事業承継の仲介手数料はいくら?相場一覧とレーマン方式の計算・会計処理まで解説!

CATEGORY

西田 幸広 弁護士

監修者:弁護士 西田幸広

法律事務所Si-Law代表 / 熊本県八代市出身 / 熊本を中心に企業法務支援

長年守ってきた会社を、将来へつなぐために事業承継をおこないたいが、「仲介手数料がどのくらいかかるのか不安に感じている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際にM&A仲介会社に相談してみても、面談で「レーマン方式」や「中間金」などといった聞き慣れない言葉が並び、結局いくらになるのかわかりづらいと感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、事業承継の仲介手数料はいくらくらいなのかを相場一覧にまとめながら、レーマン方式による計算や契約時の会計処理の考え方まで、わかりやすく解説していきます。

契約前に確認しておきたい比較のポイントもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

TORUTE株式会社のバナー画像

事業承継の仲介手数料はいくら?

事業承継の仲介手数料は、いくつかの段階に分かれて発生することが一般的です。

ここではまず、M&A仲介手数料の種類と相場を一覧で確認したうえで、次の4つの内容を詳しくご紹介していきます。

  • 相談料・着手金の相場
  • 中間金・リテイナーフィーの相場
  • 成功報酬・最低手数料の相場
  • デューデリジェンスなど付随費用の相場

それぞれの費用がどのタイミングで、どの程度の金額になるのかを事前に把握しておくことで、見積書の内容も落ち着いて確認できるようになりますので、一つひとつ見ていきましょう。

なお、「M&Aとはどのようなものなのか」については、別記事で簡単にわかりやすくまとめています。

M&A仲介手数料の種類と相場一覧

M&A仲介手数料は、大きく分けて次の5つで構成されます。

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間金・リテイナーフィー
  • 成功報酬
  • デューデリジェンスなどの付随費用

まずは全体像をつかんでいただけるよう、それぞれの発生タイミングと相場を一覧にまとめました。

費用の種類主な発生タイミング相場の目安
相談料初回相談〜検討段階無料とする仲介会社が多い
着手金仲介契約の締結時無料〜100万円程度
中間金・リテイナーフィー基本合意の締結時・月額契約時成功報酬の10%〜20%程度・月額なら数万円〜数十万円程度
成功報酬最終契約の成立時取引金額に応じて数百万円〜数千万円規模
付随費用(デューデリジェンス費用等)契約締結後の調査段階数十万円〜数百万円程度

実際には、これらすべての費用が必ず発生するわけではなく、契約先や案件の規模によって組み合わせが変わります。

見積もりを受け取った際には、どの費用がどのタイミングで発生するのかを、ひとつずつ確認しておくとよいでしょう。

各費用について、さらに詳しく解説していきます。

相談料・着手金の相場

相談料は、初回の面談や概算の相談段階で発生する費用ですが、多くの仲介会社では無料としているところが多くなっています。

一方の着手金は、正式に仲介契約を結んだ段階で発生する費用で、無料〜100万円程度が相場となっています。

買い手候補の選定や企業概要書の作成といった初期段階の実務に対する対価とされ、近年は着手金を無料とし、成功報酬のみで運営する仲介会社も増えてきました。

初期段階で費用が発生するかどうかは資金計画にも直結しますので、着手金の有無とその金額を、面談の際にしっかり確認しておくようにしましょう。

中間金・リテイナーフィーの相場

中間金は、売り手と買い手の間で基本合意を締結した段階で支払う費用で、成功報酬の10%〜20%程度が目安とされています。

基本合意は、あくまで最終契約に向けた途中段階であるにも関わらず、この時点でまとまった金額を支払う仕組みになっている点に注意が必要になります。

また、月額で発生するリテイナーフィーを設定している仲介会社もあり、その金額は月数万円〜数十万円程度が相場です。

契約期間が長引くほど、総額が膨らんでいく点も踏まえておく必要があります。

中間金は、たとえ最終契約に至らなかった場合でも返金されないことが一般的なので、契約手続きのどの段階で発生するのかを事前に確認しておいてください。

成功報酬・最低手数料の相場

成功報酬は、取引が成立した際に支払う費用で、取引金額に応じて数百万円〜数千万円規模になることもあります。

後述するレーマン方式に基づき算定されるのが一般的ですが、ここで気をつけたいのが、多くの仲介会社が設定している最低手数料の存在です。

譲渡価格が小規模な案件であっても、料率をかけた金額が最低手数料を下回る場合には、200万円〜500万円程度とされることが多い最低手数料の金額が優先して適用されます。

