事例紹介「つなぐ物語」
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つなぐ物語 1 :飲食店
50年以上愛された「街の焼肉屋さん」の、若き後継者との出会い。
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つなぐ物語 2 :ゴルフ場
経営難の中、ゴルフ場の価値を信じ続けて生まれた、新オーナーとの出会い。
八代ゴルフ倶楽部
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つなぐ物語 3 :自動車販売・整備業
「元飛行機整備士の自動車整備業が時代に沿った変化を遂げるには距離や時間を超えた新たな出会いが必要とされた」
井上自動車
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つなぐ物語 4 :地域密着の介護事業を次世代へ託す想い
熊本地震、コロナ禍を乗り越え、地域と支え合い紡いできた「介護の絆」を次の世代へつなぐ。
介護事業インタビュー
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つなぐ物語 5 :お洒落なダイニングキッチン、街中のダイニング&ピザ屋を承継しました。
つなぐ物語
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【M&A事例:介護施設 】山里の灯を、次の世代へ
A施設
熊本県熊本県内の山間地域にある「A施設」は、小規模多機能型居宅介護、住宅型有料老人ホーム、デイサービス、宅食などを行い、その名の通り「繊細な綾のように」人と人を結んできた場所でした。
しかし、令和5年初頭に経営を支えてきた親会社が経営破綻し、破産手続きへと突入します。
支援の柱を失った旧運営会社は地元金融機関への借入金返済が困難となり、入居者、利用者、スタッフ全員の行く末が霧に包まれました。
これに対し、「この地域から介護の選択肢を失ってはならない」と決意した地元拠点の承継会社(若き経営者)が、A施設の社会的意義を理解し、事業を丸ごと受け継ぐ覚悟を固めました。
複雑な債権関係、破産管財人との交渉、管轄裁判所への許可申請といった幾重もの法的・財務的ハードルを越え、この「繋ぎ」は成立に至りました。
第01章:山里に根ざした、介護の砦
熊本市内から車で約1時間半の山間に集落が点在するこの地域は高齢化率が高く、自宅介護を支える地域密着型サービスが切実に求められており、A施設は以下の多角的な複合サービスを展開していました。
【小規模多機能型居宅介護】
通い・泊まり・訪問を柔軟に組み合わせ、24時間365日、住み慣れた地域での生活を支援。
【住宅型有料老人ホーム】
完全個室の15室で、木造平屋・バリアフリー設計のもと、山里の豊かな四季の中で穏やかな暮らしを提供。
【1日型デイサービス】
自立支援介護IADLを中心とし、口腔機能・機能訓練・社会参加訓練を提供。
【居宅介護支援事業所】
ケアマネージャーが在籍し、退院後の生活設計から介護保険サービスの調整まで一括サポート。
【地元自治体委託事業】
介護予防を地域に根ざして実施するため、介護予防教室(毎週木曜)や高齢者交流クラブ(毎週月曜)を開催。
宅食・福祉用具:毎日異なる栄養バランスのとれた弁当の配達(600円〜)と、心身状態に合わせた福祉用具の貸与・販売。
これらの提供には地域に深く根ざした信頼と継続的な経営基盤が不可欠でしたが、親会社の消滅によりその土台が一夜にして揺らぎました。
第02章:嵐の中の決断(タイムライン)
令和5年(2023年)2月、地元金融機関から旧運営会社と連帯保証人宛てに、金融機関取引約定書に基づく「期限の利益の喪失」を知らせる通知書が届き、敷地と建物の抵当権が現実の問題となりました。
【令和2年 6月】
親会社が会社分割を行い、介護福祉事業部門を「旧運営会社」として独立させる。
【令和3〜4年期】
旧運営会社が第1期・第2期とも経常損失を計上し、経営圧迫が続く。
【令和5年 2月】
地元金融機関より期限の利益喪失を通知され、返済困難が表面化。
【令和5年 初春】
親会社が破産を申立て、破産管財人(弁護士)が選任される。
【令和5年 4月】
