに提出する必要があります。

期限がある制度なので、「まだ先の話」と考えず、早めに自社に合うか確認しておくと、そのあとの進め方まで落ち着いて考えやすくなるでしょう。

万が一に備えられる

事業承継を早めに考える理由として、見落とせないのが万が一への備えです。

経営者ご自身が元気なうちは、どうしても先送りしてしまいがちですが、急な入院や体調の変化はいつ起こるかわかりません。

特に中小企業では、契約の判断・借入の対応・重要な取引先との連絡などが経営者に集中していることが多く、急に不在になると現場が止まってしまう可能性があります。

例えば、印鑑の管理場所・主要契約の確認先・金融機関との窓口を後継者が知らないだけでも、社内は思った以上に混乱してしまうかもしれません。

すべてを今すぐ決める必要はありませんが、こういった内容を少しずつでも共有していくだけで、会社の安定度は大きく変わってきます。

元気なうちに整理しておくことが、周囲への安心にもつながるでしょう。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

事業承継にかかる期間は?

ここまでにも、事業承継には時間がかかることをお伝えしてきましたが、実際にかかる期間は、どの方法を選ぶかによっても大きく変わります。

ただ、どの進め方でも共通しているのは、「思ったより短期間では終わらない」という点です。

ここでは、承継方法ごとの事業承継にかかる期間を解説していきます。

  • 親族内承継の場合
  • 従業員承継の場合
  • 第三者承継(M&A)の場合

急いで形だけ整えるよりも、それぞれの方法に応じた期間を見込みながら進めることが大切になりますので、詳しく見ていきましょう。

親族内承継の場合

親族内承継の場合、身近な相手へ引き継ぐため進めやすく見えますが、実際には時間がかかることも少なくありません。

後継者候補が幼い頃から親の仕事を見て育ち、会社の雰囲気を自然に理解しているとはいえ、ただ会社をよく知っていることと、経営を担うことは別だと言えます。

実際には、次のような点を慎重に確認する必要が出てくるでしょう。

  • どこまで任せるか
  • 他の相続人との関係をどう整えるか
  • 本人に引き継ぐ意思があるか

もしすでに会社に入っている場合でも、「経営まで引き受ける覚悟があるか」は別に整理しなければなりませんし、株式の持ち方によっては、他のご家族との調整も必要になります。

中小企業庁の「事業承継ガイドライン」でも、後継者の育成を含めると、事業承継の準備には5年〜10年ほどかかると示されています。

そのため、一般的には数年かけて少しずつ役割を増やしながら進めることが多く、早めに会話を始めておくことで、そのあとの流れをつくりやすくなるでしょう。

従業員承継の場合

従業員承継の場合、社内をよく理解している人へ任せられる安心感がありますが、こちらも一定の準備期間が必要です。

特に考えておきたいのが資金面で、後継者となる従業員が株式を取得する場合は、どのように資金を用意するかを整理しなければなりません。

あわせて、ほかの従業員へどのように説明するかも大切になります。

急な体制変更は社内の戸惑いにつながりやすいため、少しずつ役割を見せながら進めるほうが受け入れられやすくなるでしょう。

中小企業庁が示す5年〜10年という目安は、後継者育成が必要な承継全般の参考になりますが、従業員承継では3年〜5年ほどかけて進めるケースも多く見られます。

信頼関係がある相手だからこそ、丁寧に整えていくのがおすすめです。

第三者承継(M&A)の場合

第三者承継(M&A)の場合は、親族や社内に後継者がいないときの有力な選択肢ですが、相手が見つかればすぐ終わるというものではありません。

実際には、次のような流れをひとつずつ進める必要があります。

  • 買い手候補を探す
  • 条件をすり合わせる
  • 財務内容を確認する
  • 契約内容を整える

さらに、相手が見つかっても条件が合わなければまとまらないことも考えられるため、想定より時間がかかるかもしれません。

M&Aに必要な期間は会社ごとの状況によって変わりますが、一般的には1年〜2年ほど見ながら進めることが多く、場合によってはさらに長くなることもあります。

必要になってから急いで探すより、早めに選択肢として整理しておくほうが判断しやすいでしょう。

事業承継のタイミングが遅れるとどうなる?