そのため、譲渡価格が小さいほど、実質的な手数料率としては割高に感じられやすい傾向があるでしょう。

見積もりを確認する際は、料率だけでなく最低手数料の設定があるかどうかも忘れずに確認しておくことが大切です。

デューデリジェンスなど付随費用の相場

デューデリジェンス(企業調査)費用は、主に買い手側が会社の財務や法務状況を確認するために実施する調査にかかる費用で、案件の規模によって数十万円〜数百万円程度と幅があります。

買い手が主体となって実施する費用ではあるものの、資料の準備や質問への対応など、売り手側にも一定の協力が求められる点は理解しておくことが必要です。

加えて、契約書の確認を依頼する弁護士費用や、税務面を整理する税理士費用が別途発生する場合もあるため、総額を見積もる際は仲介手数料以外の付随費用も含めて考えておくのがよいでしょう。

M&Aでの弁護士費用の相場」については、別記事も参考にしてください。

事業承継で仲介手数料が必要なケースは?

事業承継といっても、どの方法で進めるかによって仲介手数料が発生するかどうかは異なります。

ここでは、仲介手数料が必要になりやすいケースと、発生しにくいケースを整理してご紹介します。

  • M&A仲介会社へ依頼するとき
  • FAへ支援を依頼したとき
  • 親族内・従業員承継では原則かからない

具体的に解説しますので、イメージしながら読み進めてみてください。

なお、別記事では「事業承継とM&Aの違い」について、わかりやすくまとめています。

M&A仲介会社へ依頼するとき

親族や従業員に後継者がおらず、第三者へ会社を引き継ぐ、いわゆるM&Aの手法を選んでM&A仲介会社へ依頼するときには、着手金や成功報酬などの仲介手数料が発生します。

例えば、製造業を営むA社が、同業種で事業拡大を目指すB社に会社を譲渡するケースを考えてみましょう。

仲介会社は、まずB社のような買い手候補を探し出し、条件面のすり合わせや交渉の橋渡しをおこない、契約書の作成段階まで一連の手続きを進行管理していきます。

こうした一連の支援に対する対価として、着手金・中間金・成功報酬といった形で段階的に手数料が設定されている仕組みです。

FAへ支援を依頼したとき

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)へ支援を依頼した場合も、仲介手数料と似た費用体系で報酬が発生します。

ただし、FAは売り手か買い手のどちらか一方の立場に立って助言する役割である点が、仲介会社とは異なります。

例えば、売り手であるオーナー経営者がFAと契約した場合、FAは経営者の利益を最優先に考えながら交渉を進めてくれるため、より良い条件を引き出したい場合には心強い存在となるでしょう。

一方で、契約している当事者のみが費用を負担する仕組みのため、双方から手数料を受け取る仲介会社とは負担のあり方が変わってきます。

親族内・従業員承継では原則かからない

一方で、子どもなど親族へ会社を引き継ぐ親族内承継や、役員・従業員へ引き継ぐ従業員承継の場合、仲介手数料は原則としてかかりません。

例えば、専務を務める従業員に会社を引き継いでもらう場合、買い手探しや交渉の橋渡しといった仲介会社の役割自体が不要になるためです。

ただし、その従業員が株式を買い取るための資金をどのように用意するか、あるいは会社の借入金をどう引き継ぐかといった課題は残ります。

こうした点を整理するために、税理士や弁護士へ相談する費用が別途発生することはあるでしょう。

このように、承継の方法によって発生する費用の性質そのものが大きく変わることを、まずは押さえておくようにしてください。

ですが、事業承継では仲介会社やFA、専門家に相談するメリットも大きくなります。

別ページに、TORUTE株式会社がサポートさせていただいた事業承継やM&Aの事例を掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。

M&A仲介手数料は誰が払う?