破産管財人が管轄裁判所へ株主総会議決権行使許可申請を行い、承継会社からの融資と根抵当権設定の承認を申請。
【令和5年 4月7日】
管轄裁判所が申請を許可。承継会社が旧運営会社へ融資を実行し、事業継続の橋渡しとなる。
【令和5年 春〜夏】
事業譲渡が完了。不動産・動産一体の承継によりA施設の運営が承継会社へ引き継がれる。
破産管財人は資産清算だけでなく、利用者・入居者の生活継続を最優先に動きました。
事業存続のための救済融資が行われたことで、従業員給与の支払いが困難な状況の中、4月10日の給与支払い日を乗り越え、何十人もの生活者の日常が守られました。
第03章:承継の構造——法と信頼の間で
本案件は、「売り手が実質的な破産状態にあり、不動産には抵当権が設定されており、親会社の破産管財人が株主として議決権を持つ」という三者三様の利害が絡む、通常のM&Aとは異なる複雑な構図でした。
承継スキームの概要(DEAL STRUCTURE)
【破産管財人】親会社(旧経営体)の株主として、裁判所の許可を得て議決権を行使。
【譲渡企業(旧運営会社)】事業一式を譲渡。
【承継企業(承継会社)】不動産・動産・事業許認可・スタッフ雇用を一体で承継。
【資金使途】不動産任意売却代金は、地元金融機関の抵当権抹消費用として充当。
利用者との契約やスタッフの雇用は一度解除・解雇され、承継会社が新たに締結・雇用し直すという形式的な「断絶」がありましたが、実態としては利用者やスタッフの毎日の暮らしの中にA施設が変わらず存在し続ける「継続」でした。
法的な手続きと人間的な継続性を両立させることが、TORUTE株式会社の役割の核心でした。
第04章:黒字化という、もうひとつの奇跡
承継から一年が経ち、新代表のもとで経営の「見える化」(サービスごとの収支整理、稼働率向上、スタッフが働きやすい環境整備)が地道に進められました。
結果として、連続赤字に苦しんでいたA施設は見事に黒字化を達成しました。
これは財務改善にとどまらず、介護スタッフの安定雇用の基盤ができ、入居者・利用者が同じスタッフに囲まれ続けられることを意味しました。
新代表は「利益を出すことは目的ではなく手段。地域に必要とされ続けるための最初の約束を果たした」と語っています。
黒字化後、以下のように地域貢献の取り組みがさらに広がりました。
宅食サービスの配達エリア拡大と独居高齢者への声かけ強化。
介護予防教室や高齢者交流クラブの参加者増加と地域定着。
山間部の小学校や自治会との連携イベントの開始(介護施設の枠を超えた地域交流拠点への進化)。
エピローグ — 繋いだものの意味
A施設の存在は、週に数回通う利用者、廊下を歩く入居者、毎朝弁当を待つ独居老人など、地域の日常と細く確かに繋がっています。
承継完了と黒字化はゴールではなくスタートラインであり、新代表は山道を走り利用者の声に耳を傾け次の一手を考え続けています。
TORUTE株式会社の役割は単なる仲介ではなく、複雑な法的局面で当事者全員の利益を守り、地域社会の継続性を担保する「繋ぎ」の仕事であり、これが山里のひとつの物語をハッピーエンドへ導きました。
しかし、令和5年初頭に経営を支えてきた親会社が経営破綻し、破産手続きへと突入します。
支援の柱を失った旧運営会社は地元金融機関への借入金返済が困難となり、入居者、利用者、スタッフ全員の行く末が霧に包まれました。
これに対し、「この地域から介護の選択肢を失ってはならない」と決意した地元拠点の承継会社(若き経営者)が、A施設の社会的意義を理解し、事業を丸ごと受け継ぐ覚悟を固めました。
複雑な債権関係、破産管財人との交渉、管轄裁判所への許可申請といった幾重もの法的・財務的ハードルを越え、この「繋ぎ」は成立に至りました。
第01章:山里に根ざした、介護の砦
熊本市内から車で約1時間半の山間に集落が点在するこの地域は高齢化率が高く、自宅介護を支える地域密着型サービスが切実に求められており、A施設は以下の多角的な複合サービスを展開していました。
【小規模多機能型居宅介護】
通い・泊まり・訪問を柔軟に組み合わせ、24時間365日、住み慣れた地域での生活を支援。
【住宅型有料老人ホーム】
完全個室の15室で、木造平屋・バリアフリー設計のもと、山里の豊かな四季の中で穏やかな暮らしを提供。
【1日型デイサービス】
自立支援介護IADLを中心とし、口腔機能・機能訓練・社会参加訓練を提供。
【居宅介護支援事業所】