事業承継のタイミングが遅れるとどうなるかのイメージ画像

日々の業務に追われていたり、「承継はまだ急ぐ必要はない」と感じているうちに、いつの間にか時間は過ぎていくものです。

ただ事業承継では、準備を先延ばしにすることで、いざ動こうとしたときに選択肢が少なくなることがあります。

実際に事業承継のタイミングが遅れるとどうなるのか、ここでは次の4つの例をご紹介します。

  • 後継者育成の時間がなくなる
  • 経営判断が難しくなる
  • 税務や株式整理が急ぎになる
  • 選べる承継方法が限られる

これらはどのような会社にも起こりうることですので、具体的に見ていきましょう。

後継者育成の時間がなくなる

後継者が決まっていても、承継準備のタイミングが遅れてしまうことで育成の時間がなくなり、経験不足のまま交代時期を迎えることがあります。

特に中小企業では、日々の判断の多くが経営者に集まりやすく、外から見えにくい部分ほど短期間では伝わりません。

例えば、取引先との微妙な距離感や資金繰りで優先順位をどう決めるかは、実際に経験を重ねながら理解していくことが多いものです。

ですが準備が遅れると、「まず代表だけ交代する」という形になりやすく、結果として後継者が迷う場面が増えてしまうでしょう。

後継者がいない場合は、育成の時間も含めてさらに早めに動き出すことが重要になります。

「事業承継における後継者不在」は、中小企業の課題になりやすいこともあるため、別記事も参考にしてください。

経営判断が難しくなる

事業承継の準備を後回しにしている間にも、会社では日々さまざまな判断が必要になります。

設備更新をどうするか・人を採るか・借入を続けるかなど、考えるべきことが重なると、承継に気持ちを向ける余裕が持ちにくくなることがあるでしょう。

経営者ご自身が「まだ動ける」と感じている間は、大きく体制を変える必要を感じにくいものです。

ただ時間が経つほど、「いつ伝えるか」「どこまで任せるか」といった経営判断が難しくなることもあります。

すべて整ってから考えるより、少し余裕がある段階で方向だけでも決めておくと、そのあともスムーズに進めやすくなるはずです。

税務や株式整理が急ぎになる

税務や株式の整理は、急いで進めようとすると選択肢が少なくなりやすい部分です。

例えば、いざ承継を進めようと自社株の評価を確認したところ、想定より高くなっており、対策を講じなければならないが考える時間がすでに足りないというケースが考えられます。

また、相続が近付くとご家族との調整も短期間で進めなければならず、負担が集中しやすくなるでしょう。

さらに、中小企業庁の事業承継税制も、事前に計画を整えたうえで使う制度です。

必要になってから動き始めるのでは、期限や条件の確認に追われたり、すでに間に合わない可能性もないとは言い切れません。

承継の進め方を落ち着いて比較し、納得して進めていくためにも、早い段階で現状だけでも把握しておくと安心です。

選べる承継方法が限られる

承継の準備に取りかかるタイミングが遅れると、「本来なら別の方法があったかもしれない」と感じる場面が出てくることもあります。

例えば、親族内承継で後継者に十分な経験を積んでもらう時間が取れなかったり、従業員承継で株式取得の資金準備や社内調整に時間が足りなかったりすると、予定どおりに引き継ぐことが難しくなるケースが考えられます。

また、第三者承継(M&A)でも、会社の状況が悪化してからでは希望条件で進めにくくなることがあるでしょう。

早く結論を出す必要はありませんが、複数の可能性を比較できるうちに整理しておくと、自社に合った選択がしやすくなります。

事業承継では、「まだ何も決まっていない」「まだ急ぐ必要はないのではないか」と思うタイミングこそ、少しずつ準備を進めることが大切です。

TORUTE株式会社では、これから承継について考え始める段階でもご相談を受け付けておりますので、まずは初回の無料相談で、会社の状況をお話しいただけますと幸いです。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

事業承継を成功させる5つのポイント

事業承継は、早く動き始めればそれだけでうまくいくわけではなく、大切なのは何から整理し、どの順番で進めるかを見極めることです。

もし後継者の意思を確認しないまま準備を進めると途中で方向が変わる可能性がありますし、税制や制度を知らずに進めると、使える選択肢を逃してしまうこともあるでしょう。

そこで、事業承継を成功させるポイントとして、次の5つをご紹介します。

  • 長期の視点で考える
  • 後継者の意思を早めに確認する
  • 税制や補助金の活用を検討する
  • M&Aも選択肢のひとつとして考える
  • 専門家に相談しながら進める

焦って一度に決めるよりも、ひとつずつ整理しながら進めるほうが結果として安定しやすくなりますので、参考にしてください。

長期の視点で考える

事業承継は、「今年中に決めなければならない」など短期間で急いで進めるより、数年かけて長期の視点で考えるほうが現実的です。

例えば、最初は「誰にどう引き継ぐか」を整理し、そのあとで少しずつ役割を広げながら必要に応じて株式や税金のことを確認していく流れでも十分だと言えます。

最初から全部を決めようとすると負担が大きくなりますので、5年〜10年かけて取り組むべきことと捉え、「今決めること」と「あとで考えること」を分けながら進めていくのがよいでしょう。

