事業承継でM&Aを考え始めると、「弁護士も必要なのでは?」「だけど弁護士費用はどのくらいかかるのだろう」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
仮に見積もりを受け取っても「高いのか、妥当なのか」が判断しにくい場合もあるかもしれません。
弁護士費用は、相談料・着手金・成功報酬などいくつかの要素で構成されており、仕組みを知らないままでは全体像が見えにくいものです。
そこで本記事では、M&Aにおける弁護士費用の相場はいくらくらいなのか、報酬の計算方法や価格を抑えるポイントを解説します。
あらかじめ目安を知っておけば、見積もりを受け取ったときにも落ち着いて内容を確認できるはずですので、参考にしてください。

目次
この記事を監修した弁護士
西田 幸広 法律事務所Si-Law代表
弁護士・法律事務所Si-Law/(株)TORUTE代表・西田幸広 熊本県を中心に企業顧問70社、月間取扱160件以上(2025年8月時点)。登録3,600社・20超業種を支援し、M&A・事業承継を強みとする。弁護士・司法書士・社労士・土地家屋調査士の資格保有。YouTubeやメルマガで実務解説・監修/寄稿多数。LINE登録特典で「事業承継まるわかりマニュアル」提供。
M&Aにおける弁護士費用の相場はいくら?
M&Aで弁護士に依頼する場合、費用は「一律いくら」と決まっているわけではありません。
案件の規模や依頼する業務の範囲によって金額は変わりますが、一般的な相場として、数十万円から数百万円程度になるケースが多いと言われています。
さらに、取引が成立した場合には、ここに成功報酬が加わることもあります。
実は、かつては日本弁護士連合会(日弁連)が定めた弁護士報酬規程がありましたが、2004年の弁護士法改正にともない廃止され、現在は弁護士と依頼者が合意して報酬を決める仕組みになっています。
そのため、同じM&Aであっても費用の内容や金額に違いが出るのです。
弁護士費用について理解するためには、ただ合計金額だけを見るのではなく、どの業務にどのくらいの費用がかかるのかという内訳を知っておくことが大切になります。
M&Aにおける弁護士費用は主に、次のような費用項目が発生します。
- 相談料
- 着手金
- 法務デューデリジェンス料
- 契約書作成・レビュー料
- 顧問契約料
- 成功報酬
ここから、それぞれの費用の内容とおおよその相場について解説していきます。
ただし、本記事の費用相場はあくまでも一般的な目安となりますので、具体的な費用については、弁護士に直接ご確認ください。
相談料
相談料は、弁護士に最初の相談をするときにかかる費用です。
最近は初回相談を無料としている事務所も増えていますが、一般的には30分5,000円〜1万円前後が相場とされています。
ここで意識しておきたいのは、相談料の金額だけに目を向けるのではなく「相談したあとに何が整理できそうか」を大切に考える、ということです。
例えば、M&Aの進め方や注意点、次に準備すべき資料がわかるだけでも、そのあとの手続きは進めやすくなります。
最初の段階で方向性が見えると、スムーズに進めやすくなり、「あとからやり直さなければならない」などというトラブルを減らすことにもつながります。
相談の際には、費用の見積もりの出し方や、追加費用が発生する可能性についても確認しておくと安心でしょう。
着手金
着手金は、弁護士が案件に本格的に取り組む段階で支払う費用です。
結果に関わらず、業務を進めるための準備や作業に対して支払うもの、と考えておいてください。
M&Aの場合、契約書の作成・内容の確認・交渉のサポート・最終契約までの手続きなどが含まれることが多く、おおよそ20万円〜100万円程度がひとつの目安になります。
