事業承継補助金の対象経費は?枠組みごとのルールや金額・認められない例も紹介!
事業承継の準備を進めるなかで、事業承継補助金は「老朽化した設備を新しくする費用は対象になる?」「M&Aの仲介手数料は補助してもらえる?」「会社をたたむときの解体費用も使える?」などと悩む方は多いのではないでしょうか。
せっかくの補助金をうまく活用したいと思っても、どこまでが対象経費なのかわかりづらく、不安を感じる経営者も少なくありません。
実際、思い込みで申請を進めたことで対象外経費を計上してしまい、あとで修正が必要になるケースもあります。
そこで本記事では、事業承継補助金の対象経費をわかりやすく整理し、枠ごとのルール・補助率・上限額や「認められない経費」の例までを解説します。
申請で失敗しないためのポイントもあわせてご紹介しますので、参考にしてください。

目次
この記事を監修した弁護士
西田 幸広 法律事務所Si-Law代表
弁護士・法律事務所Si-Law/(株)TORUTE代表・西田幸広 熊本県を中心に企業顧問70社、月間取扱160件以上(2025年8月時点)。登録3,600社・20超業種を支援し、M&A・事業承継を強みとする。弁護士・司法書士・社労士・土地家屋調査士の資格保有。YouTubeやメルマガで実務解説・監修/寄稿多数。LINE登録特典で「事業承継まるわかりマニュアル」提供。
事業承継補助金の対象経費のルールとは
事業承継・M&A補助金は、取り組みの内容によって以下の4つの枠に分かれています。

それぞれの枠で、対象となる経費・補助率・上限額が異なりますが、共通して求められるのは以下のような内容です。
- 補助事業の目的に沿っていること
- 証拠書類で確認できること
- 交付決定後に契約・支出・納品まで完了させること
また、一般的な相場を大きく超える価格や誰にでも使えるような汎用性の高い物品は、対象として認められにくい傾向があります。
「枠」で決まる経費の種類と費目分類
事業承継・M&A補助金は、「会社のどんな段階で、何を解決したいのか」によって活用できる枠が変わります。
そして4つの枠で対象となる費目は、以下のとおりです。
| 主な対象経費 | 補足説明 | |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 設備費・原材料費・産業財産権関連費・謝金・旅費・マーケティング調査費・広報費・外注費・委託費など | 承継後の成長投資を目的とした設備更新や販路開拓の費用などが対象 |
| 専門家活用枠 | 謝金・旅費・外注費・委託費(登録機関の仲介・FA手数料など)・システム利用料・表明保証保険料など | M&Aに関わる専門家への報酬や、デューデリジェンス費用、契約関連の保険料などが対象 |
| PMI推進枠 | 【専門家活用類型】統合計画づくり・組織設計・人事や会計やシステム統合などの専門家費用など | M&A成立後に会社を統合・運営していくための枠で、専門家の支援を受けて組織を整える費用のほか、統合を実現するための設備投資なども対象 |
| 【事業統合投資類型】統合後の設備やITシステム導入・データ移行・業務効率化投資など | ||
| 廃業・再チャレンジ枠 | 廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・原状回復費・リース解約費・移転や移設費など | 承継が難しい場合の廃業費用や、新しい事業に挑戦するための再スタート支援として利用可能 |
まずは今の状況に合った枠を選び、そのなかで使える費用を整理しておくと、申請もスムーズに進められるでしょう。
それぞれの枠について、具体的にどのような経費が対象になるのかを詳しく解説します。
事業承継促進枠の対象経費
「事業承継促進枠」は、今後5年以内に親族や従業員へ事業を引き継ぐ予定がある中小企業が対象です。
単に事業を引き継ぐだけでなく、「承継をきっかけに会社を成長させるための投資を支援する枠」と考えるとわかりやすいでしょう。
申請をするときに大切なのは、「誰に・いつ・どのように会社を引き継ぐのか」、そして「その投資がどんな成果につながるのか」をしっかり説明することだと考えます。
