九州地方で事業承継を成功させるには?7県の特徴や支援制度・広がるM&Aの動きも解説!

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九州地方で事業承継をどのように進めるべきか、はっきりした答えが見えず、漠然とした不安を抱えている経営者の方は少なくありません。

「事業承継は九州全体を視野に入れて考えるべきなのか」「自社にはどんな承継方法が合っているのか」など、判断に迷う場面も多いのではないでしょうか。

特に九州地方は、県ごとに産業構造や人口の状況が異なり、事業承継やM&Aの進み方にも地域差が見られます。

一方で、国や九州経済産業局、各県の事業承継・引継ぎ支援センターなどによる、公的な支援制度や相談窓口は少しずつ整えられてきました。

この記事では、九州地方7県における事業承継の特徴や広がりつつあるM&Aの動き、活用しやすい支援制度、さらに九州全体で事業承継を考えることのメリットをわかりやすく解説しました。

相談先の選び方や専門家との付き合い方についても触れていますので、ご自身の事業承継の姿を重ねながら読み進めていただければ幸いです。

この記事を監修した弁護士

西田 幸広 弁護士

西田 幸広 法律事務所Si-Law代表

弁護士・法律事務所Si-Law/(株)TORUTE代表・西田幸広 熊本県を中心に企業顧問70社、月間取扱160件以上(2025年8月時点)。登録3,600社・20超業種を支援し、M&A・事業承継を強みとする。弁護士・司法書士・社労士・土地家屋調査士の資格保有。YouTubeやメルマガで実務解説・監修/寄稿多数。LINE登録特典で「事業承継まるわかりマニュアル」提供。

事業承継における九州地方の現状とは

九州地方では、事業承継がこれまで以上に重要な経営課題として意識されるようになっていると考えます。

地域全体で経営者の高齢化が進み、「いずれ承継を考えなければならない」と感じながらも、一歩を踏み出せずにいる企業が多いと言えるからです。

中小企業庁が公表している「中小企業白書」でも、全国的に60代以上の経営者が増え続けている事実が示されており、九州も例外ではありません。

事業承継における九州地方の現状をイメージした画像

引用:中小企業庁|事業承継

こうした状況のなかで、「会社を存続させたい」という想いと「誰に託せばよいのか」という迷いが複雑に重なり、判断を先送りにしてしまうケースが少なくないと考えられます。

その一方で、近年は親族内承継だけでなく、従業員承継やM&A(第三者承継)といった選択肢が広がりつつあります。

国や九州経済産業局、各県の事業承継・引継ぎ支援センターなど、公的な相談先も整備され、支援体制が揃いつつあると言えるでしょう。

九州地方の後継者不在率は?

九州地方の後継者不在率を細かく見ていくと、地域ごとの課題がより鮮明になります。

2024年時点で、九州・沖縄地区全体の後継者不在率は52.9%となり、約半数の企業が「次を託す相手が決まっていない」状況です。

県別に目を向けると、各地域で差がみられます。

九州地方の後継者不在率のイメージ画像

参考:帝国データバンク|九州・沖縄地区「後継者不在率」動向調査(2024 年)

九州7県のなかでは、大分県がもっとも高く、6割を超える企業で後継者が不在となっています。

観光業・サービス業・建設業など、地域密着型の産業が多いエリアほど、後継者候補となる人材の確保が難しくなる傾向です。

また、候補者が家族や従業員の中にいても、「覚悟が定まらない」「資金や税負担が心配で承継に踏み切れない」といった心理的な不安が足かせになるケースもよくあります。

こうした状況を踏まえると、九州で事業を続けていくためには自県だけに視野を絞らず、九州全体の支援制度や相談窓口も活用しながら選択肢を広げておくことが大切と言えるでしょう。

後継者不在に関する全国的な現状や、年代・業界別の問題点については、以下の記事でも解説しています。

関連記事:事業承継の後継者不在の現状は?年代・業界別の問題や原因・解決策もまとめて解説!