一方で、着手金を低めにして、その代わりに成功報酬の割合を高くする料金設計を採用している事務所もあります。
見積もりを確認するときは、着手金の有無だけで判断するのではなく、「どこまでの業務が含まれているのか」をあわせて確認しておきましょう。
法務デューデリジェンス料
法務デューデリジェンスとは、会社に法的な問題がないかを事前に確認するための調査です。
買い手側が、契約内容・許認可・労務トラブル・訴訟の有無などを確認し、取引後に想定外のリスクが出ないようにする目的があります。
費用は調査範囲によって変わりますが、おおよそ50万円〜200万円程度が相場とされています。
会社の規模が大きい場合や調査範囲が広い場合は、さらに費用が上がることもあるでしょう。
売り手の経営者からすると、「細かく調べられるのは少し不安だ」と感じることもあるかもしれません。
しかし、この段階で情報を整理しておくと、契約交渉が進みやすくなり、あとから大きな問題になるのを防ぐことにもつながります。
なお、調査の範囲はあらかじめ相談して決めることが可能です。
例えば、許認可や主要な契約など、会社にとって特に重要な部分を中心に確認していく方法もあります。
無理のない範囲で進め方を決めておくと、安心して手続きを進めやすくなるでしょう。
契約書作成・レビュー料
M&Aでは、いくつもの重要な契約書が必要になります。
例えば、交渉の方向性をまとめる「基本合意書」、最終的な条件を定める「株式譲渡契約書」や「事業譲渡契約書」などです。
こうした契約書の作成や内容の確認を弁護士に依頼する場合は、10万円〜100万円程度が目安になります。
ただし、契約書は単に書面を作れば終わりではありません。
会社の状況に合わせて、どこまで責任を負うのか・問題が起きた場合の対応をどうするのかなど、大切な条件をひとつずつ整理していく必要があります。
そのため、相手方との交渉のなかで契約内容が調整されることも少なくないと言えます。
確認や修正のやり取りが増えるほど作業量も増えるため、弁護士費用も膨らむ場合があるのです。
見積もりを確認するときには、どの契約書が対象になるのか・修正対応はどこまで含まれるのか・交渉への同席があるのかなどをあらかじめ確認しておくのがよいでしょう。
顧問契約料
顧問契約料は、弁護士に継続的な法律相談を依頼するための費用で、一般的には月3万円〜10万円程度が相場とされています。
M&Aの手続きだけであれば、必ずしも顧問契約が必要になるわけではありません。
ただし、事業承継のあとには、取引先との契約の見直し・役員退職金の整理・雇用条件の調整など、法務面で相談したい場面が続くこともあります。
そうした対応が見込まれる場合には、顧問契約を結んでおくことで、気軽に相談しやすくなるでしょう。
無理に契約する必要はありませんが、「今後どのくらい相談が必要になりそうか」も考えながら判断することが大切です。
成功報酬
成功報酬は、M&Aの取引が成立したときに支払う費用です。
一般的には、取引金額の数%程度が目安とされることが多く、金額が大きくなるほど割合が下がる「レーマン方式」で計算されるケースも見られます。
ここで大切なのは、「成功」とはどの時点を指すのかを確認しておくことです。
M&A契約が成立した段階なのか、実際に株式の引き渡しまで完了した段階なのかによって、支払いのタイミングも変わることがあるでしょう。
また、成功報酬の計算に使う「取引金額」の考え方も事務所ごとに違いが出やすい部分で、株式の譲渡価格だけなのか借入金の引き継ぎなども含めるのかによって、金額が変わる場合もあります。
見積もりを見るときは、計算方法と支払いのタイミングをあわせて確認しておくようにしてください。
M&Aの弁護士費用はどうやって決まるの?