M&A仲介手数料は誰が払うかのイメージ画像

M&A仲介手数料を誰が負担するのかは、依頼する専門業者の形態によって変わります。

ここでは次のケースについて、それぞれ解説していきます。

  • 売り手・買い手の双方が払う場合
  • 売り手が払う場合
  • 買い手が払う場合

契約前に把握しておくことで、想定外の負担を避けやすくなります。

M&Aが不成立の場合に費用がかかるのかも、あわせて見ていきましょう。

売り手・買い手の双方が払う場合

売り手・買い手の双方が払う場合は、ひとつの仲介会社が売り手と買い手の間に立ち、双方から手数料を受け取って進めるといったケースです。

例えば売り手であるオーナー経営者と、買い手である別会社の経営者が、同じ仲介会社を通じて交渉を進めるようなケースがこれにあたります。

仲介会社は双方の間に立って条件をまとめていく役割を担うため、売り手と買い手のそれぞれが、依頼した仲介会社に対して個別に手数料を支払う仕組みになっています。

例として、売り手には5%・買い手には4%というように、料率が必ずしも同じとは限らない点も押さえておきましょう。

売り手が払う場合

売り手が払う場合は、売り手のみがFAと契約し、着手金や成功報酬などの費用を売り手側だけが負担するといったケースです。

例えば、オーナー経営者が「できるだけ有利な条件で会社を譲りたい」と考え、自社の利益を代弁してくれるFAと契約するようなケースがこれにあたります。

この場合、買い手側は別途、自身で交渉相手を探すか他の専門家に依頼する必要が出てきます。

そのため、売り手にとっては自社の利益を優先してもらいやすい反面、買い手候補を幅広く紹介してもらえる仲介会社と比べると、相手探しの面でのサポートは限定的になる場合がある点も踏まえておくのがよいでしょう。

買い手が払う場合

買い手が払う場合は、先ほどとは反対に買い手のみがFAと契約し、費用を買い手側だけが負担するといったケースです。

例えば、事業拡大を目指す買い手企業が、優良な譲渡先を見つけるためにFAと契約するようなケースがこれにあたります。

この場合、売り手側には直接費用の請求はありませんが、買い手側の利益を優先した条件交渉が進められる可能性がある点には注意が必要です。

売り手としては、相手方がどのような契約形態で動いているのかを把握しておくと、交渉全体の見通しを立てやすくなります。

M&Aが不成立でも費用はかかる?

もしM&Aが不成立に終わった場合でも、すでに支払った着手金や中間金は返金されないことが一般的です。

例えば、基本合意まで進んだものの、デューデリジェンスの結果によって最終契約に至らなかったケースでは、それまでの企業調査や交渉にかかった費用が戻らないまま終わることもあります。

成功報酬は取引が成立していないため原則として発生しませんが、途中段階の費用は戻らない可能性がある点を理解したうえで、契約に進むようにしましょう。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

M&A仲介手数料の計算方法は?

成功報酬をはじめとするM&A仲介手数料は、「どのような基準で計算されているのかがわかりにくい」と感じられる方も少なくありません。

ここでは、代表的な計算方法を整理してご紹介します。

  • レーマン方式による計算
  • 成功報酬の計算基準

具体例を挙げながら解説しますので、まずはなんとなくでもイメージしてみてください。

レーマン方式による計算

「レーマン方式」とは、取引金額を一定の区分に分け、区分ごとに異なる料率をかけて成功報酬を算出する計算方法です。

代表的な例では、5億円までの部分に5%、5億円超10億円までの部分に4%というように、金額が大きくなるほど料率が段階的に下がる設計になっています。

例えば、譲渡価格が8億円の会社を譲渡するケースを考えてみましょう。

レーマン方式による計算のイメージ画像

この場合、最初の5億円には5%をかけて2,500万円、残りの3億円には4%をかけて1,200万円と計算し、両者を合計した3,700万円が成功報酬となります。

取引金額の合計8億円にそのまま5%をかけた4,000万円とは、異なる金額になる点に注意しましょう。

成功報酬の計算基準

同じ「成功報酬5%」という条件であっても、何を基準に計算するかによって最終的な金額は大きく変わります。

基準には、株式の譲渡価格そのものを用いる「譲渡対価ベース」のほか、借入金などの負債を含めた「移動総資産ベース」、企業価値を用いる「企業価値ベース」などがあります。