九州7県の事業承継の特徴とは

九州地方で事業承継を検討する際に欠かせないのは、「県ごとの差」を理解しておくことです。

福岡県のように企業数が多く人材が集まりやすい地域もあれば、中山間部のように人口減少が進み、後継者候補の確保が難しい地域もあります。

こうした条件の違いは、承継方法の選び方や、M&Aの需要にも影響を与えます。

ここでは、九州7県が持つ産業構造や事業承継の傾向を簡単にまとめました。

ご自身の会社の状況と照らし合わせながら、「県境を越えて承継先を探す」という選択肢も視野に入れていただければ、判断の幅が広がりやすくなるでしょう。

福岡県の特徴

福岡県は、2023年の「経済センサス」によると県内に多数の企業が集積しており、企業数・従業員数ともに九州地方で最大の経済圏を形成しています。

企業数や従業員数が多いということは、それだけ「承継を引き受けてくれる相手」や「M&Aの候補」に出会える可能性が広がるということです。

また、福岡県は製造業・小売業・サービス業・スタートアップなど業種の幅が広いため、親族内承継だけでなく「同業者への引継ぎ」「異業種との協力」など、会社を残すための選択肢が自然と増えていくでしょう。

ただ一方で、都市部は人の動きが活発なため、「後継者にと考えていた人が別の会社へ転職してしまう」といったケースも起こりやすくなります。

また、売り手・買い手の候補が多いため、「自社に本当に合う相手なのか」を丁寧に見極める姿勢も不可欠です。

参考:総務省統計局|令和3年経済センサス – 活動調査

佐賀県の特徴

佐賀県の企業数は、福岡県に比べると多くはありませんが、製造業・卸売業・建設業といった、地元に根ざした産業が中心となっています。

こうした地域密着型で長く事業を続けてきた企業では、「親族内承継」や「従業員承継」が選ばれやすい傾向がある、と考えられます。

実際、金融機関や商工会と連携した支援が整いつつあり、承継に向けた相談体制も広がっています。

その一方で、若い世代の県外流出が続いているため、「子どもが将来戻ってくるかわからない」「社内の候補者が最終的に承継を決断できるか不安」といった悩みも少なくありません。

こうした不確実性が、事業承継を進める際の課題になることもあるようです。

長崎県の特徴

長崎県の統計によると、県内企業のうち「卸売・小売業」が約24%を占め、さらに「宿泊・飲食サービス業」「建設業」を加えた上位3つの産業で、全体のほぼ半数になります。

参考:長崎県県民生活環境部統計課|令和 3 年経済センサス

この数字から、長崎県は商店・観光関連事業・飲食業など、地域に根ざしたサービス業が比較的多い地域であると言えるでしょう。

こうした地域では、観光需要の変化や景気の波が後継者問題に影響しやすく、技術の継承以上に「事業を続けられるかどうか」という経営判断が重要な場面も増えてきます。

さらに長崎県は、離島や山間部が多い地形です。

そのため承継の方法としては、地元企業とのM&Aだけでなく、県外企業との連携を含めた「幅広い選択肢」を持っておくことが、事業を守るうえで有効と考えられます。

熊本県の特徴

熊本県には製造業を中心とした「ものづくり企業」が一定数あり、九州全体では第二次産業の割合が低い地域もあるなかで、比較的しっかりした製造業基盤を持つ県とされています。

このような背景から、技術やノウハウを受け継ぐ必要がある企業では、親族内承継だけでなく、同業他社や関連企業との業務提携・統合といったM&Aも選択肢に入りやすくなるでしょう。

また熊本県は九州の中心に位置し、交通アクセスもよいため、県内にこだわらず九州全体でパートナーを探すという発想も有効だと考えられます。

熊本県での事業承継をお考えの方は、以下の記事で相談先や進め方などもわかりやすく解説しているので、参考にしてください。

関連記事:熊本で事業承継をお考えの方!支援制度や補助金・相談先と進め方までを専門家がわかりやすく解説!

大分県の特徴

九州経済産業局が公表している統計では、大分県の製造業の割合が全国平均を上回っていると報告されています。

このことから、大分県は機械・化学・金属などの製造業の企業が、比較的多い地域だと考えられるでしょう。

製造業では取引先との長い付き合いや技術の継承が重要になるため、後継者が見つからない場合には、承継の課題がより深刻になりやすい点が特徴と言えます。

また、大分県は観光業やサービス業も存在する地域のため、建物の老朽化や設備投資をどう計画に組み込むかも、承継を考えるうえで避けて通れないポイントです。

さらに県外からの後継者を受け入れる取り組みも進んでおり、M&Aなど事業の新陳代謝を促す選択肢も検討しやすい環境が整いつつあります。

以下の記事では、大分県で事業承継をお考えの中小企業に向けて、支援メニューなどもご紹介しています。

関連記事:大分県で事業承継をお考えの中小企業は必見!進め方や支援メニュー・相談先をまとめて紹介!