M&Aの弁護士費用は、一律の金額で決まるものではなく、依頼する内容や会社の状況によって一定の幅が生まれます。
その理由は、弁護士が担当する業務の範囲や案件の状況によって、必要な作業量が変わるためです。
相談だけで終わる場合と、契約書の作成・交渉・クロージングまで関わる場合では、必要な時間や確認事項も大きく違って来るため、見積もりの金額にも影響します。
M&Aの弁護士費用がどうやって決まるのかについての主なポイントは、次の3つです。
- 業務範囲
- 課金方式
- 案件の複雑さ
費用の内訳を見るだけでなく、「どのような要素で金額が変わるのか」を知っておくと理解しやすくなりますので、それぞれについて解説します。
業務範囲
弁護士費用に大きく影響しやすいのが、どこまでの業務を依頼するかという「業務範囲」です。
例えば、契約書の内容確認だけを依頼する場合と、法務調査・契約書作成・交渉の同席・クロージング対応まで依頼する場合では、必要な作業量が大きく変わります。
つまり業務範囲が広くなるほど、費用も増えやすくなるでしょう。
そのため、見積もりを見るときは「何をどこまで依頼しているのか」を確認しておくことが大切です。
弁護士に任せようと考えている部分と、自社で準備できそうな部分をあらかじめ整理しておくと、見積もりの比較もしやすくなります。
特に売り手側では、資料の準備や情報開示の段取りで手戻りが起きることも考えられます。
最初の相談の段階で、想定スケジュールや弁護士が作成する契約書案や論点整理などといった成果物を確認しておくと、安心して進めやすくなるでしょう。
課金方式
弁護士費用の計算方法にも、いくつかの種類があります。
代表的な課金方式としては、作業時間に応じて費用が増える「タイムチャージ型」、案件ごとに金額を決める「固定報酬型」、取引が成立したときに支払う「成功報酬型」などです。
どの方式がよいかは、案件の内容によって変わります。
例えば、契約書作成のように作業内容が比較的はっきりしている場合は、固定報酬が合うこともあります。
一方で、交渉回数が想定しにくい案件では、タイムチャージの方が費用もわかりやすくなる場合があるでしょう。
いずれの方式であっても、追加費用が発生する条件や費用の上限について、事前に確認しておくことが大切です。
案件の複雑さ
会社の状況によって、M&Aの案件の複雑さは変わります。
確認すべき点が多い案件では、調査や整理に時間がかかるため、弁護士費用にも影響することがあります。
例えば、許認可の名義や更新状況・主要取引先との契約条件・従業員の雇用関係・未払い残業代の問題・担保や個人保証の整理などは、M&Aの場面でよく確認されるポイントです。
こうした問題は、会社が悪いというより、長年の経営のなかで自然に積み重なっていることも少なくありません。
だからこそ、早い段階で論点を整理し、優先順位をつけて対応していくことが大切になります。
事前に確認できる部分を整理しておくことで交渉もスムーズになり、結果として弁護士の作業も安定し、費用の見通しも立てやすくなるはずです。
M&Aの報酬の計算方法

M&Aの報酬のなかでも、計算方法を理解しておきたいのは、主に成功報酬です。
相談料や着手金などは金額があらかじめ決まっていることが多い一方、成功報酬は取引の規模や計算の前提によって変動があります。
例えば「成功報酬◯%」と書かれていても、何を基準に計算するのかによって実際の金額は変わります。
株式の譲渡価格を基準にする場合もあれば、借入金などを含めた企業価値を基準にする場合もあるのです。
また、取引が成立した段階を成功と考えるのか、最終的な引き渡しまで完了した段階を成功と考えるのかによって、支払いのタイミングも変わることがあります。
実際には、取引金額に応じて段階的に料率を当てはめる「レーマン方式」と呼ばれる計算方法が広く使われています。
さらに、成功報酬を売り手と買い手のどちらが負担するのかという点も、事前に確認しておきたいポイントです。
レーマン方式とは?