数字や根拠を添えて計画を立てておくと、審査でも伝わりやすくなるはずです。
この枠で使える経費には、大きく分けて以下のようなものがあります。
- 設備・システムの導入費用
- 広告宣伝・販促費
- その他の補助対象経費
それぞれの内容を、具体的に見ていきましょう。
設備・システムの導入費用
まず、古い機械や設備を新しくしたり、作業を効率化するためのシステムを導入したりする費用が対象になります。
- 生産ラインの入れ替え
- 検査装置の導入
- 在庫や売上を管理するITシステム
- ネット販売のためのECサイト など
目的は「修理」や「維持」ではなく、会社をより良くするための前向きな投資であることです。
「作業時間が短くなる」「不良品が減る」など、効果を数字で示せると申請が通りやすくなるでしょう。
特許や商標の取得にかかる費用も、対象になることがあります。
広告宣伝・販促費
会社や商品を広く知ってもらうための費用も、補助の対象です。
- インターネット広告
- 展示会への出展
- パンフレットや動画の制作
- ホームページのリニューアル など
申請の際は、「新しい顧客を増やす」「取引先を広げる」など、「この広告で何を目指すのか」をはっきりしておきましょう。
効果を確かめるために、「問い合わせ件数」や「売上の伸び」といった目標を決めておくのがおすすめです。
ただし会社名入りのノベルティを大量に配ったり、内容が曖昧な一般広告を出したりする場合は、補助の対象にならないことがあります。
その他の補助対象経費
広告や設備以外にも、外部の専門家に依頼する費用や、市場調査・試作品づくりなどの経費も対象になります。
例えば、「新商品の反応を調べる」「製品デザインを改良する」などが該当します。
また、専門家への謝礼や商談・展示会への出張費なども認められることがあるでしょう。
一方で、社員の給料や日常の通勤費などは補助の対象になりません。
材料を使う場合は、新商品を試しに作るときなど少量のテスト製造に使う分だけが対象となり、本格的な量産のための材料費は補助の対象外です。
専門家活用枠の対象経費
「専門家活用枠」は、会社の売買や事業の引き継ぎなどのM&Aを進めるときに発生する、専門家への費用を補助する制度です。
売り手・買い手のどちら側でも使え、主に次のような費用が対象となります。
- M&A仲介・FA費用
- デューデリジェンスや調査にかかる費用
- M&A関連のシステム利用料・謝金
それぞれの内容を順に解説します。
M&A仲介・FA費用
まず、M&Aを進める際に支払う仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)への費用が対象です。
相談料・着手金・中間金・成功報酬などが該当します。
ただし、親族間の引き継ぎやグループ会社内の再編など、外部への承継がない場合は対象外なので注意しましょう。
また、仲介やFAに依頼する場合は、「中小M&A支援機関」に登録された業者であることが条件となります。
デューデリジェンスや調査にかかる費用
M&Aの前に、「デューデリジェンス」という会社の状態を確認するための調査をおこなうことがあります。
これは財務・法務・人事・ITなどを専門家が調べるもので、こうした調査費用も補助の対象です。
買い手の場合は、デューデリジェンスをおこなうことで補助上限額が引き上げられるケースもあります。
見積書には、どのような調査をいつまでにおこない、どのような報告書を出すのかをはっきり書いてもらうと安心でしょう。
また、他の専門家から意見をもらう「セカンドオピニオン」にかかる費用も対象になります。
M&A関連のシステム利用料・謝金
M&Aを進める過程では、機密情報を共有したり契約を電子で結んだりするためのツールを使うことがあり、こうしたシステム利用料も補助の対象です。
例えば以下のものが該当します。
- 企業価値を算出するツール
- データルーム(VDR)
- 電子契約サービス
- 情報共有システム など
また、交渉や契約のために専門家へ支払う謝金や旅費も、必要な範囲で認められます。
さらに、買収後のトラブルに備える「表明保証保険」の保険料も対象なので、M&Aのリスクを減らすための備えとして検討しておくとよいでしょう。
PMI推進枠の対象経費