例えば、譲渡価格が5,000万円、会社の借入金が3,000万円ある会社の場合を例に挙げてみましょう。

成功報酬の計算基準のイメージ画像

譲渡対価ベースでは5,000万円に対して料率がかかるのに対し、移動総資産ベースでは借入金を加えた8,000万円に対して料率がかかるため、成功報酬にも150万円の差が生じることになります。

見積書を確認する際は、料率だけでなく、どの金額を基準にしているのかもあわせて確認することが大切です。

M&Aにおける売り手側の手数料相場」については、別記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

M&A仲介手数料が高いと感じるのはなぜ?

M&A仲介手数料が高いと感じるのには、いくつかの理由が重なっていると言えるでしょう。

まず、多くの仲介会社では、譲渡価格に関わらず一定の最低手数料を設定しています。

そのため、会社の規模が小さく譲渡価格が低い案件ほど、支払う手数料の割合が実質的に重くなりやすいという事情があります。

また、ひとつの仲介会社が売り手と買い手の双方から手数料を受け取る仕組みになっている点にも注意が必要です。

中小企業庁が公表した、中小M&Aガイドライン改訂に関する資料では、仲介会社にとって売り手とは一度きりの関係であるのに対し、買い手は今後も繰り返し取引をおこなう関係になりやすいことが指摘されています。

そのため、条件交渉の場面で、買い手側の意向が強く反映されやすくなる可能性がある点も理解しておくとよいでしょう。 

さらに、着手金・中間金・成功報酬といった費用が段階的に発生する仕組みも、総額をわかりにくくしている一因だと言えます。

一つひとつの金額は大きく見えなくても、積み重なることで想定より高額になるケースも少なくありません。

ですが、こうした仕組みをあらかじめ理解しておくことで、見積もりの内訳を落ち着いて確認しやすくなるはずです。

M&A仲介手数料の会計・税務処理は?

M&A仲介手数料は、譲渡の方法によっても、会計や税務処理の扱いが異なります。

ここでは代表的なケースを整理してご紹介します。

  • 株式譲渡の場合
  • 事業譲渡の場合
  • 付随費用・消費税の扱い

具体的に解説していきますので、それぞれ見ていきましょう。

株式譲渡の場合

株式譲渡において、売り手であるオーナー経営者(個人株主)が支払う仲介手数料は、株式の譲渡益を計算するうえで差し引く費用として扱われます。

国税庁の「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」では、譲渡所得等の金額は次のとおり計算するとされており、仲介手数料もこの委託手数料等に含まれます。

総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)

例えば、1億円で自社株式を譲渡し、仲介手数料として500万円を支払った場合、この500万円分だけ課税対象となる譲渡所得を圧縮できることになるのです。

株式譲渡の場合の会計・税務処理のイメージ画像

手元に残る金額を把握するためにも、仲介手数料は税引き後の手取り額を試算するうえで欠かせない要素だと言えるでしょう。

ただし、持株会社など売り手が法人株主である場合は、所得税ではなく法人税の計算ルールが適用され、仲介手数料は法人税法上の譲渡損益の計算において費用として扱われます。

個人株主か法人株主かによって根拠となる規定が異なりますので、自社のケースがどちらに該当するかを確認しておくことが大切です。

なお、買い手側が支払う仲介手数料は、法人税法施行令第119条により株式の取得価額に含めて処理するのが原則とされています。

買い手側の処理方法によって交渉の進め方が変わることは少ないものの、参考として押さえておくのがおすすめです。

事業譲渡の場合

事業譲渡の場合は、譲渡対価を受け取るのが会社そのものになるため、法人税の課税対象も会社となります。

売り手企業にとっては、仲介手数料が譲渡損益を計算するうえでの費用として扱われるため、株式譲渡のように経営者個人の譲渡所得として税金が課される場面は生じません。

また、国税庁が示す「資産の譲渡の具体例」によると、事業に用いている建物・機械・備品などを譲渡する場合は消費税の課税対象となります。

一方、株式譲渡では同じく国税庁の「非課税となる取引」にあるとおり、有価証券の譲渡は非課税取引とされているため、どちらの手法を選ぶかによって手元に残る金額の見通しも変わってくる点に注意が必要です。