「レーマン方式」とは、M&Aの成功報酬を計算する際によく使われる方法です。
代表的な例では、次のような料率が使われることがあります。
| 5億円までの部分 | 5% |
| 5億円超〜10億円の部分 | 4% |
| 10億円超〜50億円の部分 | 3% |
| 50億円超〜100億円の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
ここで注意しておきたいのが、取引金額の合計額で見るのではなく、区分ごとに分けたうえで料率をかけて計算し、最後に合計して成功報酬を求める仕組みだという点です。
例えば取引金額が8億円の場合、最初の5億円には5%、残りの3億円には4%を当てはめて計算します。
この方式は、取引金額が大きくなるほど料率が下がる設計になっているため、案件の規模が違っても一定のバランスを保ちやすいとされています。
ただし注意しておきたいのは、「取引金額」を何で考えるかという点です。
株式の譲渡価格を基準にする場合もあれば、借入金などを含めた企業価値を基準にする場合もありますので、見積もりの際に「どの金額を基準に計算しているのか」をあわせて確認しておくのがよいでしょう。
なお、上記の料率はあくまで一般的な参考例であり、事務所によって設定が異なる場合や最低報酬額が設けられている場合もあります。
M&Aの成功報酬は誰が払うの?
売り手と買い手がいるM&Aでは、成功報酬を誰が払うのかも気になる点だと考えます。
M&Aの成功報酬は、基本的には弁護士に依頼した側が支払います。
売り手が自社の弁護士に依頼している場合は売り手が支払い、買い手が弁護士に依頼している場合は買い手が支払う形です。
実際には、売り手と買い手がそれぞれ弁護士を付けるケースが一般的だと言えます。
なぜなら、契約条件やリスクの整理では立場によって考え方が異なるため、双方に助言する弁護士が必要になるからです。
売り手の経営者のなかには「仲介会社が入っているなら十分ではないか」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、仲介会社の役割は主に相手探しや条件調整です。
一方で弁護士に依頼する目的は、単に契約書を整えるだけではなく、あとから誤解やトラブルが生じないように条件を整理し、安心して会社を引き継げる状態をつくることにあります。
契約条項のリスク整理や責任の範囲まで細かく確認する役割を担いますので、それを理解したうえで、費用を確認してみてください。
TORUTE株式会社では、初回は無料でのご相談が可能ですので、まずは現状の整理や見積もりを確認するだけでも、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

M&Aで弁護士費用が高くなるケース
M&Aで弁護士費用が高くなるケースというのは、多くの場合、最初の見積もりが高いというより、手続きを進める途中で作業が増えることが費用の上昇につながっていると言えるでしょう。
例えば、次のようなケースです。
- 必要な資料が揃っておらず、確認や説明が何度も必要になる
- 交渉の途中で条件が変わり、契約書の修正が繰り返される
- 調査の過程で新しい課題や確認事項が見つかる
このような状況になると、その都度確認や調整が必要になり、弁護士の作業時間も増えていくため、費用が想定より高くなることがあります。
とはいえ、多くの場合は事前の確認である程度防ぐことができます。
見積もりを受け取ったときには、「どこまでが基本料金なのか」「どのような場合に追加費用が発生するのか」をあらかじめ聞いておくと安心です。
M&Aで弁護士費用を抑えるためのポイント
M&Aで弁護士費用を抑えたいと考える経営者の方は多いと思いますが、必要な確認まで省いてしまうと、あとからトラブルが起きる可能性もあります。
大切なのは、費用そのものを減らすことよりも、無駄なやり取りや追加作業が増えない進め方を意識することだと考えます。
ここでは、M&Aで弁護士費用を抑えるためのポイントとして、次の5つをご紹介します。