「PMI推進枠」は、会社を譲渡したあとにおこなう統合の準備や調整を支援する制度です。
M&Aは「売却して終わり」ではなく、引き継ぎ後も従業員が安心して働ける体制を整えることが、売り手にとって大切な役割のひとつです。
この枠では、そうした統合の準備や調整を買い手と一緒に進める際に必要となる費用の一部を支援してもらえます。
対象となる主な経費は、次の2つです。
- 組織・システム統合にかかる専門家費用
- 専門家を活用した計画策定と運用費
それぞれの内容を、順に見ていきましょう。
組織・システム統合にかかる専門家費用
会社を引き継いだあとは、買い手企業と経営ルールや業務のやり方を揃えていく必要があります。
例えば、権限の引き渡し方・会計処理の方法・在庫や販売の管理体制などです。
こうした調整を専門家に手伝ってもらうための費用が、この枠で支援されます。
また、人事制度や評価の仕組みを一本化する作業も重要になるでしょう。
従業員にとっては、待遇がどう変わるのかという不安が大きい部分なので、説明会や面談など、社員との話し合いの場を設ける費用も対象になります。
売り手としては、「会社を譲ったあとも社員が安心して働けるようにしたい」という想いがあるはずです。
そうした想いを、統合プロセスのなかでしっかり形にしていく支援が、この枠の目的でもあります。
専門家を活用した計画策定と運用費
M&A後は、思っていた以上に多くの調整が必要になります。
だからこそ、定期的に統合の進み具合を確認し、必要に応じて見直す仕組みをつくっておくことが大切と言えるでしょう。
例えば、月ごとの進捗確認・課題の共有・改善のための会議体づくりなどを、外部の専門家と一緒におこなう費用が対象になります。
システムの統合作業を依頼する場合には、何をどう移行するかという要件定義とテスト作業を分けて見積もるなど、計画の妥当性を明確にしておくと信頼性が高まるはずです。
これらの準備をしっかり整えておくことで、買い手企業との統合がスムーズに進み、従業員の不安も軽減されるでしょう。
廃業・再チャレンジ枠の対象経費
「やむを得ず事業を閉じることになった」「承継の話がうまく進まなかった」といったときに、次の一歩を踏み出すための支援を受けられるのが、この「廃業・再チャレンジ枠」です。
会社をたたむ際の費用負担を軽くするほか、将来の再スタートに備えた準備までを支援してもらえます。
また、この枠は単独での申請に加え、他の枠と組み合わせることで補助上限を引き上げられる仕組みもあります。
事業を閉じる決断は簡単ではありませんが、丁寧な準備があれば、その後の再出発につながるはずです。
- 廃業にかかる費用の補助
- 新規事業費用の適用
対象となる2つの主な経費についてご紹介します。
廃業にかかる費用の補助
この枠では、廃業に直接かかる費用の一部を補助してもらえます。
代表的な対象は、以下のとおりです。
- 廃業登記費
- 在庫や備品の処分費
- 建物の解体費
- 原状回復費
- リース契約の解約費 など
例えば、工場や店舗を閉める際に必要となる設備の撤去や建物の片づけ費用、リース契約を途中で終了するための違約金や解約手数料も含まれます。
これらは事業をきちんと締めくくるために欠かせない支出として位置づけられているので、対象となるかどうかは、「廃業に直接関係するか」が判断の基準です。
補助対象を整理しながら、どの経費が該当するのかを早めに確認しておくとよいでしょう。
新規事業費用の適用
次の事業に向けて、再スタートを切るための費用も支援されます。
代表的なのが、設備や機械の移転・移設費用です。
例えば、旧工場を閉鎖して別の地域に拠点を構える場合や、店舗を移転して新たに営業を始める場合などが該当するでしょう。
これらは「再チャレンジに必要な準備費用」として認められ、撤去から再稼働までの流れを明確に示した計画が求められます。
また、金融機関の再挑戦支援や自治体の創業支援制度などと組み合わせて活用することで、
資金負担を抑えながら安定した再出発がしやすくなるはずです。
以下の記事では、事業承継補助金は親子間でも対象になるのかを解説しています。
関連記事:事業承継補助金は親子間でも対象?要件や申請方法・利用するときの難易度も解説!