付随費用・消費税の扱い

デューデリジェンス費用などの付随費用についても、株式譲渡においては取得価額に含めることが原則とされています。

ただし国税庁の法人税基本通達では、有価証券の購入のために要した費用について、通信費や名義書換料の額を含めないことができるとされています。

これは主に買い手側の処理に関わる部分ですが、売り手としても、買い手側の費用構造を理解しておくと、交渉の際の視点が広がるでしょう。

また、売り手が支払う仲介手数料には消費税が課されるため、課税事業者であれば仕入税額控除の対象となるかどうかを、税理士にあわせて確認しておくと安心です。

別記事では、「事業承継での税理士の費用相場」についてもまとめていますので、こちらも参考にしてください。

TORUTE株式会社でも、仲介手数料やその処理方法なども含め、事業承継全体のご相談を受け付けております。

他の専門家とも連携しながら、ワンストップでスムーズな承継を実現するお手伝いをさせていただいていますので、ぜひ一度お問い合わせください。

TORUTE株式会社のバナー画像

M&A仲介手数料を比較するときの4つのポイント

M&A仲介手数料は、単に料率の数字を比べるだけでは、実際の負担額や納得感を正しく判断できません。

ここでは、仲介手数料そのものを比較する際に押さえておきたいポイントとして、次の4つをご紹介します。

  • 手数料の総額と支援範囲
  • 支払時期と不成立時の費用
  • 契約条件と利益相反への対応
  • 登録支援機関の手数料と実績

事前に把握しておくことで、判断しやすくなるはずですので、詳しくみていきましょう。

手数料の総額と支援範囲

まずは成功報酬の料率だけでなく、着手金や中間金を含めた手数料の総額で判断することが大切です。

同じ料率であっても、その手数料に企業概要書の作成・買い手候補の選定・クロージングまでの支援がどこまで含まれているかによって、実質的な費用対効果は大きく変わってきます。

契約前に、どこまでの範囲が手数料に含まれているのかを確認するようにしてください。

支払時期と不成立時の費用

次に、手数料は契約後どのタイミングで発生するのかという支払時期を比較しておく必要があります。

基本合意の締結時に中間金が発生するのか、最終契約の完了まで発生しないのかによって、資金計画への影響も変わってきます。

また、M&Aの不成立時には、どの費用が返金され、どの費用が戻らないのかもあわせて把握しておくと、想定外の負担を避けやすくなるでしょう。

契約条件と利益相反への対応

手数料の金額だけでなく、その算定基準がどこまで明確に開示されているかも比較のポイントです。

中小企業庁が公表した中小M&Aガイドライン改訂に関する資料では、仲介・FA手数料の算定基準について契約前に十分な説明を受けられなかったというトラブルが課題として指摘されています。

そのため、契約前に手数料の算定基準や利益相反への対応方針について、書面で丁寧な説明を受けられるかどうかを確認しておくようにしてください。

また、専任契約の期間や解除条件についても、あわせて目を通しておくと安心できるでしょう。 

登録支援機関の手数料と実績

中小企業庁のデータベースでは、登録された各支援機関の最低手数料の水準や報酬基準額の種類などを検索できる仕組みが整備されています。

提示された手数料が適正な水準かどうかを判断する材料として、こうした公的なデータベースで他の支援機関の手数料体系と比較しておくのがおすすめです。

あわせて、各支援機関のこれまでの成約実績や対応してきた業種について確認しておくのもよいでしょう。

手数料の水準だけでなく、自社の状況に合った支援を受けられるかどうかを見極めやすくなります。

M&A仲介手数料を抑える方法は?