- 資料を事前に整理しておく
- 依頼する範囲を明確にする
- 交渉の方向性を決めておく
- 法的な懸念点を洗い出しておく
- 活用できる補助金制度を確認しておく
できそうな部分はどこかを確認しながら、読み進めてみてください。
資料を事前に整理しておく
会社の資料が整理されていると、追加のやり取りが減り、費用の膨らみも防ぎやすくなります。
例えば、次のような基本的な資料を事前に整理しておくとスムーズです。
- 会社の基本情報(登記・株主・役員など)
- 主要な取引先との契約書
- 借入金や担保の状況
- 許認可に関する資料
- 労務関係の書類(就業規則・雇用契約など)
すべてを完璧に揃える必要はありませんので、「どの資料がどこにあるか」がわかる状態にしておくことが大切です。
依頼する範囲を明確にする
弁護士に何をお願いしたいのかが曖昧なままだと、途中で作業が増え、費用もわかりにくくなりがちです。
そのため、相談の段階で「どこまでお願いするのか」という依頼の範囲を明確にしておきましょう。
例えば、次のような内容です。
- 契約書のチェックだけを依頼するのか
- 交渉の場にも同席してもらうのか
- 法務デューデリジェンス(法務調査)まで依頼するのか
また、論点の整理メモを作ってもらえるのか、契約書の修正案はどの形で受け取れるのかなど、どのような成果物が出てくるのかも聞いておくと安心です。
交渉の方向性を決めておく
M&Aの交渉が長引く理由のひとつは、社内で「どこまで譲れるのか」が決まっていないことです。
そのため、次のような交渉の方向性を決めておくとよいでしょう。
- 譲渡価格の考え方
- 支払い方法や時期
- 従業員の雇用条件
- 引き継ぎ期間
- 競業避止(同じ事業をおこなわない約束)
すべてを細かく決める必要はありませんが、「絶対に守りたい条件」と「状況によって調整できる条件」を分けておくだけでも、交渉は進みやすくなります。
弁護士は法律面の助言はしてくれますが、最終的な経営判断は経営者がおこなう必要があります。
方向性が整理されているほど契約内容もまとめやすくなり、結果として費用の見通しも立てやすくなるでしょう。
法的な懸念点を洗い出しておく
M&Aの手続きの途中で新しい問題が見つかると、追加の調査や交渉が必要になり、弁護士の作業が増えて費用も膨らみやすくなります。
そのため、あらかじめ気になっている法的な懸念点を洗い出しておくことが大切です。
具体的には、次のようなものが考えられます。
- 許認可の名義や更新状況
- 未払い残業代など労務の問題がないか
- 取引先との契約の更新条件
- 借入・担保・個人保証の状況
ここで大切なのは、問題を隠すことではなく、早めに把握しておくことです。
例えば、契約書が見つからない場合は再契約の準備を進める、労務に不安がある場合は専門家に簡単なチェックを依頼する、といった対応も考えられます。
事前に整理しておくことで、交渉の途中で慌てる場面も減らせるでしょう。
活用できる補助金制度を確認しておく
弁護士費用の負担を抑えるためには、補助金などの支援制度が活用できるかどうかを確認しておくこともひとつの方法です。
例えば、「事業承継・引継ぎ補助金」という制度では、専門家の活用費用が対象になる場合があります。
こうした制度を使うことができれば、費用負担を軽くできる可能性があるでしょう。
ただし、補助金には次のような条件があります。
- 公募期間が決まっている
- 申請しても必ず採択されるとは限らない
- 対象となる経費が決められている
そのため、「必ず使える前提」で計画を立てるのではなく、使えれば助かる選択肢のひとつとして考えておくのがよいでしょう。
資金計画を立てやすくするためにも、早めに制度の内容を確認しておくのがおすすめです。
事業承継に使える補助金については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
関連記事:事業承継に使える補助金は?2025年度のスケジュールや申請方法・対象経費なども解説!
弁護士に依頼した方がいいケースは?