補助対象として認められない経費の例は?

補助対象として認められない経費には、いくつか共通の特徴があります。
例えば、交付決定前に契約や発注・支払い・納品をおこなったものや、相場を大きく超える価格設定のものは認められません。
また、以下のようなものも対象外です。
- 汎用的な物品を大量に購入するケース
- 社内人件費
- 通常の光熱費
- 通信費
- 税金
- 社会保険料
- 飲食費
- 接待費
- 車両の購入費 など
さらに、同じグループ会社のなかで事業をまとめ直すだけの再編や、外部の第三者へ事業を引き継がない親族間だけの承継も、補助の対象にはなりません。
あくまで「事業をしっかり引き継ぎ、次の発展につなげる取り組み」であることが前提となります。
対象となる経費が把握しにくい場合は、お気軽にTORUTE株式会社にご相談ください。

事業承継・M&A補助金の補助率と上限額
事業承継・M&A補助金の補助率や上限額は、申請する枠や公募回によって異なります。
ここでは、2025年8月22日〜9月19日に募集された第12次公募を例に挙げてご紹介します。
【第12次公募の場合】
| 補助率 | 上限額 | |
|---|---|---|
| 事業承継促進枠 | 原則2分の1・小規模事業者などは3分の2 | 800万円〜1,000万円(賃上げ要件で最大1,000万円) |
| 専門家活用枠(買い手支援類型) | 3分の1・2分の1・3分の2(条件により変動) | 通常600万円〜800万円・最大2,000万円(100億円企業特例の場合) |
| 専門家活用枠(売り手支援類型) | 原則2分の1・条件により3分の2 | 600万円〜800万円 |
| PMI推進枠(専門家活用類型) | 2分の1 | 上限150万円 |
| PMI推進枠(事業統合投資類型) | 2分の1・条件により3分の2 | 800万円〜1,000万円(賃上げ要件で最大1,000万円)(賃上げ要件で上限UP) |
| 廃業・再チャレンジ枠 | 原則2分の1・小規模事業者などは3分の2 | 上限150万円 |
参考:中小企業庁|事業承継・M&A補助金(十二次公募)の公募要領
会社を譲る立場であっても、譲渡までの準備費用や専門家への依頼費用は決して小さくありません。
どの枠を使えば最も効果的かは、認定支援機関や専門家に早めに相談しておきましょう。
事業承継・M&A補助金は何回まで申請できる?