宮崎県の特徴

宮崎県は、農業・畜産業・食品加工などの第一次産業が盛んな一方で、観光業やサービス業の割合も一定数あります。

九州経済産業局の報告によると、九州のなかでも第一次産業と第三次産業の比率が比較的高い地域とされています。

このような産業構造の影響もあり、宮崎県には家族経営や小規模事業者が多い傾向だと言えるでしょう。

そのため、親族が事業を継ぐイメージはしやすいものの、若い世代の県外流出が続いていることやUターンの時期が読めないことが、承継の不確実性につながりやすくなります。

鹿児島県の特徴

鹿児島県は、農林水産業や食品加工業、そして観光業が伝統的に盛んな地域です。

豊かな自然や地形を生かした産業が多く、九州経済産業局のデータでも、第一次産業と第三次産業の割合が相対的に高い傾向が示されています。

こうした地域では、「地元に根ざした事業を続けたい」「地域の雇用や文化を守りたい」という想いが強く、親族内や地域内での承継を望むケースが多いと考えられます。

ただし、離島や中山間地域では人口減少が特に進んでおり、事業の継続には柔軟な発想も必要となるでしょう。

県外企業との連携やM&Aなど、地域の枠を超えた承継方法を選択肢に入れておくことで、事業を残せる可能性が広がります。

参考:中小企業庁|都道府県・大都市別企業数
参考:九州経済産業局|九州経済の現状(2023年版)

TORUTE株式会社は、熊本を拠点に事業承継のサポートをおこなっています。

九州での事業承継に悩む場合は、ぜひ一度ご相談ください。

九州地方で広がるM&A(第三者承継)の動き

九州地方では、親族や従業員に継いでもらう承継方法だけでなく、第三者に会社を引き継ぐ「M&Aによる事業承継」が増えています。

M&A仲介会社の調査では、九州・沖縄地域に関連するM&Aの成約件数が年々伸びており、2024年には過去最多となる85件が報告されました。

なかでも、福岡県に関わる案件が増加をけん引しています。

参考:【M&Aレポート】九州・沖縄地方で過去最多の85件を記録

この背景には、後継者が見つかりにくい企業が増える一方で、九州が持つ技術力・人材・取引ネットワークに価値を感じる企業が、全国から関心を寄せていることがあります。

買い手となるのは、大企業だけではありません。

同業者や取引先、地域の中堅企業など、日頃から関係のある相手が引き継ぎを希望するケースも多く、承継の選択肢が広がる傾向が見られます。

M&Aのメリットは、後継者がいなくても「会社を存続させ、従業員の働く場を守る道」を選べることです。

ただし、社員や取引先への説明・条件の調整・企業価値の評価など専門的な手続きが必要となるため、早めに専門家へ相談しておくのがよいでしょう。

親族内承継にこだわらず、「自社を大切にしてくれる相手に託す」という考え方は、九州でも現実的な選択肢として広がっているため、会社を残す道を広げる意味でも、M&Aも検討しておくのがおすすめです。

事業承継を九州全体で考えるメリットとは

事業承継を九州全体で考えるメリットのイメージ画像

事業承継を検討するとき、多くの方が「自分の県のなかで」後継者や買い手を探しがちです。

しかし県同士の距離が近い九州地方では、視野を九州全体に広げることで、新しい可能性が見つかりやすくなります。

まず、候補者の数が増える点が大きなメリットです。

自県では相性のよい相手が見つからなくても、隣県まで範囲を広げることで、新たなご縁につながることがあります。

また、県ごとの産業の違いが協力効果を生む場合があると言えるでしょう。

例えば、製造業の基盤を持つ熊本と物流拠点として強みを持つ福岡が組むことで、販路拡大や採用面での相乗効果が期待できます。

さらに九州経済産業局や中小機構九州本部など、広域の支援機関が整っているため、県境をまたぐ事業承継やM&Aも相談しやすい環境です。

「県ごとに区切って考える」のではなく、「九州全体をひとつの経済圏」ととらえることで、自社に合った承継方法やパートナーと出会える可能性が高まります。

納得のいく承継を進めるためにも、一度は九州全体を視野に入れて検討してみるとよいでしょう。

九州地方での事業承継にかかる費用は?