弁護士費用は決して安くはないため、「本当に依頼する必要があるのだろうか」と迷う方も多いでしょう。
ここでは、弁護士に依頼した方がいい主なケースをご紹介します。
- 権利関係が複雑になっている場合
- 法的リスクに不安がある場合
- 交渉がうまくまとまらない場合
- 将来のトラブルを防ぎたい場合
それぞれについて、具体的に見ていきましょう。
権利関係が複雑になっている場合
会社を長く続けていると、権利関係が少しずつ複雑になっていくことがあります。
例えば、次のようなケースです。
- 株主が複数いて持株割合が整理されていない
- 名義と実際の出資者が一致していない
- 関連会社との取引関係が多い
こうした状況は、長年の経営のなかで自然に生まれるものなので、経営者ご自身でもすべてを把握しきれないことがあります。
弁護士に相談すると、どの部分を確認すべきかが整理され、契約書ではどのように扱うべきかの方向性が見えやすくなるでしょう。
権利関係を早めに整理しておくことで、承継後のトラブルを防ぎやすくなるため、不安がある場合は一度専門家の意見を聞いてみると安心です。
法的リスクに不安がある場合
M&Aでは、会社の状況についてさまざまな確認がおこなわれます。
次のような法的リスクに不安がある場合は、早めに弁護士へ相談しておくと安心です。
- 許認可の名義や更新状況
- 従業員との労務トラブルの有無
- 契約違反の可能性
- 過去の紛争や訴訟の有無
こういった内容は、気付かないまま手続きを進めてしまうことで問題になることがあります。
あとになって買い手から指摘されると、条件の見直しや追加の交渉につながることもあるからです。
事前に相談しておけば、どこを優先して整理すべきかが見えやすくなり、交渉も進めやすくなるでしょう。
交渉がうまくまとまらない場合
M&Aでは、交渉する内容が増えるほどまとまりにくくなることがあります。
例えば、次のような点です。
- 譲渡価格
- 支払い方法や時期
- 従業員の雇用条件
- 引き継ぎの範囲
こうした条件は、お互いに大切にしたい考え方があるため、意見がぶつかることもあります。
特に事業承継では、長年守ってきた会社への想いが強く、感情が入りやすい場面も少なくありません。
そんな時、弁護士が交渉に関わることで論点を法律の視点から整理し、合意できる着地点が見えやすくなることもあります。
交渉が長引くほど時間も費用もかかる可能性があるため、早い段階で専門家の助言を受けるのがおすすめです。
将来のトラブルを防ぎたい場合
M&Aでは、「今は問題がなくても、将来トラブルになりそうだ」と感じる場面が出てくることがあります。
引き継ぎが終わったあとに問題になりやすい内容として、次のようなものが挙げられます。
- 契約内容の解釈が分かれそうな部分
- 会社の引き継ぎ後の責任範囲
- 同じ事業をおこなわない約束(競業避止)
- 役員退職金の扱い
弁護士に依頼する目的は、単に契約書を作ることだけではなく、あとからの誤解やトラブルをできるだけ防ぐことも、大きな役割のひとつです。
必要な部分をあらかじめ整理しておくことで、安心して会社を引き継ぐ準備を進めることができます。
事業承継での弁護士の役割については、以下の記事でも詳しくまとめていますので、参考にしてください。
関連記事:事業承継での弁護士の役割は?依頼するメリットや費用・他の専門家との違いも解説!
TORUTE株式会社では、このような場合にもスムーズに承継を進められるよう、サポートさせていただいています。
まずは現状整理からでも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

M&Aを成功させるための弁護士の選び方
M&Aを進めるうえで、どの弁護士に依頼するかはとても大切なポイントです。
費用や専門性だけでなく、「安心して相談できる相手かどうか」という視点も大切になります。
まず確認しておきたいのは、説明のわかりやすさです。
見積もりの内容・費用の考え方・リスクの有無などを丁寧に説明してくれる弁護士であれば、安心して手続きを進めていけるでしょう。
また、M&Aを成功させるための弁護士の選び方として、次のような点も確認しておくのがおすすめです。
- 見積もりの根拠をきちんと説明してくれるか
- 追加費用が発生する条件を事前に教えてくれるか
- M&Aや事業承継の案件に関わった経験があるか
さらに、事業承継は法律だけで完結するものではなく、税金や労務などの問題が関わることも多いため、税理士・社労士・仲介会社などと連携できる体制があるかどうかも確認しておくのがよいでしょう。
M&A専門の弁護士はいる?