ケアマネージャーが在籍し、退院後の生活設計から介護保険サービスの調整まで一括サポート。
【地元自治体委託事業】
介護予防を地域に根ざして実施するため、介護予防教室(毎週木曜)や高齢者交流クラブ(毎週月曜)を開催。
宅食・福祉用具:毎日異なる栄養バランスのとれた弁当の配達(600円〜)と、心身状態に合わせた福祉用具の貸与・販売。
これらの提供には地域に深く根ざした信頼と継続的な経営基盤が不可欠でしたが、親会社の消滅によりその土台が一夜にして揺らぎました。
第02章:嵐の中の決断(タイムライン)
令和5年(2023年)2月、地元金融機関から旧運営会社と連帯保証人宛てに、金融機関取引約定書に基づく「期限の利益の喪失」を知らせる通知書が届き、敷地と建物の抵当権が現実の問題となりました。
【令和2年 6月】
親会社が会社分割を行い、介護福祉事業部門を「旧運営会社」として独立させる。
【令和3〜4年期】
旧運営会社が第1期・第2期とも経常損失を計上し、経営圧迫が続く。
【令和5年 2月】
地元金融機関より期限の利益喪失を通知され、返済困難が表面化。
【令和5年 初春】
親会社が破産を申立て、破産管財人(弁護士)が選任される。
【令和5年 4月】
破産管財人が管轄裁判所へ株主総会議決権行使許可申請を行い、承継会社からの融資と根抵当権設定の承認を申請。
【令和5年 4月7日】
管轄裁判所が申請を許可。承継会社が旧運営会社へ融資を実行し、事業継続の橋渡しとなる。
【令和5年 春〜夏】
事業譲渡が完了。不動産・動産一体の承継によりA施設の運営が承継会社へ引き継がれる。
破産管財人は資産清算だけでなく、利用者・入居者の生活継続を最優先に動きました。
事業存続のための救済融資が行われたことで、従業員給与の支払いが困難な状況の中、4月10日の給与支払い日を乗り越え、何十人もの生活者の日常が守られました。
第03章:承継の構造——法と信頼の間で
本案件は、「売り手が実質的な破産状態にあり、不動産には抵当権が設定されており、親会社の破産管財人が株主として議決権を持つ」という三者三様の利害が絡む、通常のM&Aとは異なる複雑な構図でした。
承継スキームの概要(DEAL STRUCTURE)
【破産管財人】親会社(旧経営体)の株主として、裁判所の許可を得て議決権を行使。
【譲渡企業(旧運営会社)】事業一式を譲渡。
【承継企業(承継会社)】不動産・動産・事業許認可・スタッフ雇用を一体で承継。
【資金使途】不動産任意売却代金は、地元金融機関の抵当権抹消費用として充当。
利用者との契約やスタッフの雇用は一度解除・解雇され、承継会社が新たに締結・雇用し直すという形式的な「断絶」がありましたが、実態としては利用者やスタッフの毎日の暮らしの中にA施設が変わらず存在し続ける「継続」でした。
法的な手続きと人間的な継続性を両立させることが、TORUTE株式会社の役割の核心でした。
第04章:黒字化という、もうひとつの奇跡
承継から一年が経ち、新代表のもとで経営の「見える化」(サービスごとの収支整理、稼働率向上、スタッフが働きやすい環境整備)が地道に進められました。
結果として、連続赤字に苦しんでいたA施設は見事に黒字化を達成しました。
これは財務改善にとどまらず、介護スタッフの安定雇用の基盤ができ、入居者・利用者が同じスタッフに囲まれ続けられることを意味しました。
新代表は「利益を出すことは目的ではなく手段。地域に必要とされ続けるための最初の約束を果たした」と語っています。
黒字化後、以下のように地域貢献の取り組みがさらに広がりました。
宅食サービスの配達エリア拡大と独居高齢者への声かけ強化。
介護予防教室や高齢者交流クラブの参加者増加と地域定着。
山間部の小学校や自治会との連携イベントの開始(介護施設の枠を超えた地域交流拠点への進化)。
エピローグ — 繋いだものの意味
A施設の存在は、週に数回通う利用者、廊下を歩く入居者、毎朝弁当を待つ独居老人など、地域の日常と細く確かに繋がっています。
承継完了と黒字化はゴールではなくスタートラインであり、新代表は山道を走り利用者の声に耳を傾け次の一手を考え続けています。
TORUTE株式会社の役割は単なる仲介ではなく、複雑な法的局面で当事者全員の利益を守り、地域社会の継続性を担保する「繋ぎ」の仕事であり、これが山里のひとつの物語をハッピーエンドへ導きました。