後継者の意思を早めに確認する

事業承継では、どれだけ現経営者が「この人に任せたい」と思っていても、相手が同じように考えているとは限りません。

後継者自身も、会社を継ぐことへの責任や生活への影響を気にしていたり、「本当に自分でよいのか」と迷っていたりする場合もあります。

そのため、まずは本人がどう考えているのか、意思を早めに確認することが大切です。

継ぐか・継がないかだけではなく、まずはどのように思っているのか、気持ちを聞くところから始めるだけでも、方向が見えやすくなるでしょう。

税制や補助金の活用を検討する

事業承継を考え始めると、「税金がどれくらいかかるのか」「費用負担は大丈夫か」と気になるのも当然のことです。

そのときに知っておきたいのが、税制や補助金など、活用できる制度があるかどうかです。

例えば、自社株を引き継ぐときは、事業承継税制によって税負担を抑えられる場合があります。

さらに、設備投資や専門家への相談費用については、事業承継・M&A補助金(旧:事業承継・引継ぎ補助金)の対象になることもあります。

制度にはそれぞれ条件がありますので、まずは「自社でも使える可能性があるか」を確認し、検討を進めておくだけでも、そのあとの見通しが立てやすくなるでしょう。

「事業承継に使える補助金」については、別記事にもまとめていますので、参考にしてください。

M&Aも選択肢のひとつとして考える

もし親族や社内に後継者が見つからない場合、最近は中小企業でも、従業員の雇用や取引先との関係を守るためにM&Aを選択肢のひとつとして考えるケースが増えています。

「会社を売る」と聞くと迷いを感じることもありますが、見方を変えると、会社をなくさずに次へつなぐ方法とも言えるのです。

すぐに決める必要はありませんが、「こういう方法もある」と知っておくだけで、気持ちに余裕が生まれやすくなるでしょう。

別記事では、「M&Aについて」簡単にわかりやすく解説していますので、こちらもご覧ください。

専門家に相談しながら進める

事業承継では、税金・株式・ご家族との話し合い・契約の整理など、進めるなかで考えるべきことが少しずつ増えてきます。

そのため、経営者がおひとりで全部整理しようとすると、どこから手をつければよいか迷いやすくなると言えるでしょう。

そんなとき、税理士へ相談すると数字の整理がスムーズになりますし、株式や相続が関わる場合は弁護士が要になることもあります。

専門家へ早めに相談しておくことで、頭のなかが整理しやすくなり、日々の業務を進めながら承継について考えていくことができるはずです。

まだ方向が決まっていない段階でも、相談にのってくれるところは少なくありませんので、信頼できる相談先を見つけておくのがおすすめです。

経営者の年齢・状況別に見る事業承継のタイミングの目安

「いつ事業承継を始めればよいのか」に、全社共通の正解はありません。ただし、経営者の年齢や会社の状況によって、動き出すべき目安は考えられます。次の表は、一般的な考え方を整理したものです。

経営者の状況動き出す目安優先して考えたいこと
50代で後継者候補がいる今から段階的に後継者の育成と、自社株や保証の整理
60代で後継者が未定できるだけ早く親族・従業員・社外の候補を並行して検討する
70代で準備をしていないすぐに相談を引退の時期から逆算し、選べる方法を確認する
体調や家族の事情に不安がある時期にかかわらず至急万一のときの代表者や遺言の備えを整える

60代は準備を始める目安になりやすい

経営者の年齢が60代に入ると、承継の準備を始める方が増えます。後継者の育成や自社株の整理には数年かかるため、70代になってから慌てて動くより、選択肢が多い状態で進められます。

年齢はあくまで目安であり、会社の状況や後継者の有無によって、最適な時期は変わります。年齢だけで判断せず、準備に必要な期間から逆算して考えることが大切です。

年齢が若くても動いたほうがよいケース

50代でも、後継者候補が若く育成に時間がかかる場合や、大きな投資を控えている場合は、早めに計画を立てるほうが安心です。事業承継の準備は、会社の強みや課題を見つめ直す機会にもなります。

健康上の不安がある場合には、年齢にかかわらず、万一のときの備えを優先して整えておく必要があります。

平均的な年齢の実態も参考にする

経営者や後継者の平均年齢は、調査によって数字が公表されています。実態を知ると、自分がどの段階にいるのかを客観的に判断しやすくなります。

最新の数値や準備開始の目安は、関連する記事で詳しく解説しています。

別記事では「【2026年最新】事業承継の平均年齢は?経営者・後継者の実態と準備開始の目安を解説」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

税理士や弁護士に相談する最適なタイミングはいつ?