事業承継を進める際には一定の費用が必要になるため、まず全体像をつかんでおくと資金計画が立てやすくなります。

代表的な費用として挙げられるのは、次のとおりです。

  • 専門家への相談料(税理士・弁護士・診断士・M&Aアドバイザー)
  • 株式や事業の評価費用
  • 財務・法務などの調査費用(デューデリジェンス)
  • 契約書作成や登記などの法務手続き費用
  • 設備更新やIT投資にかかる費用

費用の内容は、承継方法によっても大きく変わりますが、例えば専門家への依頼費用は、以下の金額が目安として挙げられます。

【費用の目安例】

税理士への相談料顧問契約がある場合は月額報酬に含まれることも。スポット相談は5万円~
株式評価費用20万円~100万円程度
M&A仲介手数料最低報酬額が設定されている場合が多く、成約金額の3%~5%程度が一般的
弁護士費用契約書作成で10万円~、デューデリジェンスで100万円~(規模による)
司法書士への登記費用10万円~30万円程度

(※あくまで一般的な目安であり、事案の規模や複雑さにより大きく異なります。)

親族内承継では、贈与税や相続税への備え、株式を買い取るための資金が課題になりやすいでしょう。

一方でM&Aの場合は、仲介会社への手数料や調査費用が中心になります。

移動コストや地域ごとの事情も考慮したうえで費用の見通しを早めに立て、必要に応じて補助金や融資を組み合わせておくと、負担を軽くできるはずです。

事業承継の費用相場については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:事業承継の費用の相場はどれくらい?税金対策や補助金・誰が負担するのかも解説!

九州地方で使える事業承継の支援制度は?

事業承継を進める際には、国や地域が用意している支援制度を上手に活用すると、費用や手続きの負担を大きく減らせます。

九州で利用しやすい支援制度は、大きく分けると次の3つに分類できます。

  • 国の支援制度
  • 九州経済産業局・中小機構九州の支援制度
  • 各県の事業承継・引継ぎ支援センター

これらの制度は、「どこから相談を始めればよいかわからない」という方でも利用しやすい仕組みが整っていると言えるでしょう。

それぞれの特徴や活用ポイントを順にご紹介します。

国の支援制度

国が用意している代表的な支援制度として、「経営承継円滑化法」と「事業承継税制」があります。

まず、経営承継円滑化法の認定を受けると、次のような承継を進めやすくする措置を利用できます。

【税制支援】

・贈与税・相続税の納税猶予及び免除制度

【金融支援】

・日本政策金融公庫による低利融資の特例

・信用保証協会による信用保証の別枠措置(通常の保証枠とは別に、普通保証2億円、無担保保証8,000万円などの別枠が設けられます)