M&A仲介手数料を抑える方法のイメージ画像

ここまで見てきたように、仲介手数料にはさまざまな費用や計算方法があり、決して安くはない金額になることもあります。

しかし、進め方を工夫することで、手数料の負担を抑えられる場合があると言えるでしょう。

ここでは、M&A仲介手数料を抑える方法として、次の3つの方法をご紹介します。

  • 複数社から見積もりを取る
  • 公的支援やマッチングを活用する
  • 事業承継・M&A補助金を活用する

具体的に解説しますので、イメージしながら読み進めてみてください。

複数社から見積もりを取る

仲介会社やFAを選ぶ際、最初から一社に絞らず、複数から見積もりを取ることで、料率や最低手数料の水準を比較しやすくなります。

例えば、最初に相談したA社では成功報酬率5%・最低手数料500万円という条件だったとします。

ですが他の2社にも見積もりを依頼したところ、B社では最低手数料が300万円程度に抑えられ、C社では着手金が無料になっているなど、条件に差が見られるケースは珍しくありません。

事業承継は多くの経営者にとって一度きりの大きな出来事ですので、最初の面談で決めてしまうのではなく、時間をかけて条件や説明内容を落ち着いて見比べることをおすすめします。

公的支援やマッチングを活用する

M&A仲介手数料を抑えるためには、公的な相談窓口やマッチング支援を活用するのもひとつの方法です。

国が全国に設置している「事業承継・引継ぎ支援センター」では、初回相談は原則無料で対応しており、専門家費用が発生する場合には事前に説明を受けられる仕組みになっています。

そのため、まずは全体像を把握するための入口として活用してみるのもおすすめです。

公的機関のマッチング支援を組み合わせることで、最初から民間仲介会社のみに依頼する場合と比べ、手数料の負担を抑えながら承継を進められる可能性があります。

事業承継のマッチング支援」については、別記事で詳しく解説しています。

事業承継・M&A補助金を活用する

事業承継・M&A補助金」とは、事業承継やM&Aにかかる専門家費用などを国が一部補助してくれる制度です。

「専門家活用枠」では、デューデリジェンス費用や仲介手数料などが補助対象となっています。

仲介手数料の一部を補助金でまかなえれば、実質的な自己負担を軽減できる可能性があるでしょう。

ですが、小規模事業者向けの類型が設けられていることもあり、案件の規模に応じて活用できるかどうかは変わってきます。

そのため、申請を検討する際は、早めに最新の公募要領を確認しておくようにしてください。

別記事では、2026年の最新版として「事業承継に使える補助金や対象経費」をまとめていますので、こちらも参考にしてください。

事業承継のサポートは「TORUTE株式会社」へ

TORUTE株式会社への相談をイメージした画像

ここまで、仲介手数料の相場・計算方法・会計処理について、ご紹介してきました。

ただ、実際に提示された見積もりが妥当かどうかをおひとりで判断するのは、決して簡単なことではないと思います。

特に、レーマン方式の計算基準や契約条件は仲介会社によって異なるため、専門家の視点も交えながら確認できると安心です。

TORUTE株式会社では、弁護士が中心となって事業承継やM&Aに関するご相談を承っております。

必要に応じて仲介会社や税理士などの専門家とも連携しながら、経営者さまの想いに寄り添った形で承継が実現できるよう、サポートさせていただいています。

初回のご相談は無料ですので、ご不安がある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

事業承継をスムーズに進められる、「事業承継に役立つ無料マニュアル【完全版】」もプレゼントしています。

\事業承継、何から始めるか迷ったら/

まとめ

事業承継の仲介手数料は、決してわかりやすい仕組みとは言えません。

しかし、費用の内訳や計算方法を知っているかどうかで、見積もりを受け取ったときの安心感は大きく変わってきます。

複数社を比較し、公的支援や補助金も上手に活用しながら、納得できる条件を見極めていくことが大切です。

これまで大切に育ててこられた会社を、どのような形で次の世代へつないでいくかという決断に、正解はひとつではありません。

だからこそ、まずは情報を整理し、信頼できる相談先を見つけることから始めてみてはいかがでしょうか。

まずはお気軽にご連絡ください

0120-055-737

受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)

コラム一覧に戻る