「専門家にはいつ相談すればよいか」という疑問も多く寄せられます。結論から言うと、承継の方針が固まっていない段階での相談が、最も選択肢を広げられます。

決算の前後は自社株の評価を確認しやすい

自社株の評価額は、決算の内容によって大きく変わります。決算が確定する前に相談しておけば、株価への影響を踏まえて、対策を検討できる場合があります。

株価が低い時期に贈与や譲渡を行うことで、税負担を抑えられる可能性もあります。ただし、具体的な効果は会社の状況によって異なるため、税理士に試算してもらうのが確実です。

契約や許認可の確認は早めに弁護士へ

主要な契約書や許認可に承継の制限がないか、株主の構成に問題がないかといった確認は、弁護士が得意とする分野です。承継の方針が決まる前に点検しておくと、あとから手戻りが生じるのを防げます。

親族間で意見が分かれている場合も、早い段階で第三者を交えて整理すると、関係が悪化するのを避けやすくなります。

金融機関への相談は後継者が決まる前から

経営者保証や借入金の扱いは、金融機関との話し合いに時間がかかる部分です。後継者が決まってから動くのではなく、候補の段階から、金融機関に承継の意向を共有しておくとスムーズに進みやすくなります。

金融機関の方針や会社の財務状況によって対応は異なるため、早めに確認しておくことをおすすめします。

別記事では「事業承継での税理士の費用相場はいくら?高くなるケースや丸投げした場合の金額も解説」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

「今すぐ動くべき」サインと、熊本・八代の相談現場から

承継は後回しにしやすい問題ですが、次のような状況が見られる場合は、早めに動いたほうがよいサインです。熊本市や八代市でのご相談でも、きっかけは身近な出来事であることが多くあります。

体調の変化や家族の事情が出てきたとき

経営者自身や家族の病気、介護の必要が生じたときは、承継を考える大きなきっかけになります。急に代表者が不在になると、金融機関や取引先への対応、従業員の動揺など、短期間で多くの判断を迫られます。

元気なうちに、遺言や委任の準備、代表者の代わりを決めておくことが、万一のときの安心につながります。

主要な取引先や金融機関の世代交代が進んだとき

長年付き合いのある取引先の担当者や、金融機関の担当者が替わると、関係性の見直しが起きることがあります。社長個人の信頼に頼ってきた会社ほど、後継者を紹介するタイミングを考える必要があります。

関係が変わる前に後継者を紹介し、引き継ぎの期間を設けておくと、承継後の取引を守りやすくなります。

業績が安定しているうちに始めるのが理想

業績が好調な時期は、後継者や買い手の候補にとっても魅力的に映り、条件面でも選択肢が広がります。反対に、業績が悪化してからでは、交渉が難しくなりがちです。

「まだ早い」と感じる時期こそ、情報収集や現状の整理を始める好機です。すぐに結論を出す必要はありませんので、まずは状況を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

別記事では「事業承継計画とは?必要性や計画書の具体的な作り方・いつから始めるべきかも解説」についても解説していますので、あわせてご覧ください。

事業承継を考えたら「TORUTE株式会社」へ

TORUTE株式会社への相談をイメージした画像

事業承継では、「まだ早いのか、それともそろそろ動くべきか」とタイミングに迷うことが少なくありません。

実際には、後継者がはっきり決まっていなくても、方向性だけ先に整理しておくことで、承継全体の進め方が見えやすくなります。

TORUTE株式会社では、経営者さまの想いを大切にしながら、無理のないタイミングや進め方をご提案させていただいています。

「まだ後継者が決まりきっていない」「親族へ話す前に一度整理したい」といった段階でも、初回は無料でご相談が可能です。

事業承継は、動き出す時期によって選べる方法が変わることがあります。

さまざまな専門家とも連携しながら、会社の状況に合わせた現実的な進め方を一緒に整理していきますので、迷っている段階でもぜひ一度ご相談ください。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

まとめ

事業承継のタイミングに迷うのは、ごく自然なことではないかと考えます。

まだ元気に経営できているうちは、「もう少し先でもよいのでは」と感じるのも当然です。

ですが実際には、後継者への引き継ぎ・自社株や税務の整理・承継方法の検討など、承継で考えるべきことは少なくありません。

そのため、何かを決め切ってから動くより、「今のうちに方向だけ整理しておく」という考え方のほうが進めやすいこともあります。

親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)では、必要な準備も異なりますので、自社に合う進め方を早めに見渡しておくことが大切です。

すぐに結論を出す必要はありませんが、選択肢があるうちに考え始めることで、会社や従業員、取引先にとっても落ち着いた形で次につなげやすくなるでしょう。

まずはお気軽にご連絡ください

0120-055-737

受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)

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