【民法特例】

・遺留分に関する民法の特例

そして事業承継税制は、一定の条件を満たすことで非上場株式の贈与や相続にかかる税金をほぼ全額猶予し、最終的に免除される場合もあります。

また、「事業承継・M&A補助金」を使えば、設備投資・新事業への挑戦・専門家費用などに対して補助を受けられる可能性があります。

公募要領は、実施年度や公募回によって要領が変わることがあるため、最新情報を確認しながら検討するようにしましょう。

事業承継税制の詳しい要件については、以下の記事でも解説しています。

関連記事:事業承継税制の要件とは?特例措置と一般措置の違いやメリット・デメリットも解説

九州経済産業局・中小機構九州の支援制度

国の制度に加えて、九州地方には「広い地域をまとめて支える」公的機関もあります。

その中心となるのが、「九州経済産業局」と「中小機構九州本部」です。

どちらも、九州全体の中小企業を対象に、事業承継に関する情報提供や相談支援をおこなっています。

九州経済産業局では、国の制度の最新情報・事業承継に役立つセミナー・地域の事例紹介などを発信しており、全体像をつかみたいときに参考になるでしょう。

中小機構九州本部は、各県の「事業承継・引継ぎ支援センター」と連携し、親族内承継からM&Aまで幅広く相談に応じてくれます。

センターを通じて専門家や金融機関も紹介してもらえるため、「どこから手をつけたらよいかわからない」という段階でも相談しやすい仕組みです。

県をまたいだ承継やM&Aにも対応しているため、九州全体を視野に入れて動きたい企業にとって、心強いサポートとなるでしょう。

各県の事業承継・引継ぎ支援センター

九州の7県には、それぞれ公的な相談窓口として「事業承継・引継ぎ支援センター」が設置されています。

どの県でも無料で相談できるため、初めて承継を考える方でも安心して利用できるでしょう。

センターでは、以下のような支援を受けられます。

  • 後継者候補の整理
  • 承継方法の検討や比較
  • 専門家・金融機関の紹介
  • 売り手・買い手企業のマッチング支援

承継を考え始めた初期の段階でも気兼ねなく相談できるため、まずは状況を整理することで、無理のない承継方法を見つけやすくなるはずです。

以下の記事では、事業承継の補助金や助成金についても詳しく解説しています。

関連記事:事業承継の補助金や助成金は?2025年度はいくらもらえるのか・対象経費も解説!

TORUTE株式会社でも、支援制度を活用しながら事業承継のトータルサポートが可能ですので、迷う場合は一度ご相談ください。

九州地方で事業承継を成功させる4つのポイント

九州地方での事業承継を成功させるためには、地域特性を踏まえながら「どの順番で何を考えるか」を整理しておくことが大切です。

特に次の4つの点を意識しておくとよいでしょう。

  1. 1.自社の状況とエリアの選択肢を整理する
  2. 2.相談窓口は県の枠にとらわれない
  3. 3.支援制度を九州地方の例で整理する
  4. 4.九州全域のネットワークを持つ専門家と伴走する

これらはそれぞれ独立したポイントではなく、順番に検討していくことで、事業承継の「全体像」がつかめるようになるはずです。

ここからはこの4つのポイントを、順に詳しく解説します。

自社の状況とエリアの選択肢を整理する

まず大切なのは、自社の状況を把握することです。

業績・財務・設備・技術・人材の状況を書き出し、何を守り何を手放せるのかを見極めてみましょう。

そのうえで、後継者や承継先を「どの範囲で探すのか」も重要になります。

自県に限らず、九州全体まで目を向けると、パートナーの候補は増えます。

例えば、熊本の製造業が福岡の企業と組む、鹿児島の食品関連企業が熊本の販路を利用するといった連携が、実際に力を発揮する場面も多いのです。

相談窓口は県の枠にとらわれない

先にもご紹介した「事業承継・引継ぎ支援センター」は各県にありますが、案件は県境を越えて動くことが珍しくありません。

福岡のセンターが熊本の企業を支援する、鹿児島の案件を大分の買い手が引き受ける、ということも普通に起こります。

そのため、「地元の窓口だけで完結させる必要はない」と考えるとよいでしょう。

まずは身近なセンターや金融機関に相談し、必要に応じて九州経済産業局や中小機構といった広域のネットワークも活用していくのがおすすめです。

支援制度を九州地方の例で整理する

「事業承継税制」や「事業承継・M&A補助金」などの支援制度は便利ですが、内容が複雑で、対象になるのかも判断しづらいものです。

そこで役立つのが、九州地方で実際に活用された事例を参考にする方法です。

「親族内承継に税制を組み合わせた例」「M&Aと設備投資を補助金で支えた例」など、地域の実例を知ると、自社の場合の進め方が描きやすくなります。

九州全域のネットワークを持つ専門家と伴走する

事業承継には、税務・法務・補助金・M&Aなど多くの専門分野が関わるため、経営者がすべてを自力で判断することは決して簡単ではありません。

九州地方の事業承継では、県をまたいで考えていくことも大切になるため、専門家にも幅広いネットワークが求められます。

九州の各県の支援機関や金融機関、士業ネットワークと広くつながりを持つ専門家であれば、県境を越える案件にも柔軟に対応できるでしょう。

承継完了後のサポートまで、長く相談できる専門家を見つけておくと、安心して進められるのでおすすめです。

九州地方で事業承継をする際の相談先の選び方

九州地方で事業承継の相談先の選び方のイメージ画像

事業承継では、経営者おひとりでは判断しきれない場面がどうしても出てきます。

特に九州地方のように、県ごとに産業構造や取引環境が異なるエリアでは、「誰に相談するか」が承継の進み方を大きく左右すると言えるでしょう。

相談先を選ぶ際には、次の3つの視点が大切だと考えます。

  • まず相談先の役割の違いを理解する
  • 「九州全域での実績」があるかを確認する
  • 制度活用から手続きまで一括で任せられるかを確認する

これらのポイントを踏まえて検討すると、自社に合った相談先に出会いやすくなり、安心して承継準備を進められるはずです。

それぞれについて、説明していきます。

まず相談先の役割の違いを理解する

事業承継の相談先には、主に次のような種類があります。

  • 公的機関:事業承継・引継ぎ支援センターや商工会議所、商工会など
  • 金融機関:地域銀行、信用金庫など
  • 士業:税理士、弁護士、司法書士、中小企業診断士など
  • M&A仲介会社、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)