事業承継・M&A補助金は、同じ年度内での重複申請や、同一内容での二重申請はできません。
ただし、年度が変わったり別の枠で新たな取り組みをおこなう場合は、再申請できる可能性があります。
その際は、過去に採択された事業との整合性や、経費の重複がないかを慎重に確認しておきましょう。
過去に補助を受けた企業ほど、申請内容の説明責任は重くなる傾向にあると言えます。
経費申請で失敗しないための5つのポイント

せっかく申請が採択されても、経費の扱い方を間違えると、補助金が交付されないことがあります。
特に事業承継・M&A補助金は、申請から実績報告までの流れが長く、書類や経費処理のミスが起きやすい制度と考えます。
ここでは、経費申請でトラブルを防ぐための注意点を5つにまとめました。
- 間接経費の処理に気をつける
- 交付決定前の事前着手は絶対にしない
- 汎用性の高い経費や不当な価格の経費は避ける
- 証拠書類は要件を満たして確実に保管する
- 補助事業終了後は実績報告を厳密におこなう
どれも現場で実際に見落としやすいポイントになるので、詳しく解説します。
間接経費の処理に気をつける
プリンターやパソコン・汎用工具・清掃用品といった「どの事業でも使える備品」は、対象外になりやすい費目です。
その経費が補助事業に直接関係していることを証明できるかが、重要になります。
計上する際はどの業務で使うのかをメモに残し、相見積もりや仕様比較表を用意して価格が妥当であることを示すと、審査もスムーズに進むはずです。
交付決定前の事前着手は絶対にしない
申請でトラブルが多くなるのが、「前倒し発注」です。
交付決定日前に契約・支出・納品をおこなったものは、原則として補助対象になりません。
公募スケジュールから逆算して、社内で「交付決定までは発注や支払いを控えるルール」をつくっておくと安全です。
焦らず、正式な決定を待ってから進めるようにしましょう。
汎用性の高い経費や価格が不当な経費は避ける
「誰が使っても同じ効果のある備品」や「相場より極端に高い見積もり」は、補助対象として認められにくい傾向があります。
審査では、その経費が本当に必要か、価格が妥当かの両面が確認されます。
仕様・数量・性能の根拠を整理し、必要な範囲にとどめた見積もりを意識するとよいでしょう。
また、見積書や価格調査の記録は、日付を入れて保管しておくと実績報告の際に役立つはずです。
証拠書類は要件を満たして確実に保管する
補助金の経費は、「いつ・何に使ったのか」をきちんと証明できなければ認められません。
- 契約書
- 注文書
- 納品書
- 請求書
- 振込明細
- 検収記録
- 写真 など
これらの書類を案件ごとに整理して、保管しておきましょう。
電子帳簿保存法やインボイス制度の要件に沿って管理しておくと、あとからの修正や確認の手間を減らせます。
また、クラウドのデータルーム(VDR)や電子契約サービスを活用すれば、監査や書類確認の際もスムーズに対応できるでしょう。
補助事業終了後は実績報告を厳密におこなう
補助金の採択は「終わり」ではなく、実績報告を終えて初めて補助金が支払われる、いわば次のステップの始まりと考えます。
売上・利益・歩留まり・受注単価などの成果指標は、事業を始める前に決めておくとよいでしょう。
終了後はできるだけ早く測定し、成果を数値で示すことが大切です。
もし途中で計画を変更した場合は、その経緯と変更承認の記録を添えて報告書にまとめておくのがおすすめです。
一つひとつ丁寧に対応していくことで、次の申請や信頼にもつながります。
これらの5つのポイントを意識しておくと、補助金の申請から交付までがぐっとスムーズになるでしょう。
経費や書類の管理は地味ですが、信頼される経営者ほど丁寧に対応している分野でもあります。
もし迷うことがある場合は、ぜひTORUTE株式会社にご相談ください。

事業承継・M&A補助金の申請方法は?
事業承継・M&A補助金は、毎回の公募ごとに「公募要領」と「申請様式」が公開されます。
申請は、jGrants(Jグランツ)などの電子申請システムを通じておこなうのが基本です。
また、申請内容によっては認定経営革新等支援機関との連携が必要となる場合があるため、早めに相談できる窓口を見つけておくと、手続きがスムーズになるでしょう。
申請書類には、事業計画書・収支計画書・見積書や比較表・体制図・賃上げ方針などが含まれます。
加点項目や要件は公募のたびに細かく見直されますので、最新の公募要領に沿って準備を進めるようにしましょう。
事業承継・M&A補助金の2025年の公募スケジュールは?