M&A専門の弁護士はいますが、弁護士に「M&A専門」というような公式の資格があるわけではありません。
そのため、「M&Aを多く扱っている弁護士」「M&A案件の経験が豊富な弁護士」という意味で使われることが一般的です。
ただし、「専門」と書かれているというだけで判断するのではなく、次のような点も確認しておくとミスマッチを防ぎやすくなります。
- 中小企業のM&Aを多く扱っているか
- 売り手側・買い手側のどちらの支援が多いか
- どのくらいの規模の案件を経験しているか
特に中小企業の事業承継では、スピード感や現実的な着地点が求められることも少なくありません。
難しい専門用語ばかり並べるのではなく、経営者が判断しやすい形で説明してくれる弁護士は心強い存在になるはずです。
まずは初回の相談でしっかりと話を聞き、説明のわかりやすさや相性を確かめてみるとよいでしょう。
ダメな弁護士の見分け方は?
弁護士を探していると、「ダメな弁護士の見分け方はあるのだろうか」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ひとつの目安ではありますが、次のような対応が見られる場合は少し注意しておくとよいでしょう。
- 「絶対に大丈夫です」と断言する
- 質問しても結論がはっきり返ってこない
- 見積もりの前提が曖昧なまま話が進む
M&Aには不確実な部分もあるため、すべてのリスクをゼロにすることはできませんが、どんなリスクがあり、どう備えるのかをきちんと説明してくれることは、弁護士を選ぶうえで重要になります。
また、あとから追加費用の条件が出てくると信頼関係が崩れやすくなりますので、委任契約書の内容や費用の条件は、最初の段階でしっかりと確認しておきましょう。
「聞きにくい」と感じることほどそのままにせず、質問しておくと安心です。
TORUTE株式会社では、これまで多くのM&Aを扱ってきました。
M&Aは単なる売買ではなく、経営者の想いと事業の価値を次の担い手へつなぐ取り組みでもあると考えます。
例えば、46年続いた熊本のガソリンスタンドが地域のインフラとしての価値を評価され、新しい経営者への引き継ぎを実現した事例もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
M&Aのご相談は「TORUTE株式会社」へ

M&Aを検討し始めると、「弁護士費用はどのくらいかかるのだろう」と不安に感じる方も多いかもしれません。
相場を知ることは参考になりますが、実際には会社ごとに状況が異なるため、自社の場合はどうなりそうかを見立てていくことが大切になります。
TORUTE株式会社では、事業承継の全体像を整理しながら、どの専門家にどこまで依頼するのが現実的なのかということまで、ともに考えていくサポートもおこなっています。
初回は無料でのご相談が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
事業承継をスムーズに進めるための「事業承継に役立つ無料マニュアル【完全版】」もプレゼントさせていただいております。
「何から考えればよいのかわからない」という段階でも問題ありませんので、まずは今の状況を言葉にしながら、どこに不安があるのかを一緒に整理していければと思います。
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まとめ
M&Aの弁護士費用は、「いくら」と一律に決まるものではなく、依頼する業務の範囲・課金の仕組み・案件の状況によって変わることが多いものです。
そのため、金額だけを見るのではなく、どのような内容に費用がかかるのかを理解しておくことが大切になります。
金額の内訳や決まり方を知っておくと、見積もりを受け取ったときの見え方も変わり、専門家とも落ち着いて話しやすくなるでしょう。
また、費用を抑えようとして必要な確認まで省いてしまうと、あとから思わぬ問題につながることも考えられます。
資料や条件を早めに整理し、無駄なやり取りを減らすことが、結果として安心につながる場合も少なくありません。
事業承継やM&Aは会社の未来を考える大切な節目ですので、焦って結論を出すのではなく、情報を整理しながら、必要に応じて専門家の力も借りて準備を進めていきましょう。
まずはお気軽にご連絡ください
受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)
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