それぞれの役割には、違いがあります。

公的機関は中立的に選択肢を整理し、金融機関は資金面の相談がしやすい立場です。

士業は税務や法務といった専門分野を担当し、M&A仲介会社は第三者承継のマッチングに強みを持ちます。

まずはこうした違いを知り、「どの段階で、どの相談先に頼るべきか」を整理しておくと、迷いが少なくなり、スムーズに進められるでしょう。

「九州全域での実績」があるかを確認する

相談先を選ぶ際は、九州全体での支援実績があるかどうかも確認しておきたいところです。

福岡と離島部、都市部と中山間地域では、事業環境が大きく異なります。

広い地域につながりを持つ専門家や機関であれば、県外の候補先や制度も含めた提案が可能です。

ホームページの事例紹介や、公的機関の評価レポートなどを参考に、「どの県で、どのような案件を担当してきたのか」を確かめておくとよいでしょう。

制度活用から手続きまで一括で任せられるかを確認する

事業承継は、構想づくり・制度活用・契約・登記・承継後のフォローまで、思った以上に長い道のりになります。

例えば計画づくりまでは手伝ってくれても、その後の契約や実行段階は自分で進めなければならない場合、経営者の負担が増えてしまうことが考えられるでしょう。

そのため、計画から実行まで一貫して伴走してくれる相談先を選んでおくと安心です。

特に、事業承継税制や事業承継・M&A補助金を利用する場合は、書類づくりやスケジュール調整が複雑になるため、専門家チームをまとめてくれるパートナーが心強い存在になります。

手続きを任せられる環境が整うほど、経営者は「会社の未来をどうするか」という本質的な判断に集中しやすくなるはずです。

事業承継の相談先の役割や費用については、以下の記事でも深掘りしているので参考にしてください。

関連記事:事業承継の相談先10選を紹介!相談費用は無料なのか・選び方のポイントも解説!

事業承継のご相談は「TORUTE株式会社」へ

TORUTE株式会社への相談をイメージした画像

九州地方で事業承継を考えると、県ごとの事情や制度の違いもあり、「どこに相談すればよいのか」と迷う方が多くいらっしゃいます。

承継方法の判断や税制・補助金の活用など、検討する内容が多岐にわたるため、不安を抱かれるのは自然なことでしょう。

TORUTE株式会社では、そんな経営者さまに寄り添い、さまざまな専門家と連携しながら九州の事業承継・M&A支援をおこなっております。

熊本を拠点に、県境を越えたパートナー探しはもちろん、株式対策や制度活用まで幅広くサポートさせていただいています。

「まずは現状を整理したい」「家族や社員にどう伝えるべきか悩んでいる」というような初期段階のご相談も大歓迎です。

事業承継は、早めの準備ほど選択肢が広がり、気持ちにも余裕が生まれます。

九州地方で事業承継に不安がある方は、まずは無料相談からご活用ください。

今後の道筋が見えやすくなり、次の一歩を安心して踏み出せるはずです。

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まとめ

九州地方では、経営者の高齢化と後継者不足が進む一方で、承継方法の選択肢は広がりつつあります。

事業承継を考えるときは、まず「自社の今の状態」と「どの選択肢が考えられるか」を整理しておくとよいでしょう。

九州全体まで視野を広げると、承継先や支援制度の可能性が広がります。

国や九州経済産業局、各県の事業承継・引継ぎ支援センターなど、公的な支援体制も整えられているため、上手に活用することで将来に向けた負担を軽くできる場合があります。

事業承継は、会社の歴史だけでなく、経営者ご自身にとっても大切な節目です。

不安や迷いは自然なことですので、おひとりで抱え込まず、まずは支援機関や専門家に相談してみてください。

その小さな一歩が、会社の未来やご家族・従業員の安定につながっていくはずです。

まずはお気軽にご連絡ください

0120-055-737

受付時間/AM8:30~PM5:30(土日・祝休)

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