2025年は、第11次から第13次まで、例年よりも公募回数が多く実施されました。
各回で募集される4つの枠の構成は共通していますが、募集要件・加点項目・補助率などが回ごとに微調整されています。
以下は、2025年におこなわれた主な公募受付スケジュールです。
- 第11次公募:2025年5月9日〜6月6日
- 第12次公募:2025年8月22日〜9月19日
- 第13次公募:2025年10月31日〜11月28日
2025年度の特徴は、「M&Aの実施後まで補助対象を拡大する流れ」が一層強まったという点です。
事業の引継ぎを「ゴール」ではなく「スタート」ととらえ、買い手・売り手双方の安定経営を支援する方向へと制度が進化していると考えます。
また、売り手側では「事業承継促進枠」で設備更新や販路開拓をおこない、そのあと「PMI推進枠」で体制整備をおこなうといった複数枠の組み合わせ活用も増えています。
これは、「安心して譲りたい」「引き継いだ後も会社を続けてほしい」という経営者の思いに寄り添った仕組みと言えるでしょう。
事業承継・M&A補助金の今後の公募時期は?
事業承継・M&A補助金はここ数年、5月前後から年末にかけて複数回の公募が実施されている傾向があるため、今後もおおよそ同じペースでの公募が想定されます。
そのため、募集が始まってから慌てて準備するのではなく、あらかじめ事業計画・見積書・体制図などを整えておくことが望ましいでしょう。
またここ数年の流れを見ると、今後は次のような方向性がより強まると考えられます。
・PMIや再チャレンジ支援の重視
事業承継を「終わり」ではなく「成長のはじまり」として支援する流れ
・デジタル化・生産性向上への支援拡大
システム移行・IoT導入・EC化など、DXをともなう取組みが高く評価される傾向
・地域や雇用維持を重視した採択方針
地域の事業や雇用を守る取り組みを優先的に支援する動き
単なる承継支援にとどまらず、次世代に向けた「企業の再成長」を後押しする制度へと発展していると言えるでしょう。
こうした傾向を踏まえて準備を進めながら、今後の募集スケジュールを定期的に確認するようにしてください。
事業承継に使える補助金のスケジュールや申請方法については、以下の記事でも解説しています。
関連記事:事業承継に使える補助金は?2025年度のスケジュールや申請方法・対象経費なども解説!
事業承継・M&A補助金の申請準備は「TORUTE株式会社」へ

事業承継・M&A補助金は、上手に活用できれば、設備投資・広告宣伝・専門家費用などの負担を大きく減らせる心強い制度です。
一方で、対象経費の範囲や申請手続きには細かなルールがあり、「どこまで認められるのか」「何をどう準備すればいいのか」と迷われる方も少なくありません。
TORUTE株式会社では、他の専門家とも連携しながら、事業承継の計画づくり・補助金申請・実行支援までを丁寧にサポートさせていただいています。
単に書類を整えるだけでなく、「あなたの会社のこれから」に寄り添う支援を大切にしていますので、初めての方でも安心してお話しいただけるかと思います。
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補助金を上手に活かしながら、次の世代へ会社をしっかりつなげていくお手伝いをさせていただけますと幸いです。
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まとめ
事業承継・M&A補助金の対象経費は、まずどの「枠」に申請するかによって決まります。
- 事業承継促進枠:設備導入や広告宣伝などの投資
- 専門家活用枠:M&A仲介料やデューデリジェンスなどの調査費用
- PMI推進枠:統合支援や専門家への委託費
- 廃業・再チャレンジ枠:廃業にともなう解体・処分などの整理費用
補助率や上限額は枠ごとに異なり、条件によって加算や特例が設けられています。
一方で、交付決定前の契約や相場を超える見積もり、誰でも使える汎用品の購入などは対象外となるため注意が必要です。
証拠書類の整理や管理を早めに始めておくと、申請もスムーズに進められるでしょう。
制度の仕組みを正しく理解し、準備を丁寧に進めれば、承継と新しい成長の両立は実現できるはずです。
焦らず、今日できることから一歩ずつ進めていきましょう。
まずはお気軽にご連絡ください
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